駐ウズベキスタン大使時代、風俗の問題に取り組んだ。
 ある日、領事業務を行っている若い館員(独身)が私の部屋に来た。
「大使、今ウズベキスタンの何人かの若い女性がビザを求めてきています。彼女らは売春に日本にいくのです。止めてください」
 書類を見ると、この女性達の受け入れ先は皆、浅草で10人くらいが同じ住所にいくことになっている。風俗で働く可能性は高い。
 しかし、日本は基本的にウズベキスタン人にビザを出すことにしていた。  止めるわけにいかない。
 「止めるのは難しい」というと、若い館員は「大使、若い女性が風俗に行くとわかってビザを出すのですか」と詰め寄られた。
 「わかった。ウズベキスタン側に行って、申請書を自発的に撤回するよう頼んでくる」と答えた。
 そして外務次官に会いにいった。
「今、ウズベキスタンは独立したばかりだ。評判が極めて重要だ。若い女性たちがビザを求めてきた。風俗にいくだろう。ウ