産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
11月号連載記事
■ナンバーワン企業その2 良品計画
●日本発のブランド
良品計画という社名に聞き覚えが無くても、「無印良品」は大概の方がご存知でしょう。私は、かなり以前から「「無印良品」=良品計画は凄い!」と言い続けています。
例えば、地下鉄などの車内で若い女性が手に持つ紙袋。そこに書かれているブランド名や企業名がつい気になってしまいます。彼女たちが買い物帰りであれば、その店の商品が売れているということであり、紙袋が再利用されているのであればそのブランド(ロゴ)の紙袋が人前でも恥ずかしくない、あるいはそのロゴを見せびらかしたいということです。
そのようなブランドやロゴの大半が横文字(アルファベット)であり、カタカナ表記であることさえ稀です。ですから、「無印良品」と漢字で大書きされた茶色の紙袋を持って、若い女性が颯爽と地下鉄の車内に乗り込んでくるのは特筆に値します。
例えば、三越や伊勢丹は伝統と格式を誇るデパートですが、彼女たちが社名(店名)を漢字で大書きした紙袋を持ち歩くとは思えません。また、トヨタのレクサスは高いブランドイメージを持っていますが、「トヨタ自動車」と印刷された紙袋は持ち歩きにくいでしょう。世界のSONYは東京通信工業から社名を変更しました。
つまり、これまでは日本のブランドは欧米風を装う(アルファベット表記)必要がありましたし、現在でも大勢は変わりません。その中で「無印良品」は、クールジャパンを牽引する「漢字ブランド」の代表格として健闘しています。海外では、漢字を読めない人々が多いので「MUJI」というアルファベットのロゴも併用されていますが、クールジャパンの「漢字ブランド」の地位は揺るぎません。
ちなみに、日本にあこがれ尊敬しているほとんどのアジアの新興国では、ひらがなやカタカナを使うことがカッコいいとされます。例えば「無印良品」ではなく「無印の良品」と表記するのです。なぜかといえば、漢字だけでは彼らには中国語との区別がつかないので「の」というひらがなを入れることで日本製品としてのイメージを強調するのです。かっこ悪い「メイドイン・チャイナ」は売れないので、「の」がつく日本製をアピールするわけですが、これは日本人がやたら横文字(アルファベット)表記するのと同じ現象です。
●効率的ファブレスメーカー
無印良品の最大の独自性は「ブランドでは無いブランド」という世界に類を見ないコンセプトですが、その「ブランド」をしっかりと支えているのが緻密なオペレーションです。
雑貨・衣料・食品などを扱う日本企業としてはかなり早い時期(しかも会社としての設立以前)から、海外調達、生産に取り組んでいます。
<続く>
続きは、産業新潮
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11月号をご参照ください。
(大原浩)
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