今、米国で、極めて奇妙な現象が起こっている。コロナ・ウイルスの猛威で多くの州が緊急事態宣言を行っている。
感染数 死者数
世界全体 602,262 27,889
米国 104,837 1,711
内NY 26,697 450
各経済機関は米国の第四四半期を歴史的後退を予測している:TDセキュリティーズ-25%、モルガン・スタンレー-30.1%、バンク・オブ・アメリカ-12%、ブルームバーグ-9%、シティG -、 ゴールドマン・サックス-24%、UBS-9.5%、JPモルガン-14%、独銀行-12.9%。
そして失業保険の申請者数が過去最大を更新した。米労働省の26日の発表によると、21日までの1週間で失業保険を申請した人は約330万人に上った。
当然、トランプの支持率は下がっていると予測される。だが事実は違う。今までで最も高い支
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良い悪いは別にして米国の健康保険制度は日本と大きく異なっている。我々から見れば異常な世界であるが、米国では当たり前の医療制度である。政府に対する批判が大きくならない素地が厳然としてあることを抜きにして議論しても始まらない。
インフルエンザのCDC発表によると、10月1日から2月1日までの実態は、羅漢者2,100~3,100万人、来院者数1,000~1,500万人、入院21~37万人、死亡者1万2000~3万人といっている。昨年度は死亡者6万人である。
コロナの現在の死亡者数は1646人であり、インフルエンザ死亡の昨年度比でみれば、2.74%に過ぎない。米国における医療を要する死亡の実態は、日常的当たり前のことであり、死亡者がこの程度では、政府を攻撃する材料になりえないのでしょう。支持率が大きく下がることはないといえる。
オリンピックの延期・中止に対して、IOCが決断を遅らせた理由は、中止・延期に対する損害補償を避けるためと考えるのが妥当と思われる。我が国のパフォーマンス首相は、国民の負担を全く考慮せずに、IOCが100%歓迎の「延期」を電話会議でIOCに言ってしまった。その結果、延期によって生じる費用負担は全て日本国民の税金で補うことになるであろう。しかし日本のメディアは、素晴らしい決断・リーダーシップを発揮したかのように放送する。新型コロナによる損害補償をどのようにするかにかこつけて、首相のパフォーマンスをダラダラと長い時間を使って「リーダーシップ」がるかのようにメディアは放送する。首相は、我々の税金を自分のものと思っているようだ。アメリカにおけるトランプ支持率上昇と同様に、日本においても安倍支持率が上がる可能性は大である。
トランプ氏と安倍氏は似ている。二人は根本が変だけどゴマすりで囲まれ維持されている。安倍氏はオリンピックを控え、感染者を少なくすることに腐心した筈だ。それを支える考え方があったから不思議。コロナを単なる風邪と見なすことなのだ。実は風邪もウイルス、コロナもウイルス、同じなんだね。
安倍氏の念願の感染者を多く出さないためにはテストしないこと。小学生にも分かる原理だ。トランプ氏がツイートでコロナを「風邪」と称したのは安倍氏のそういう考えにトランプ氏が影響されたと言えよう。勿論、安倍氏は用心深く「風邪」とは公言してないが、安倍氏は英語使いの一人。FLUみたいな言葉を電話で言ったのだろう。
トランプのゴマすり学者はそれに従って何もしなかった。ところが、感染者は増え、重傷者も増えて、トランプは「戦争」と言う言葉を使い始め、外出禁止まで発動した。これはやり過ぎだと私は思う。武漢や大邱を封鎖して蔓延を防ぐ中国流の方法を取っているつもりだろうが、果して成功するかは危うい。米国全土が満遍なくコロナというゲリラで侵されてしまっているからだ。感染者はスピードは落ちてもどんどん増えていくだろう。ニューヨークが駄目なら、米国資本主義が誇る自由市場の崩壊状態は長く続こう。
東京もいずれはニューヨークみたいになろう。何故なら、日本全体がコロナというゲリラで、米国ほどでは無くても、薄く広く侵されていると見なされるからだ。この際、日本は原点に戻り、コロナを「風邪」と見なし、自粛を返上し、その代わりに「60歳以上の老人に外出禁止を命じて」、それ以外の若い人がどんどん頑張る。陽性も陰性も関係なく頑張り、日本の経済を支えて貰いたいと思うのだが、どうですか皆さん。幸い中国と韓国と台湾とシンガポールがほぼコロナフリーと言われているので、それらの国と力を合わせて世界経済を支えて行こうではないでしょうか。国際関係の仕事に付く場合は陰性の証明は不可欠でしょうが。
前にも書いたが、米国の医療体制は貧乏人に及ばないという点で中国と同じであり、その一方米国は中国のような、あらゆる国内分野で強権をふるうということができない。できてもやや時間がかかる。そういうわけで、米国は今後非常に困難な時期を迎えることになるだろう(中国も終焉しているわけではないが)。いちはやく新しい薬を開発し、流行を終わらせてノーベル賞、といったようになれば、米国らしい結末というべきか。ちょっと期待はしている。
そういうのはさておき、トランプを揶揄して返す刀で安倍首相を切ったところで、いまさらしらけると孫崎さんには言いたい。政治の基本は国民の生命身体財産を守ることである。安倍首相と自公政権とは、それにいま失敗しかけている。しかし野党はどうなのだろうか。1月下旬、野党はなにをしていただろうか。
粘着されるといやなので、書いておくが、わたしは安倍首相は事態が落ち着いた時点で辞任すべきだとおもっているし、自公政権も、日中関係を見直すためにも一度は下野すべきだとおもっている。それが実現すれば、いまの野党がとりあえず政権政党になるのであろう。しかし、既存野党の連合政権がいまの自公政権よりも良い政治をおこなうとは、ただの1ミリも期待していない。
米国は1946年以来、日本人に民主主義を教えてきたと自負しているだろうが、民主主義は国民の大半が適切な判断力を有し、自国の現状について十分な情報を得ており、それらによって適正な判断ができることを前提としている。米国民の大統領に対する評価が日本国民から見て不可解に思えるのは、米国民自身の判断力と現状に関する知識のいずれか、または両方が不十分または不適当であるからだろう。米国民は非常に多様な人種、文化から成り、貧富、教育程度の格差も大きいので、大統領に対する評価が他国民にとって理解しがたいのは当然だろう。日本人も判断力や知識が不十分なのだから、米国民を嗤うべきではない。