A-1韓国のクーデター未遂事件: 一体どういうことだったのか?
短期間の戒厳令は内部の複雑な権力闘争の結果であり、大統領の失脚につながる可能性が高いCoup attempt in South Korea: What was it all about?、RT
コンスタンチン・アスモロフ、ロシア科学アカデミー中国現代アジア研究所韓国研究センター主任研究員
韓国の尹錫悦大統領による短期間の戒厳令制定の試みで頂点に達した政治危機は、戒厳令を発令してからわずか5時間半で解除されたが、突然起こったわけではない。
問題は2022年の韓国大統領選挙に遡る。当時、元検事総長のユン・ソクヨル氏は、当時の韓国大統領ムン・ジェイン氏との対立の後、保守陣営に鞍替えしていた(ユン氏はそれ以前に保守系大統領2人を起訴していたにもかかわらず)、当選した。大統領選挙では0.73%の差で、韓国史上前例のない僅差だった。
野党「共に民主
孫崎享のつぶやき
韓国戒厳令の動き=二極化の結果。露学者の評:ほぼ全員を大統領から遠ざけたこの失敗は政治的自殺に等しい。尹氏が権力にしがみつくほど、支持率はさらに低下するだろう。私たちに言えるのは、近い将来、韓国の政治生活は非常に波乱に富んだものになるだろう、ということだけだ。
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コメント
コメントを書く尹大統領の戒厳令発令~撤回騒動は、まさに「政治的自殺」だろう。それは間違いない。では、この背景はなんなのか?あまりにも唐突な事態故に、様々な推察や憶測を呼ぶのは仕方ない。
注目点はアメリカ帝国の関与の有無。この点について、田中宇氏は次のような見解を示した。
-------引用ここから-------
尹が戒厳令を発案して米国に打診したというより、米国側が尹をそそのかして戒厳令をやらせた可能性の方が高い。尹の方から打診する場合、米国側が断ったら、米上層部における尹の信頼が揺らいでしまう。尹の方から打診する可能性は低い。米国側が持ちかけたと考えるのが自然だ。
尹は、自政権の金龍顕・国防相からそそのかされて戒厳令を発したという話もあるが、そうだったとしても、米国に事前に相談して了承を得ないと戒厳令はやれない。
-------引用ここまで-------
アメリカ帝国の了承なしに、戒厳令発令はあり得ない、と。
Moon of Alabamaはアメリカ帝国の関与を推測している点は田中氏と同様の見解である。が、アメリカ帝国が唆したのではなく、あくまで尹大統領側が発案しただろうことを示唆している。「(駐韓国米国大使)ゴールドバーグとワシントンDCはユン氏の戒厳令計画について知らされていたが、それを阻止しようとはしなかった可能性が高い。」
https://www.moonofalabama.org/2024/12/south-korea-majority-wins-as-presidents-putsch-fails.html#more
さて、両氏ともにアメリカ帝国の関与では一致しているが、では、なんのためにアメリカ帝国は、戒厳令発令という唐突な暴挙を教唆又は黙認したのか?
この点はMoon of Alabamaには説明がないが、田中宇氏は次のように説明している。
https://tanakanews.com/241205korea.htm
-------引用ここから-------
この流れの背景にはおそらく、トランプが就任後、1期目にやった北朝鮮の金正恩との対話を再開し、韓国と北朝鮮の和解をトランプが仲裁し、朝鮮半島を緊張緩和し、在韓米軍を撤退する流れを計画していることがある。
この計画の中で、韓国の大統領が尹のままだと、北との和解を拒否しかねず、南北対話が進まない。今回、尹を戒厳令騒動で自滅させ、来年早々、トランプ就任後ぐらいに韓国も大統領選挙をやって「共に民主党」が大統領と議会の両方を握る与党になる。
トランプは、南北和解に積極的になった韓国の新政権を取り込みつつ金正恩との対話を再開し、南北を和解させて朝鮮半島の米国覇権を放棄しようとしている。諜報界のリクード系は、中東や欧州だけでなくアジアでも、トランプが対立抑止と覇権放棄の功績を成功できるよう、協力している。これが私の推測だ。
-------引用ここまで-------
このドタバタ劇が、田中氏の推測のようにトランプ2.0後の朝鮮半島の緊張緩和の流れの一環ならば、好ましいと思う。その点では、尹大統領の政治生命は終わったと言わざるを得ないから、次の韓国大統領はどのような人物になるのか?野党の対北朝鮮融和路線が更に鮮明になるか?この点に加えて、トランプ大統領就任後、金正恩と対話するのか、今後の成り行きを注目したい。
一方で、ロシアの目線では、野党の考え方は親EUとか、グローバリスト系に見えるのだろうか?コンスタンチン・アスモロフ氏の論評にある「民主党は北朝鮮を優先しているため、ロシアと中国を「犠牲」にする可能性がある。」とは、そうでもないように思われるのだが・・・。というのも、韓国最大野党、共に民主党は「ウクライナに武器を供与する問題に関しても「他国の戦争に攻撃武器を提供すれば戦争に介入することではないか」として、「あり得ない」と強調した。」とのことだから、グローバリズム勢力とは一線を引いている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/11228e7b6eaaa556cb27205372063d21cb61c722
韓国と日本の違いは、私の独断ですが、マッカーサー元帥の受け止めですね。そこからいろいろ日本人には分かりにくいことが韓国で起こるということになるのです。
厚木飛行場に天から舞い降りたマッカーサーは当時の日本人の大方には救世主でした。この同じマッカーサーが韓国人には鬼でした。日本の親米右翼みたいな傾向は韓国には存在しえないのです。恐らく韓国人の大方に北朝鮮と米国のどちらが脅威か?と問えば、同じようなものだと答えるでしょう。従って、米国の言いなりになる韓国保守党は日本人が自民党を受け入れるようには韓国人には受け入れられないと私は考えてます。
もう一つ、決定的な違いがあります。事実上立憲君主国たる日本では抗議デモみたいなものは流行らない。共和国の韓国は直接民主主義の傾向が非常に強いのです。私は民主主義の王道は直接民主主義だと考えてますので韓国が好きです。
喧々諤々、とことん論じ合い、方向を見出してもらいたいと思ってます。