今週は、注目イベントが重なります。とりわけ、今日3・15は米国の金融政策、財政問題、欧州ではオランダの選挙に注目が集まっています。
米欧の結果が出る日本時間3月16日には、昼過ぎに日銀の金融政策決定会合の結果(注目度は低いながら)と総裁会見が予定されています。
さらに、週末3月17日ドイツでG20財務相、中央銀行総裁会議開催の予定です。
米国FOMC(連邦公開市場委員会)での政策金利の追加利上げは、既に織り込済みがコンセンサスになっています。
FRBの政策目標である雇用と物価の安定が許容水準まで改善してきたこと、他の経済指標も好調なものが多くなってきたこと、これに加えて、海外要因に大きなリスクが見られない今の時期に金融政策の正常化を決めてしまおうという姿勢もあると思われ、利上げ決定は決して不思議ではないでしょう。
注目されるのは、今後の金利をFRB理事たちがどう読んでいるか?が伝わるドットチャート。今年の追加利上げは何回あるのか?の予想に繋がり、金利、為替、株式市場が影響を受けることになります。現在の市場予想では、3月利上げが決定されれば、6月か9月、12月での利上げの計3回で、その予想は金利に織り込まれつつありますので、当面は材料出尽くしになるでしょう。
こうして金融政策での正常化が進む中、財政政策の方はどうなんだ?!問題が浮かびます。
トランプ大統領の大胆政策発言以来、財政政策の詳細が待たれてきました。財政がどうなるかによって、今後の債券をはじめ各市場は影響を受けます。
2月28日の議会での大統領演説では財政政策については語られませんでした。発表予定のトランプ大統領初の予算教書。これまでの発言から期待が大きいだけに、どのような内容になるのか? 具体的に数字は? 詳細は? 議会と折り合いはつく可能性は? といった詳細にフォーカスが行くのではないかと思われます。
315はもう一つの米国スケジュール、債務上限問題が復活します。一定期間の執行停止延長措置なども考えられ、大きな問題にはならないようには思いますが、軽視は禁物でしょう。
利上げを織り込んで先週末には115円台半ばまで上昇したドル円相場。
年初からの111~116のレンジ内の動きではあります。米利上げ発表があった場合でも、織り込み済み、出たら仕舞で頭を重くする可能性もあるかと思います。
ところで、3月16日に終了する3月の日銀政策決定会合については、変更なしを予想する向きが大方です。物価目標2%達成を目指して超緩和状態は当面は続くものと思われます。
話をドル円相場に戻します。このところの動きはレンジ内での上下とは言え、下値では底堅い動きとなっているのも確かです。日本の期末要因(円の本国帰還)をクリアしながら、じわじわとレンジ上値を抜いてくるか!?
その可能性を見ながらいきたいと思っています。
さて、欧州315スケジュールは、オランダ選挙。
移民排斥政策等を掲げるウィルダース党首率いる自由党の高い支持率がリスクとして注目されてきましたが、直近調査では支持率を落としているとも伝わります。また、第一党になったとしても連立を組む相手がいないとされる事から政権を取ることは困難だろう、リスクは限られたものだろうと見られています。
一方、フランス大統領選挙では、リスクである極右政党党首ルペン候補は、支持上昇のマクロン候補に引き離されているとも伝えられます。ただ、フランスではルペン支持は根強くあり、隠れた支持者も多いとも言われます。選挙結果が出るまで、支持率の動きに市場も影響されることでしょう。
欧州に関しては、選挙ネタもさることながら、先週の欧州中銀(ECB)理事会でのドラギ総裁の会見内容を注目したいところです。
ECBが政策目標にしている物価目標2%が近づきつつあることから、総裁から金融緩和の縮小、テーパーリングの開始を視野にしたような発言が聞かれました。最近の経済拡大に「確信」を強め、「今後の拡大」にも「期待」しているとも発言され、最近の経済状況の評価を上げています。
ドラギ総裁発言を受けて、長期債利回りは上昇し、ユーロの為替相場もユーロ高に反応しました。
選挙要因による政治リスクに注目して、個人的にユーロ弱気に傾いていましたが、今後はECBの政策スタンスにより注目してユーロを見ていこうと思っています。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。
※3月15日東京時間午後1時執筆
本号の情報は3月14日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)