血圧管理を目的としたDASH(高血圧予防)食では、フルーツや野菜、低脂肪の乳製品、そして食物繊維が豊富な食材を摂ることを強く推奨しています。※編注:DASHとは、Dietary Approaches to Stop Hypertension、高血圧を解消するための食事法の略です。
「DASH食は心臓によい食事法で、カルシウム、マグネシウム、カリウム、タンパク質、食物繊維などを豊富に含む食材をたくさん摂ります」と言うのは、ニューヨーク市のコロンビア大学メディカルセンターの心臓専門医、マルワ・アブダラ博士。
これらは、血圧を自然に下げるために不可欠な栄養素です。専門医も認めるこうした食材を摂りつつ、処方された薬を服用し、定期的なエクササイズを行って、血圧低下を目指しましょう。
1. 低脂肪/無脂肪ヨーグルト
低脂肪の乳製品には、高血圧対策に効果的なカルシウムがたっぷり。低脂肪ヨーグルト340gで、1日のカルシウム摂取量の30%を摂取できます。※編注:米国骨粗鬆症財団では、1日のカルシウム摂取量を1200mg以上推奨。日本の場合、厚生労働省は成人1日あたり600〜800mgの摂取を推奨しています。
おすすめの食べ方:朝のエネルギー補給には、低脂肪のギリシャヨーグルトに、グラノーラ、細切りアーモンド、ベリー類など心臓によい食材をプラスするのがおすすめ。
2. バナナ
バナナにはカリウムが豊富に含まれます。普通サイズのバナナ1本にカリウム約420mgが入っています。さらに食物繊維もたっぷり。
スムージーや焼き菓子、フローズンデザートに加えれば、自然な甘さを楽しめます。傷みそうなときは、皮をむいて冷凍保存しておくといいですよ。
おすすめの食べ方:砂糖の代わりにバナナを使って、マフィンやクッキーなどのデザートを作ってみてください。
3. ベリー類
ベリー類、特にブルーベリーには、血流を促す一酸化窒素が多く含まれ、血圧を下げる効果があります。
「栄養と食事のアカデミー」が2015年3月に発表した研究によれば、1日28gのブルーベリーを食べただけでも、血圧の低下につながるとのこと。
おすすめの食べ方:朝のオートミールやランチのサラダ、ディナーのデザートなどに、ブルーベリーや他のベリー類を入れてみて。
4. 葉もの野菜
ケール、ほうれん草、コラードグリーン、ルッコラ、スイスチャード、ビーツの葉、ロメインレタスなどの葉もの野菜は、カリウムの宝庫。サラダ以外にも、オムレツ、スムージー、サンドイッチなどに入れて楽しんで。
おすすめの食べ方:葉もの野菜の入った風味豊かな一品、ガーリックシュリンプとケールの炒め物がおすすめです(英語)。
5. ビーツ
ブルーベリーと同様に、ビーツも血圧低下作用のある一酸化窒素が豊富な食材。ビートルートジュースを飲むと最高血圧が4~5mmHgも下がる、とする研究結果も出ています。
毎日の食事にぜひ、ビートルートジュースを取り入れてみて。市販のジュースを買う場合は、砂糖が加えられていないものを選ぶとよいでしょう。
おすすめの食べ方:サラダやスープに入れたり、コールスローにして食べるとおいしいですよ。
6. ニンニク
アメリカ国立衛生研究所(NIH)は、ニンニクに含まれる化合物アリシンには、血圧を下げる効果がある可能性を示唆しています。アリシンは、ニンニクをつぶしたり細かく刻んだときに発生する成分です。
ただし、ニンニクのサプリメントについては、高血圧への効果を示す研究がまだ少ないため、医学的にはあまり推奨されていません。
おすすめの食べ方:自分好みの自家製ガーリックスプレッドを作ってみて。ニンニクにオリーブオイルをかけ、まるごとオーブンで焼きます。茶色く柔らかくなるまで焼いたら、外側の皮をむき、クリームやバターを加えてコクを出します。
7. サツマイモ
サツマイモに含まれるカリウムやマグネシウムは、血圧を下げる食事に欠かせません。さらに食物繊維も豊富なので、心臓にもいい食材です。
おすすめの食べ方:サツマイモとお好みの低脂肪のタンパク質食品を、天板にのせてオーブンで焼けば、平日の簡単ディナーに。手作りで作るサツマイモ揚げもおすすめです。
8. オートミール
食物繊維が豊富な全粒穀物、特にオートミールは、心疾患のリスク低下につながると言われています。研究により、日に全粒穀物3人分を摂取するだけで、心臓病のリスクが15%減るということもわかっています。
朝食に全粒穀物のオートミールを食べて、一日を元気にスタートさせましょう。ランチには全粒パン、ディナーにはキヌアや大麦、玄米がおすすめです。
おすすめの食べ方:一晩寝かせて作るオーバーナイトオーツは、忙しい朝にとっても便利です。
9. サーモン
サーモンや鯖など脂肪分の多い魚には、オメガ3系脂肪酸がたっぷり含まれます。抗炎症作用や血圧低下などの効果が期待できます。
また、ビタミンDも豊富なので、カルシウムの吸収促進、うつ病予防、血圧調整などの働きも。
おすすめの食べ方:脂肪分の多い魚の調理は、とっても簡単。シンプルに塩こしょうとハーブで味付けして、オリーブオイルをかけてオーブンで焼くだけ。おすすめは、サーモンとキヌアのはちみつ和えです。
10. アボカド
クリーミーなアボカドを食べれば、カルシウム、マグネシウム、カリウムをしっかり摂れます。アボカド1個に、カリウム975mgが含まれます。
おすすめの食べ方:アボカドトーストにして楽しんで。また、マヨネーズ代わりにツナと混ぜ合わせて、サンドイッチやサラダのトッピングにすれば、タンパク質たっぷりの食事に。
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