集団的自衛権の行使を容認する解釈改憲に公明党が反対の姿勢を強めている。結党当初は自衛隊の存在も認めず「平和の党」を看板にしつつも、徐々に現状を追認。連立政権参加後は自民党に足並みをそろえてきた。しかし、海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使を認めてしまえば、党の存在意義を失うとの指摘は党内外に多い。公明党は傷だらけの看板を守ることができるのか。

公明党は結党五年後の一九六九年の党大会で「すべての国際紛争は、絶対に武力によらず外交手段で解決すべきだ」との「絶対平和主義」を掲げ、日米安保条約の段階的解消と完全中立を主張。自衛隊は「正当防衛の名で他国基地攻撃を是認している」と認めず、代わりに「国土警備隊」創設を提案した。

方針が変わるのは八一年の党大会。安保条約は現実的にやむを得ないと容認。自衛隊は「日本の領域を守ることに限定する」ことで認めた。提起以来、四年の議論を経た結果だった。