「今の時期が一番威勢が良いんだ」とおじいさんは言った。先祖代々の葉山の棚田を今も自分の手で守っている兼業農家さんだ。棚田には僕らがグループで借りている十六枚を含めて四十枚の田があり、先月植えた稲が二倍ほどの高さと太さに育っていた。