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木野龍逸の「ニッポン・リークス」
2017/2/3(No.55)
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[目次]
1.東電福島第一原発事故トピック
【No.55】今月の福島第一原発事故──賃金カット、2号機調査
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1.福島第一原発事故トピック
今月の福島第一原発事故──賃金カット、2号機調査
<賃金カット>
東京電力は2017年12月21日の中長期ロードマップの記者会見で、福島第一原発の協力企業作業員の危険手当を減額することを発表した。東電の増田尚宏・廃炉推進カンパニープレジデントは「労務費の適正化」だと説明しているが、要するに賃金カットだ。そのため状況を危惧する質問が記者会見で続いた。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2017/images2/handouts_171221_05-j.pdf
東電は福島第一原発の敷地内をおおまかに、Gゾーン、Yゾーン、Rゾーンに区分けして装備を決めている。Rゾーンは建屋内やタンク解体など高汚染エリアで防護服の上にアノラックなどを着用し、全面マスクで作業する。Yゾーンは防護服に全面マスクか半面マスクで、建屋周辺での作業エリアにあたる。Gゾーンは一般作業服と呼ばれる汚染がほとんどないエリアで着用する作業着と、簡易な使い捨ての粉じんマスクを装着する。
現在、福島第一原発ではGゾーンのエリアが構内の95%にまで広がっている。東電は、構内の放射線量が福島第二と同程度になっているとした上で、休憩所が充実してきたことなどから、賃金に上乗せされていた割増分を福島第二と同水準にした。減らされる金額は作業によって幅があるが、増田代表は会見で「6〜7割減る」と説明。現状では「1万円くらい」(増田代表)の割増しが、3000円程度になるという。
問題は、実際の作業での装備は、東電のいうような状態になっていないことだ。つまり、Gゾーンで、YやRゾーンと同等の装備をしているケースもあるし、YゾーンでRゾーン並の装備のこともある。理由は、作業エリアや、その日の作業の移動範囲が、区域をまたいでいることがあるからだ。
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