あなたは、覚えたいことを記憶に残すためにどんな工夫をしてますか?
今回は、予習はしっかりしているのに授業で先生に当てられることが苦手だという方の相談をもとに、記憶に残すためのノート術についてまとめさせてもらいます。
Q. 高校生ですが学校の授業で当てられることが苦手です。予習はしっかりしていますが、恥ずかしいという感情が強く授業が憂鬱です。
A. わからない問題で先生にあてられた時には、どの部分がどのように分からないかということを伝えて教えてもらうようにしてください。
わからないと言うより積極的に質問するというのが一番いいと思います。
人間は確かにアウトプットする時に知識を記憶に定着させます。
恥をかけばかくほど人間は物事を覚えることができますが、予習はとても効率の悪い勉強方法です。
予習して授業を理解できるのであれば授業に出る必要がありません。
恥をかいた人の方が物事を覚えられるということも覚えておいてください。
中途半端にそこで答えることができて先生に褒められる人よりも、分からない時には堂々と分からない部分を先生に尋ねる人の方が結果的には使える知識として記憶に残ります。
そもそも学校は間違わない方がおかしくて間違いに行くところです。
世の中の大人達も学校の先生も間違えてばかりです。
授業で間違えることを恥ずかしいと思う必要はありませんし、むしろそんな雰囲気を作っている先生の方が問題なのかもしれません。
科学的に正しいノート術とは?
今回はノートのとり方についての解説をさせてもらいます。
ノートをとる上で重要なのは、どのようにしてインプットするのかということと、いかに素早く引き出して使うことができるかです。
つまり、頭の中に定着させるだけが重要なのではなく、ノートの中も頭の中もちゃんと整理することができていたり身につけることができている情報でないと引き出して使うことができません。
どのようにしてノートをとって、どのような情報とともに頭の中に入れると、引き出すことが出来て使える情報になるのかということが重要なわけです。
特に、これからの変化の激しい時代においては即応力が必要になります。
そのためにもノートを使った勉強法が効果的です。
多くの人はすでにわかっていただいていると思いますが、使える知識として長期記憶に定着したいのであれば、アクティブラーニングが欠かせません。
つまり、学ぶことに対して能動的に取り組むことが必要なわけです。
そのために読書でも勉強でも同じですが、自分に問いかけて欲しいポイントは3つあります。
勉強の内容に興味を持ち、積極的に課題に取り組むことができているだろうか?
知識を学びながら、わからないところを自分で探せているだろうか?
学んだ内容を自分の言葉とまとめ方でノートにとることができているだろうか?
受け身の姿勢ではいくら学んでも記憶には残りません。
常に自分で意識して工夫したり、自分の頭を使って考えることこそがアクティブラーニングの重要なポイントです。
ノートのとり方はもっと自由でいいと思います。
例えば、学生の方であれば教科書の順番で丁寧にノートをとる人も多いと思います。
これは別に教科書の内容を順に学ぶのが悪いとは言いませんが、過去に学んだ知識と新しい知識をつなげるためには、どうしても時系列を無視しなければならない場面も出てきます。
効率よく物事を長期記憶に入れるためには、過去に学んだ知識と新しい知識をノートの中で融合させる必要があります。
ですから、それが間違いというわけではありませんが、教科書の順番にとらわれたり丁寧に書くことを意識しすぎるのはもったいないということです。
過去に学んだ知識と新しい知識を結びつけるために、最も役に立ってくれるのがノートへの追記や修正です。
一度書いたノートを見ないのはもってのほかですが、なんとなく眺めて復習するだけではもったいないです。
ノートに追記したり修正すると、自然と復習しながら情報を追加していくようになります。
ネブラスカ大学リンカーン校の研究によると、一度書き終わったノートでも、後から追加修正を行えば行うほど、学習の効果は高くなっていくということが確認されています。
このような効果の理由としては、まずは、追記や修正を行えば行うほどノートに書き込む総量が増えます。
ノートに情報を書き加える量が多くなればなるほど学習の効果は高まります。
それと同時に、後から情報を追加することで、すでに学習した情報と別の情報との間につながりが生まれます。
これによって過去に学んだ知識と新しい知識がつながるわけです
ノートのとり方は皆さんが自分自身で作り上げるシステム
ノートというものは重要なポイントさえ押さえておけば、その方法は皆さんがご自分で考えればいいものです。
今回はその重要なポイントを解説しつつ、どのように使っているのかという話を紹介させてもらいますが、それは決して答えではなく、重要なポイントだけ押さえたノート術を自分なりに作って、それをいかに運用するかということが大切です。
世の中にはいろいろなノート術がありますが、はっきり言って人が作ったノート術をそのまま真似するのはやめた方がいいです。
自分なりに工夫したり自分に合わせて考えてしっくりくるという方法の方がいいです。
重要なポイントさえ押さえておけば、自分なりの方法で工夫していった方が頭の中には入りやすくなります。
自分なりに考えたり自分で作ったノートであれば、復習する時にもその時に考えていたことなどが自然と思い出されて記憶にも定着しやすくなります。
当然ですが、人間は誰でも自分の作り出したものや考え出したものに対しての思い入れは強いものです。
ですから、もちろん誰かのノート術を参考にしたり僕のしている方法を参考にしてもらっても構いませんが、自分なりのノート術を作ってもらいたいと思います。
おすすめのノートと文房具
今回はDaiGo師匠お気に入りのノートや文房具についても紹介しておきます。
このノートはとても手触りのいい紙質になっているA 4サイズのノートで、柔らかいのでノートを開いた時に机の上でまっ平らになってくれます。
このノートが手触りがとても良いので気に入ってずっと使っていましたが、人間というものは周りの環境や情報も含めて頭の中にインプットしようとするものですから、このようなツルツルした手触りの良い質感など自分の気分が高揚する物を使えば、やはり頭の中に残りやすくなります。
ですから、基本的には自分の気分が高揚するものを選べば良いと思いますが、もしこのノートを使ったことがまだなければぜひ一度使ってみてもらえたらと思います。
パイロット 万年筆 キャップレス FC18SRBMF マットブラック
師匠は、このノートと万年筆でノートをとるようにしています。
普通の万年筆だとキャップを取る手間がありますが、気になったりした時にすぐに気軽にノートをとることが重要だったりもしますので、こちらの万年筆だとキャップレスで使いやすいのでこちらを愛用しています。
ハイライトをする時にはこちらが便利です。
重要な部分をマーキングしたり色分けする時にはこの8色のセットが役立ちます。
これらの3点セットを常に使っています。
本とノートは紙がオススメ
師匠は基本的にはノートはマインドマップでとるようにしています。
情報を記録するためのノートはマインドマップで取っていますが、情報を記憶したり引き出したり、新しいアイデアを作りたいという時には紙のノートを使っています。
この両方を使い分けしています。
あまり文字を書かないとか紙のノートを使わないという人も多いと思いますが、やはり本とノートは紙の方が絶対にいいです。
人間にとっては質感がとても重要で、授業の内容を紙のノートで記録した場合とパソコンで記録した場合で、どれくらい記憶への残り方が違うのかということを調べた実験があります。
どちらの方がその授業の内容に関するテストの成績が良くなるのかということを調べたところ、やはり紙とペンで記録をしたグループの方が記憶の保持率が高かったということがわかっています。
ですから、紙のノートでまとめた方がいいわけですが、全ての情報を紙でまとめようとか今回紹介しているようなA 4の大きなノートでまとめようとすると使わなくなってしまうということがあります。
最初からノートに書こうとしなくても構いません。
最初からノートに書こうとするとうまくまとめることができなくて嫌になってしまうということもあるでしょうから、例えば、スマホで軽くメモをしておいて、後でそこからノートにまとめたりしてもいいと思います。
ノートではリライトという作業が結構重要で、この作業によってノートは意味を成してきます。
つまり、情報をまとめるためにノートを使う必要はなく、情報をまとめるだけであればマインドマップでもスマホでも構いません。
その後のリライトの作業がとても重要です。
ノートをとった後の使い方は結構人によって違うと思います。
ノートをとった後にヘタをすると一度も目を通すこともないか、読んだとしても復習のためにパラパラとページをめくるぐらいではないでしょうか。
本来はノートというものはノートを取った後が重要です。
ノートを取った後に復習するだけではもったいなくて、その際にして欲しいことがいろいろとあります。
この作業がノートを取った後に出来るようにしておけば、基本的にはどんなノートのとり方であっても効果を出すことができます。
ノートをとりながら自分に対して質問を投げかける
DaiGo師匠が、ビジネスを考えたり本を読む時にも必ずしている方法です。
一歩引いたところから客観的に自分を見る方法で、自分がしていることや考えていることを客観的に見ることができます。
2005年に行われたプロヴァンス大学の研究で、過去のノート術に関するレビューを行いメタ認知を使ったノート術は効果があるのか、そして、効果があるのであれば、どのようにすれば効果を得ることができるのか、ということを纏めてくれたものです。
それによると、ノートを取りながら自分に対して質問を投げかけることによって、自分の思考を客観的に見ることができるようになり、よりノート術の効果を高めてくれるということがわかっています。
ノートをとる前に自分に語りかけ、ノートをとっている最中にも自分に語りかけ、ノートをとり終わった後にも自分に質問をします。
慣れてくると意識しなくても自然とできるようになりますが、 最初はノートをとる前ととった後だけでも結構です。
ノートを取る前
①目的:そもそもノートをとる目的は何だろうか? ノートはどんな機能を持っているのだろうか?
②とり方の意味:いつも自分は同じようにノートをとっているだろうか? それともノートのとり方を変えているだろうか? 変えていない理由、あるいは、変えている理由は?
③使い道:次の講義やテストのために、自分はノートをどのように使うだろうか?
ノートを取る最中
①情報の価値:自分はなぜこの情報を書いているのだろうか? なぜその情報をまとめようとしているのか?
②満足:自分はこのノートのとり方に満足しているだろうか? 満足していないのであればその理由は何だろうか?
③改善点:他の人のノートと比べて自分のノートはどうなのだろうか? 見やすいのか、見にくいのか? 良いのか、悪いのか? その理由は何だろうか?
ノートを取り終わった後にノートを見返しながら
①不足不備:同じ内容でもう一度ノートをとらないといけないのであれば、自分であればどこを変えるか?
②改善点:このノートを改善するのであればどこをどう変えればいいだろうか?
③第三者の視点:自分のノートをもし先生が見たらどのようなコメントをするだろうか?
ノート術は使わないと意味がありません。
自分なりの解釈で結構ですので実践してみてください。
絶対に正しいノート術はありません。常に手探りで自分なりのノート術を探していくようにしましょう。
ここから先は、さらにノートをとる際の効率を高めるためのポイントについてまとめていきます。
ノートを上手に使って勉強やビジネスを効率よく進めていきたいという方、ぜひ続きもチェックしてみてください。