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【第280号】『ラーメン発見伝』・『らーめん才遊記』・『らーめん再遊記』と二郎・イズ・ナンバーワン(後編)
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【第280号】『ラーメン発見伝』・『らーめん才遊記』・『らーめん再遊記』と二郎・イズ・ナンバーワン(後編)

2020-07-15 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 第280号 2020/7/15
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    おはようございます。

    前回の放送「最近のマクガイヤー 2020年7月号」は如何だったでしょうか?

    途中、便意を催してしまったため中座してしまったのですが、話したいことを話せて満足しております。




    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    ○7月26日(日)19時~「いまこそ読み直したいジョージ秋山」

    漫画家のジョージ秋山が5月12日に亡くなったことが発表されました。

    『デロリンマン』『銭ゲバ』『アシュラ』『ザ・ムーン』『浮浪雲』『捨てがたき人々』……と、代表作に事欠きませんが、実際に読んでいた人はどれくらいいるのでしょうか?

    人は誰でも平和や戦争、政治経済や宗教について語りますが、心底思ってるのは金とセックスのことだけ。病気が人を殺すのではなく、妄想が人を食い殺す。我利私欲の世の中で、カネとセックスにまみれながら、人生と欲望と愛と自意識を語るジョージ秋山作品は、この21世紀にこそ読まれるべき作品たちなのだと自分は考えます。

    そこで、漫画家としてのジョージ秋山を振り返りつつ、作品の魅力について紹介するようなニコ生を行います。

    ゲストとしていつもお世話になっている漫画家の山田玲司先生(https://twitter.com/yamadareiji)をお迎えする予定です。



    ○8月17日(月)19時~「湯浅政明と『日本沈没2020』(仮)」

    7/9よりNetflixで湯浅政明監督によるアニメ『日本沈没2020』が配信されています。

    小松左京のSF小説『日本沈没』は「日本人とはなにか」をSFというフィールドで描いた名作ですが、これまで映画化・テレビドラマ化・マンガ化と、様々なメディアで語りなおされてきました。いずれの作品もその時々の「いまの日本」を描こうとしていました。

    湯浅政明監督による『日本沈没2020』もこの系譜に則りつつ、『マインドゲーム』『夜明け告げるルーのうた』『DEVILMAN crybaby』などで披露した作家性が詰まった作品でもあります。

    そこで湯浅政明のフィルモグラフィーと共にSFとしての『日本沈没2020』について解説するようなニコ生を行います。

    ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



    ○8月31日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2020年8月号」

    詳細未定。

    いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



    ○藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

    https://macgyer.base.shop/items/19751109


    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

    https://macgyer.base.shop/items/25929849


    合わせてお楽しみ下さい。




    さて、今回のブロマガですが、先週に続いて、『ラーメン発見伝』『らーめん才遊記』『らーめん再遊記』について解説させて下さい。



    ●サブカルチャー批評としての『らーめん再遊記』

    で、現在連載中の『らーめん再遊記』では、いよいよ主役となった芹沢サンの苦悩が(少なくとも現在までの連載分では)描かれます。


    ここで芹沢サンが大いに落ち込み、これまでの芹沢サンだったら罵倒したであろう「うまくもまずくもない悪い意味で普通のラーメン」などを食べてホッとしてしまうのは、自分はラーメン史においてもう用済みの存在ではないかという思いがあるからです。

    前述の通り、本シリーズには「あらゆる文化は進化、進歩するもの、すべきもの」という哲学があります。そんな哲学の体現者である芹沢サンは、ニューウェーブ系創作ラーメンのカリスマとして、考えられるありとあらゆる工夫を行い、ラーメンの可能性を追求してきました。『才遊記』のラストで描かれたように、ラーメンは中国の麺料理を日本の材料で模造しようとした「フェイク」であり、生活に根ざしたでB級グルメですが、芹沢サンのやってきたことはラーメンを名実共に寿司や蕎麦のようなA級料理にする――「フェイクから真実を生み出そうとする」行為でした。


    『再遊記』では、ラーメン専門店がミシュランのような世界的グルメガイド「ムシュロン」で二つ星を獲得したことが描かれます。そのラーメン店は芹沢サンのような美味しければなんでもありな創作ニューウェーブ系ではなく、醤油ラーメンの各要素をハイスペック化した、ハイスペック醤油ラーメンを出す店でした。多くの日本人が醤油ラーメンを歴史的にスタンダードと考え、懐かしさを感じることは、『発見伝』や『才遊記』の終盤でも描かれました(もしかすると『発見伝』の主人公藤本はいまハイスペック醤油ラーメンを出しているかもしれません)。また、江戸時代に現在でいうところのジャンクフードとして誕生した寿司や蕎麦や天麩羅といった料理が現在A級・高級料理化していますが、これらはその際にスタンダードなメニューがハイスペック化するという共通点があります。

    これは料理に限ったことではありません。映画も、漫画も、ゲームも、サブカルチャーがメインカルチャーに昇格する(そう扱われる)時に共通した傾向です。あるサブカルチャーが発展するに連れて、カンブリア大爆発のように多種多様な作品が生まれますが、その中でメインカルチャーと看做されるに値すると評価される――生き残るのは、歴史的にスタンダードな要素を持ち、各要素がハイスペック化した作品なのです。

    元ロッキング・オン編集部員でフリーライターでラーメン漫画から格闘漫画まで幅広いジャンルを手がける漫画原作者である岩見吉朗は、誰よりもこのことを理解しているのではないでしょうか。



    ●ミドルエイジ・クライシス

    ジャンルの発展に伴う問題に、年令的な問題すなわちミドルエイジ・クライシスが加わります。

     
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