人と話すのが苦手だった。子供の頃にからかわれた吃音という劣等感は幾つになっても消えることはなかったし、人見知りという性格的なものも大きかった。普段から思っていることの10%も声に出せていない。ただ、物書きという仕事をするようになって「自分が書いた文章を音読する際はどもらない」とことを学んでから、ここぞという前には事前に言いたいことを文章で書き起こして整理してから臨むようになった。ここだけの話、週に一度生放送でマイクの前に座らせて頂いている「渋谷のラジオ」の時もそうしている。でもそれが厳密に言えば「会話ではなく、発表だ」ということに改めて気づかされた。