キヌアは近年、「トレンディなスーパーフード」から「スーパーにいつもある商品」へと進化。でも、この「穀物のようなもの」には、ヘルシーな食生活を心がける多くの人にとって今もひとつの疑問が残っています──キヌアはライスやパンのように炭水化物が多いのか?

食物繊維豊富な「アカザ属」の種子、キヌア

栄養的に、キヌアは穀物に似ていますが、実際には南米アンデス高原一帯に生育する「アカザ属」の植物から取った種子です。キヌア1/2カップで炭水化物20グラム。比較として、玄米1/2カップの炭水化物は22グラム、全粒小麦パン2切れでは24グラムです。

このようにキヌアはある程度の炭水化物を含みますが、低炭水化物ダイエットのときに、締め出す必要はありません。

キヌアは食物繊維が豊富ですから、食事に加えるのはよいこと。低炭水化物食にした場合には、全粒穀物やでんぷん質の野菜、マメ類に含まれるヘルシーな炭水化物が十分に取れないのではないかと心配になります」と、オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターで糖尿病療養指導士を務める登録管理栄養士のロリ・チョンさん。

言い換えると、含まれる炭水化物の量を基準にして遠ざける前に、その食べ物にはほかにどんな有益な栄養素があるかを考える方がよいということ。ダイエットソーダは炭水化物を含みませんが、健康的な飲み物とはとても言えません。キヌアは炭水化物を含みますが、消化を遅くして血糖値の急上昇と急降下(そのためすぐにお腹がすく結果に)を防ぐうえで、役立つ食物繊維が、1回分の量で3グラム入っています。さらに、マグネシウム、リン、亜鉛、ビタミンB1、B2、B6も豊富

ほかの炭水化物の代わりにしてもいい

減量中、または糖尿病のために炭水化物の量に気をつけている人は、ほかの炭水化物の代わりにキヌアを使ってみるとよいかもしれません。「ミートボールに入れるパン粉や、サイドディッシュのライスの代わりに使えば、ヘルシーで炭水化物も少なくなります」と、アメリカ栄養士会(Academy of Nutrition and Dietetics)の広報担当で登録管理栄養士のクリステン・グラッドニーさん。

食事にどれくらいキヌアを入れるかは、それぞれの「低炭水化物」レベルに応じて異なります。カロリーの35%〜40%を炭水化物から取る、別の言い方をすると、毎日およそ175〜200グラムを目指している人もいるかもしれません。糖質を制限する「ケトン食(ケトジェニック・ダイエット)」のような極端な低炭水化物食であれば、毎日の炭水化物量は50グラム以下かも。

(でも、多くの専門家が過度の制限食には反対しています。なかなか長続きしませんし、大切な栄養素が足りなくなる危険があるので)

極端に減らしても効果が低い可能性も

減量のために炭水化物を減らそうとしているのであれば、医師か登録栄養士が最適な範囲を決める手助けをしてくれます。でも、ひとつの食事法がだれにでも効果的なわけではないことを忘れないで。低炭水化物ダイエットは減量に役立つと証明している研究もありますが、極端に炭水化物を減らしても、脂肪の減少や代謝にあまり影響を与えないという研究結果も出ています。

例えば、スタンフォード大学医学部の新しい研究では、18〜50歳の男女600人に低炭水化物食か低脂肪食を1年間続けてもらいました(両グループとも野菜たっぷりで、加糖食品と高度に加工処理された食べ物を避けたヘルシーな「ホールフード」に重点を置いて)。

結果は、どちらも同じ減量効果だったそう。食事に含まれる主要栄養素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の量よりも、食べ物の質が重要ということです。

ある食べ物には何が含まれていないかではなく、健康上どんな利益があるかを考えるのがいちばん。そうすれば、ダイエットの目標を達成するために役立つヘルシーな食べ物を取るために、クラッカーやプレッツェル、クッキーなど栄養価のない食べ物は自然に除外されます。

Kelsey Kloss/Can You Eat Quinoa On A Low-Carb Diet?

訳/STELLA MEDIX Ltd.

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