『カナダの教訓』は、日本外交の展開の上でカナダから学ぶ点を捜したものである。
 その最たるものはピアソン元首相である。
 
ピアソン元カナダ首相のノーベル賞受賞スピーチは今日でも我々が学ぶべきものである。
「今日の世界は、もはや、戦争によって防衛しうるものではない。戦争が政治の一つとして使用されるなら、それは全面戦争になる。平和は、力によってではなく、紛争の源を絶つことにより達成される。
 残念ながら、過去きわめて容易かつ頻繁に人々を戦争に駆り立ててきた。人々も政府が平和的すぎると批判してきた。人々が理解しあえなくて、どうして平和が達成されよう。残念ながら、人々は闘いを行うに容易に意見の一致をみ、平和を求めるに。意見の一致がより難しい傾向がある。
 普通は平和な人間が集団的感情の高ぶりの下で野蛮になる。我々は何故このような現象が生じるか知らなければならない。実はこの認識は自分にとって、ある日、劇的に