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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
2017/12/31(No.54)
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[目次]
1.東電福島第一原発事故トピック
【No.54】動員の認識なく、契約書もないNUMO──どうにも腑に落ちない調査報告について
2.メルマガ後記
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1.福島第一原発事故トピック
動員の認識なく、契約書もないNUMO──どうにも腑に落ちない調査報告について
<NUMOの意見交換会で動員疑惑>
今回は福島第一原発の事故とは少し離れて、原子力発電環境整備機構(NUMO)などが主催している放射性廃棄物の最終処分場に関するシンポジウムや意見交換会で、学生の動員をしていた問題について考えてみたい。
NUMOは、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分を行うための資金確保やプロセス等を定めた「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(最終処分法)に基づいて、経産大臣が認可して設立された認可法人だ。日本では放射性廃棄物を最終的にどうするかの問題は先送りされ続けていた。現在では夢物語だということがはっきりしてきた核燃料サイクルが大前提だったので、最終処分しなければいけない核のゴミが存在するということから目を逸らしていたといえる。
経産省資源エネルギー庁は2017年7月、地層処分が可能と思われる場所を示した「科学的特性マップ」を公表。これを受けてNUMOは10月から、住民との意見交換会を開始した。意見交換会は極めてハイペースで開催され、10月17日から12月20日までに計28回にもなっている。
その最中、NUMOは2017年11月14日に記者会見を開き、11月6日に経済産業省との共催でさいたま市で開催した意見交換会で、業務を委託した業者が参加した若者に謝金を支払って参加要請していたことを発表した。記者会見では、実際には謝礼金は支払っていないという説明もあったという(11月14日付 毎日新聞電子版 https://mainichi.jp/articles/20171115/k00/00m/040/107000c )。
私自身はこの時の会見に参加することができなかったので、毎日新聞の記事から引き写すと、さいたま市のほか、東京、愛知、大阪、兵庫の各会場で委託先の業者が大学生などに5000円相当の金銭やサービス提供をする代わりに、意見交換会への参加者を募集。27人を集めたとされる。会見でNUMO側は、委託業者に謝金の支払いはしないように指導していたと説明した。
その後、11月24日付でNUMOは委託業者との契約を解除したが、意見交換会はNUMOとエネ庁が直接、運営し、前述したように12月まで続いた。
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