1: まず、8月2日付朝日新聞の「小池氏処分様子見の記事から見てみたい。
・自民党は小池氏との関係修復に動く構えを見せ始めた。
・安倍氏は役員会議で「東京五輪成功のため、今回示された民意をかみしめながら都民と力
を合わせて取り組んでいきたい」と述べた。細田幹事長代行は「首相の発言は一緒に大事な
都知事だから一緒に努力するという趣旨ではないか」と述べた。
2:安倍首相の意向は選挙期間中も明白であった。明示的な小池批判もほとんどしていない
し、自民党公認の増田氏の応援演説もほとんど行っていない。
3:そもそも小池氏と安倍氏は政治的に極めて近い位置にいる。
国内的には日本会議等の右派に近いこと
日本会議国会議員懇談会
・特別顧問 安倍晋三 麻生太郎
・会長 平沼赳夫
・副会長石破茂、小池百合子 菅義偉 中谷元 古屋圭司 山崎正昭
対
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
自民党本部と自民党都連との確執もしくは茶番を孫崎さんは仰りたいのでしょうが、そんな三面記事的なことよりもっと大きな視点で孫崎さんには日本の政治の未熟さを言及して頂きたい。
”ノーサイド”がないなど、自民党というか日本の風土および民度の低さに驚く。
ノーサイドはイギリスの国民的スポーツラグビーの終了の合図で、戦いの後には勝者も敗者もなく共に戦いを讃えあうという意味だ。今の日本にはこのような感覚は無くなってしまったのか?
日本海海戦の後、ロシア側の艦長や司令官を捕虜にはするも皆殺しにするようなことはしなかった。もっとも、日本艦隊の指揮は実際はイギリス艦隊の司令官に委ねられていたという説もあるぐらいだからそうなったのかもしれない。
先月のBrexitでもイギリス人は日本人と全く違う行動をとる。今のMay首相は脱EU派ではない。Cameron前首相と同じEU残留派だ。しかし国民がEU離脱を決めた以上、その後政権与党である保守党の党首となった以上、May首相は国民の意思を最大限に尊重している。
東京都の選挙結果が伏魔殿的東京都議会もしくは自民党都連にノーを突き付けた以上、彼らは都民の決断を最大限に尊重すべきだ。イギリスの政治家が取っている行動の様に。ここに民度、近代民主主義発祥の地のイギリスの凄さがある。
のようなことを、孫崎さんには述べてほしい。
政治家にとって、選挙民に「私の味方」と信じさせることは必須の能力である。小池氏はその演出能力に秀でていたに過ぎない。
増田氏を推薦した自民党は、引き締めのために作った文書が、結果的にオウンゴールを招いたり、厚化粧を批判して女性票を自ら捨ててしまった。
当初は小池氏と競っていた鳥越氏は、週刊誌の女性スキャンダルについて、選挙民への説明を怠ったために致命傷になってしまった。事実無根として選挙妨害だと告訴しても、投票日までに判決が出る訳ではない。事実関係を丁寧に説明できなかったのだろうか。
今回立候補した人は、この他に18人もいたのに、マスコミは泡沫扱いだった。この差別こそ重大な選挙違反ではないだろうか。18人の中には小池・増田・鳥越の3氏に比べて、決して引けをとらない経歴の人材が存在していた。マスコミに候補者を差別する権利などないはずだ。
小池氏の勝利は癪ですけど、見事だということを認めざるを得ないと思います。
彼女はこれから安倍を倒していこうと考えている人々に有力な方法論を示してくれたと私は思います。