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2017年3月期決算の発表は今週ピークを迎えます。皆さんが保有されている銘柄も発表予定ではありませんか?
決算発表を楽しみにされている皆さんに更におまけの楽しみとなるのが、中期計画の発表です。
企業が前向きな事業を展開するのに計画なしということは考えられません。
多くの企業は今期の見通しを含めた3期程度の中期事業計画を立案し株主や投資家に認知してもらおうとします。
その計画が達成ができそうもないのか、十分の達成根拠があるものかは発表の内容を吟味しないとなりませんが、近未来の企業の業績や事業スケールを拠り所として投資家は株式投資を行うことになりますので、その内容を吟味することはとても重要です。
未来は明るいぞと感じた投資家はリスクマネーをその会社に投じますし、何となく信頼性に欠ける場合は投資を見送ることになります。つまりポジティブな評価とネガティブな評価に分かれて株価に綱引きが起きることになります。
企業は成長に向けたビジネスの種をまいています。その種がどこまで実を結ぶかを示している中期計画には期待と不安が重なりあうこともしばしば起こります。
上場企業にとって株式市場に上場している意味は何でしょうか。知名度を高め新たなリスクマネーを呼び込んで成長のための資金を調達することもその一つと言えます。
ヒト、モノ、カネの3つの要素を上場することで獲得するチャンスを得た企業はビジネスの発展のための先行投資を行います。
その時に必要となる資金を株式市場から得て人や物に投資する訳です。
中・長期の事業や経営計画は企業自らにとってもステークホルダーの代表である株主にとっても、更に取引先企業や就職を予定している学生などにとっても参考となります。もちろんこれから株主になろうとしている投資家にとっても重要な羅針盤となります。
中期計画は発行体企業が自らの裁量で立案するものですが自らの事業の環境や未来の予測を踏まえて慎重に作成されるべきものです。私たちのようなアナリストや有識者などの参考意見を数多く集めて立案する周到さが求められます。
最終的なGOサインは社長はじめ役員が決めることになりますがそこにはある種の思惑が絡むこともあるかと思います。
この中期計画を発表したら株価は踊るに違いない。株価が反応しない中期計画など出す意味がないといった意見などに押された株価を意識した発表が必ずしも株価に好影響をもたらすとは限りません。
筆者も過去多くの中・長期計画を見てきました。
上場後の長期計画をセンセーショナルに発表したとの記憶に残るのがソフトバンク(9984)の孫社長。
彼は生きている間の計画に加えて300年もの長期ビジョンを思い描いていることを投資家の前で述べたことがあります。決して数字に理路整然と落とし込まれていなくても不言実行していく姿が今日のソフトバンクへの評価を高めているように感じられます。
ここまでの計画は示されなくてもどのような企業経営者にも一定のビジョンを示していく姿勢は必要です。今月の本決算発表に合わせて中期計画の発表を予定している企業も多いかと思いますが、混沌とした諸情勢を前提にした中期計画作成はなかなか骨が折れる作業かと思います。
私がこれまで取材してきた企業の中でも新たに中期計画の発表を予定している企業があります。
テノックス(1905)がその典型例となりそうです。
同社の2017年3月期決算は5月12日の予定ですが、その際にこれまで発表をしてこなかった中期計画の発表を予定しているようです。(本決算発表後にずれることもあるかと思います)
ご存知のように2017年3月期は業績下方修正となってしまいましたが、2018年3月期以降は設立50周年に向け着実な業績推移が期待されます。その具体的な内容については発表を待つしかありませんが、技術力を備えた基礎工事会社である同社の新たな事業展開などを含めたポジティブな内容の発表になることを期待したいと思います。
株価は相変わらず評価が低いままで推移していますが、これまで控えてきた決算説明会などを含め積極的なIRを企図しているようですので投資家の関心が徐々に高まるものと期待されます。
時価820円の2018年3月期予想PER5倍台、PBR0.5倍台、配当利回り3.6%台というのは中期計画発表で改めて見直しされるとの期待があります。果たして株価はどう踊るのでしょうか。
一方、ITやエンジニアリング業界向け人材派遣業で積極的な成長戦略を持つ夢テクノロジー(2458)は既に昨年の11月2日に中期計画を発表していましたが、5月2日にその中期計画を大幅に上方修正。同時に今9月期の業績を積極的な人材採用に関わる費用増を背景に大幅な下方修正を行い、結果として週明けは株価が大きく売られる結果となっています。
中期計画は大幅上方修正ながら今期業績については大幅な下方修正ですが、皆さんはこれをどう評価されますか。今期のEPS30円がたった9円になるということで株価は2日の終値に対して70円安の738円で終えてしまいましたが、一方で2019年9月期の営業利益は16億円、当期利益10億50百万円でEPSは約81円となりますのでPERは10倍を切ってくることになります。しかも同社の配当性向の方針は100%ですので配当金が80円になる可能性もある訳です。(実際にはどうなるか分かりませんが・・)
このように企業から打ち出された中期計画の評価の仕方次第では株価は踊り出す可能性を秘めています。
皆さんも株価が踊り出しそうな中期計画発表企業を見つけてみてはどうでしょうか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)