ぼくが子どもの頃の話だ。つまりは、50年近く前の話だ。アメリカでは生まれたばかりの子をプールに投げ込んで泳ぎを取得させると母が言っていた。羊水の中にいた頃の感覚を覚えているうちに原始反応、条件反射で泳ぎを取得させるのだという。作り話か、どこかで聞き囓った話を自分なりの解釈で再構成したのだろう。そもそも母はアメリカに行ったこともなければ、アメリカに知り合いもいない。ぼくを自発的に泳ぎに取り組ませるためにそんな話で脅してみた、というところだったんじゃないだろうか。今の時代なら完全に虐待だ。
草の根広告社
「ぼくらはみんな泳いでいた」
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
コメント
コメントを書くつむちゃんがご両親の深い愛情に包まれてどんどん成長されている様子をいつも楽しく拝読させていただいております。
1970年に渡米し、ホストファミリーのもとでしばらくカリフォルニア州にいまして、そのあとも長年にわたり時々訪問しておりました。田舎で土地が広いため、それほど裕福な家庭ではなくとも自宅にプールがある家が結構ありました。ホストファミリーの家にもプールがあったのですが、確かに生まれてまだ間もないときに(ただし頭がすわる時期だったとは思いますが)赤ちゃんをプールで泳がせている姿をたくさん見かけました。
ただ、”放り込む”という行為はなく、親が必ずだっこして一緒に入り、常にそばにいる状態で、手を離してみて様子をみながら泳がせていました。
私が驚いたのは赤ちゃんたちがすぐに水になじみ、喜々として手足をバタバタさせて平気で頭から浅く潜っては上がってくるというような、まだうまく泳いでいるという感じではないにせよ、きゃっきゃ声を上げながら嬉しそうにしていたことです。しばらくすると結構深くまで潜る子もいて、でも必ず上がってきて息を吸う行為も自然とできていました。ただ、安心して目を長く離しすぎると危ないという教訓を感じさせることもありました。
少し話が大げさになっていくことはままあることですが、お母様のお話も、”放り込み”の部分はともかく(笑)、あながち間違いではないと思います。獅子が仔を崖からつき落とす話と似ていなくもないですかね(笑)