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マクガイヤーチャンネル 第256号 2020/1/22
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おはようございます。

前回の放送「『パラサイト 半地下の家族』とポン・ジュノ映画」は如何だったでしょうか?

「最近のマクガイヤー」では韓国映画について何度かとりあげてきましたが、一回まるごと韓国映画というのは初めてでした。じっくりとりあげることができて、満足しております




マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



○2月2日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2020年2月号」

お題

『男はつらいよ お帰り 寅さん』

『音楽』

『さよならテレビ』

『フォードvsフェラーリ』

『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』

『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』

『エクストリーム・ジョブ』

『家族を想うとき』

『ジョジョ・ラビット』

その他、いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



○2月17日(月)19時~「つげ義春とぼくとわたし」(いつもと曜日が異なっております。ご注意下さい)

つげ義春の新しい全集『つげ義春大全』が2020年4月から講談社より刊行開始されます。これまでの全集に収められていた漫画作品だけでなく、貸本劇画や、文章やイラスト、旅写真なども収められた決定版になり、2021年2月までに全22巻が順次発売されるそうです。

つげ義春は、作品数の少なさにも関わらず、漫画史において絶対的な影響を残したレジェンド漫画家の一人と言って良いでしょう。しかし(実質的な)引退から20年以上経過したこともあり、世間の話題に上ることが少なくなっていた今、このような全集が発売されることはファンの一人として喜びに堪えません。

そこで、漫画家つげ義春の解説をしつつ、推しつげ作品について紹介するような放送をしたいと思います。

ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



○藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本の通販しています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

https://macgyer.base.shop/items/19751109



○『やれたかも委員会』に取材協力しました。

『やれたかも委員会』(https://note.mu/yoshidatakashi3/n/na63c34ee5adc)の「童貞からの長い手紙」に取材協力しました。単行本1巻分のエピソードになるそうです。

ちなみに基になったお話はこちら

https://ch.nicovideo.jp/macgyer/blomaga/ar1011063





さて、今回のブロマガですが、前回の放送『パラサイト 半地下の家族』に関連して、いま観るべき韓国映画について書かせて下さい。


●あまり日本で公開されない韓国映画

『パラサイト 半地下の家族』が日本でもヒットしているようで、韓国映画を観続けてきたファンとしては嬉しい限りです。

というのはここ数年、どんなに本国でヒットした韓国映画でも、日本ではなかなか大規模公開されないことが続いていたためです。関東なら、たいていシネマート新宿の実質単館公開、よくてTOHOシネマズやT・ジョイ系列の何館かで公開してくれるという感じでした。

『パラサイト』も、カンヌでパルムドールを受賞したにも関わらずなかなか日本で公開してくれず、このままシネマート新宿ほか数館で公開して、映画をよくみるマニアだけが「ポン・ジュノやっぱり凄いよねー」とつぶやいて終わりかと思いきや、全国のシネコンで公開してこんなに盛り上がるとは。


この理由としては、『パラサイト』という映画が、アカデミー作品賞にノミネートされたという話題性だけでなく、家族潜入工作映画とでもいうべき新しくも普遍的な面白さを持っていると同時に、いまの日本にも共通するテーマや問いが含まれているからだと思います。


この勢いが続いて、面白い韓国映画が我が家の近くのシネコンでも公開されるようになると良いなーなんて思うのですが、せっかくなので「韓国映画を全く観たことがなかったけれども、『パラサイト』が面白かったので、もっと韓国映画を観たいよう!」なんて方向けに、いま観るべきお薦め韓国映画を紹介させて下さい。



●とりあえずポン・ジュノ監督作は全部観ろ

いきなり無茶振りをするようで心苦しいのですが、『パラサイト』が面白かった方はポン・ジュノの過去作を観るのが良いでしょう。ニコ生でも説明したとおり、ポン・ジュノは『殺人の追憶』の大ヒットで韓国映画界で韓国残酷実録殺人ミステリものとでもいうべきジャンルを新たに立ち上げることになりました。その後の韓国映画の大半が観客の予想を裏切るツイストや複数のクライマックスを備えるようになったのは、『殺人の追憶』(と後述するパク・チャヌクの復讐三部作)の影響であると言い切って良いと思います。

その後、小さな怪獣ものをやるふりをして大きな世界を描く『グエムル』、一つの到達点である『母なる証明』などを観るのが良いでしょう。『殺人の追憶』 『グエムル』はソン・ガンホが出てるのも『パラサイト』から続けて観やすいポイントかもしれません各配信サービスでサクっと観れますので今すぐ観ると良いでしょう。

で、長編第一作である『ほえる犬は噛まない』や、出演者はハリウッドやヨーロッパ俳優なのに確かにポン・ジュノ印な『スノーピアサー』『オクジャ』を観た後は、『ポン・ジュノ アーリーワークス』に収められた処女作『支離滅裂』を観たり、脚本を担当した『ユリョン』『南極日誌』、お話はどうみてもポン・ジュノな『海にかかる霧』を観るのが良いと思います。



●とりあえずこの監督作は全部観ろ

ポン・ジュノ監督作をある程度観た後は、韓国で同世代を代表するもう二人の映画監督、パク・チャヌクとキム・ジウン監督作品に進むのが良いでしょう。パク・チャヌクなら『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』の復讐三部作、キム・ジウンなら『クワイエット・ファミリー』『反則王』『甘い人生』『悪魔を見た』のような、現代韓国を舞台にしたブラックコメディあるいはスリラー映画が良いでしょう。『復讐者に憐れみを』『クワイエット・ファミリー』『反則王』はソン・ガンホが出てるのも『パラサイト』から続けて観やすいポイントかもしれません(というかソン・ガンホは名優なので、韓国の有名監督とはあらかた仕事をしているのですが)。

その後、彼らより上の世代でありながら『バーニング』『The NET 網に囚われた男』などの話題作を未だ作り続けているイ・チャンドンやキム・ギドク監督作を観るもよし、更に上の世代でありつつポン・ジュノが『パラサイト』でオマージュを捧げたキム・ギヨン監督作を海外DVD(たいてい日本語字幕ついてます)を購入して観るもよし、あるいは群雄割拠する下の世代で頭二つ抜けているナ・ホンジン監督作を観るもよしです。自分のお薦めは『チェイサー』『哀しき獣』