転載:真剣に考察すべきだ!「「欧米に近い外出制限を」 北大教授、感染者試算で提言
西浦博氏(日経4/3 11:07)
新型コロナウイルスの感染者が都市部を中心に急増するなか、「早急に欧米に近い外出制限をしなければ、爆発的な感染者の急増(オーバーシュート)を防げない」との試算を北海道大学の西浦博教授がまとめた。東京都では感染経路不明の患者が急増しており、現状のままでは1日数千人の感染者が出るとした。人の接触を8割減にできれば減少に転じるとしている。
西浦教授は感染者数の予測を数理モデルで解析する専門家で、政府の専門家会議のほか、東京や大阪、兵庫などの感染者数の試算をしている。今回の推計は東京都の状況を踏まえて今後の感染者数を試算した。「人の接触」は鉄道の利用状況を目安にした。
試算では何も流行対策をしなければ東京都の感染者数は急増し、1日あたり数千人を超えてさらに増加する恐れがあるという
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
日本のおこなってきた「クラスター潰しによる感染拡大対策」「重症者を選別しての医療の供給」は、「感染の爆発が起きそうになったら、(適宜な程度の)都市封鎖をする」ということと、もともとセットである。しかも、「(適宜な程度の)都市封鎖」は流行の終息まで何度かくりかえしておこなうことも理論的に想定されていた。
「(適宜な程度の)都市封鎖」は、政治の決断がなければできない。ここまで国民と医療従事者の努力で感染の爆発を後ろにずらしてきていたが、もう決断するには遅すぎるときである。今週初めには宣言が出るかと思っていたのだが。
このままでは、1月下旬に中国からの渡航制限を決断できなかったことに引き続いて、安倍内閣の大きな失政となる。
多少俯瞰的にみれば、政治の決断の遅さが諸外国と比べて目立つ。様々な理由があろうが、憲法に軍隊をもてる規定がなく、非常事態条項もなく、戦時体制になること自体が想定されていないという日本国のありかたが根本であるとわたしはみている。そういう日本にすみつつ、徹底した監視社会(※)をもつ中国を礼賛してきたヒトビトは、死の恐怖をあじわいつつ悔いればよいと思う。
※ https://www.gizmodo.jp/2020/02/china-introduces-novel-coronavirus-close-contact-detection-app.html
安倍首相は、マスクの世帯配布と現金給付で、政治家としての務めを果たしていると考えているのでしょう。次のような現場の声が耳に入らないのであろうか。
①政府専門家委員の西浦教授は数理確率統計から、「STAY HOME」を様々な場で述べられている。
②政府感染症専門委員の方々は口をそろえて、「緊急事態宣言」を政府に要求している。
③東京都知事、大阪府知事なども「緊急事態宣言」を要求している。
④東京始め各県知事がこの土日の外出自粛を要請している。
⑤医師会会長は医療崩壊してしまうと悲痛な声をあげている。
⑥医療現場ではマスクどころかガウンの不足は深刻と言っている。厚生省は何を見ているのか
このような外堀を埋められた中で、現段階は、感染爆発が起きる状況にないと、とぼけたことを言っている。テレビで与野党がバカ騒ぎしているのを見ると腹が立ってくる。現場で医療に従事されておられる関係者の苦労、地方の首長が医療破壊の危機にさらされ、苦労されているが、国会議員は全く分かっていない。
テレビでくだらない議論をする暇があるなら、医療の現場がどのようになっているか実態を目を見開いてみてくるべきです。高齢者も自宅自粛も2月から続いておりもう2か月になる。いつまで自宅待機させるつもりなのか、辛抱させるのもほどほどにしてほしい。メリハリなき辛抱はどこかで限界が出てくる。
森さんは「オリンピックは2年後に」と考えた。そして安倍さんにそう進言した。しかし、安倍さんは1年後に拘った。それについて森さんは記者に「神頼み」と言った。その「神頼み」の発言に安倍さんは感動した。そして、「日本の水準は高い。日本はワクチンを早期に創り上げ、一年後のオリンピックを可能にします」と安倍さんは国会で答弁した。森さんと安倍さんの昵懇の間柄をよく表している。頓珍漢というか、実に面白いですよね。
コロナと闘う諸国の成功、失敗を、日本は幸いながら、コストをかけずに学習できている。次はまず、「コロナ患者数のピーク時の目標値を決定し、それに見合う資源を投入する」という事業計画を即座に作成することです。その計画は日本の優秀な公衆衛生学者、経済学者、社会学者に依頼すれば、1,2時間で完成する筈だ。
やっかいな問題はコロナではない。神頼みのカルト傾向の強い安倍さんをどう説得するか、それが問題ですね。