四月の雨は特に冷たく感じられる。春のあたたかさを味わってしまったせいだろう。気温は10度以上あるのに体感的には今にも雪が降り出しそうな冷たさだ。自律神経の弱いぼくはこの寒暖差で毎年花粉症を拗らせる。花冷えならぬ鼻冷え。厄介な季節だ。振り子のように揺れながらうつろう季節に身体を馴らすことの難儀さ。歳を重ねるたびに足枷の鉄球のように重く感じる。常夏の島に住みたい。ワードローブが夏服だけでいいという身軽さもいい。うつろう四季の情景。寒さで美味しくなる冬野菜や寒魚に未練はあるけれど、それらを失ってでも季節の変わり目の身体の負担に比べたらな、なんて考えてしまう。