風立ちぬ」はまさにハリウッド映画の対極にある。
「風立ちぬ」ではその宣伝において、「堀越 二郎と堀辰雄に敬意をこめて」と書いてあるように堀越 二郎のゼロ戦は開発と、堀辰雄の、「風立ちぬ」の純愛の二つをテーマにしたシンプルな筋立てである。
他方ハリウッド映画は通常これでもか、これでもかとアクションを繰り出す。
逆に「風立ちぬ」は無駄なものを意識的に切り捨てたようだ。単純に、単純に徹した。
私は、木曜日4時の時間帯にみにいった。満員である。
客層は20代―30代が最も多い。
ひたむきに飛行機の開発を続ける主人公、この主人公に結核でなくなっていく女性を結婚相手とする。筋に何らの驚きはない。淡々と進んでいく。
主題歌「ひこうき雲」がこの映画の雰囲気を現す。
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「白い坂道が 空まで続いていた
ゆらゆらかげろうが あの子を包む
誰も
コメント
コメントを書くジブリ熱風7月号「憲法改正」
http://www.ghibli.jp/docs/0718kenpo.pdf
是非読んでください。
宮崎監督の原体験等が語られています。
最も心に残った一説は
「僕は仕事場の隣に保育園を作ったんですが、これは本当に良かった。
いちばんよかったのは僕にとってなんです。
チビたちがぞろぞろ歩いているのを見ると、正気に戻らざるを得ないんです。
この子たちがどうやって生きていくのか、と考えたら、それは暗澹たるものだと
思うけれど、じゃあ生まれてこなければよかったのかって、そんなことは言えない。
やっぱり祝福しなきゃいけないし、実際、祝福できる。だから、「なんとかなるよ」
と言うしかないんですよ。」
というところです。
映画で描かれた世界は第2次世界大戦に突入していく前夜の時代が描かれています。
国民みんなが嫌だと思いながらも破滅に向かっているとわかっていたはずの時代。
まったく今とおんなじですね。
だから、監督も「暗澹たる」って言葉が出てくるのでしょう。
涙なくしては見れなかった、良い作品だと思います。
ハリウッド資本によるアクション超大作vs飽くまでシンプルな日本的風景の宮崎アニメの名作。私としては、やはり宮崎監督の作家性を支持したい。
しかし、それでも尚、私は無名のシナリオ・ライターとして、21世紀、ハリウッドを目指すぜ(笑)