夕暮れ時の一日が終わってゆく雰囲気が好きだ。午後4時過ぎには日が傾き始める師走には灰色の空と肌寒い空気が今日はもう仕事を切り上げてもいいよと言ってくれているような気にさえなる。海沿いの路地裏を歩けば、古い電柱の街灯がぽつんと頼りなげに明滅している。誰もいない浜に打ち寄せる波が夜の闇を連れて来る。今日も思った以上にたいしたことはできなかったな。何かが劇的に変わるなんてことはないんだよなという、胸に去来する悄然が案外嫌いじゃない。