2020年の株式相場の前半戦はあと1か月足らずで終わる。

 この間は例の問題から年初から3月半ばまでは想定外のクラッシュがあり、その後は戻り相場の展開が見られるが、大波乱の展開となってしまったことで投資家の皆さんは悲喜こもごもの状況だろうと思われる。

 リターンを求めて投資家はリスクテイクをすることになるが、そのタイミングや銘柄選定次第でプラスになったりマイナスとなったりと変化が大きくなっていると推察される。

 ここまでベストの運用をされた投資家は果たしてどれだけのリターンを上げたのだろうか。きっと運用哲学や運用スタンスなどの巧拙で大きく差が出た推察される。


 ここではおよそ3つの投資家像で考えてみたい。


1.直近2カ月で大幅なリターンを上げた投資家

 ゼロ金利時代にこそチャンスと見て積極的に株式運用をされている投資家は多いのかも知れないが過去の株価指数で見れば2008年のリーマンショックで8000円割れまで低落した日経平均に見られる株価指数が10年で3倍にもなったことを念頭にコロナショック前の段階で慎重な運用をされてきた投資家も多かったのではないだろうか。
 特に昨年末でキャッシュポジションを高めてバーゲンハンティングを心掛けておられた投資家にとっては3月半ばのクラッシュは格好の投資チャンスだったに違いない。

 そこでの積極的な個別株投資はわずか1か月余りで投資資産を5割以上も増やした可能性がある。
 中には新型コロナウイルス関連銘柄(マスク、除菌、防護服、ワクチン、治療薬など)への循環投資で資産が2倍以上に膨らんだという投資家もいると考えられる。
 また投資対象をIPO銘柄などにも振り向けた結果、中には10倍以上にもなったという新たな成功者も多数出ている可能性もある。

 こうした勇気と行動力、洞察力を兼ね備えた投資家は少なくとも全体の1割程度は存在するのかも知れない。
 社会が変化する局面でこそこうした投資家は水面下で実力を発揮することになるが億の近道の読者の皆さんはどうだろう。

 クラッシュ後にオンライン証券の口座開設が増えたというニュースが伝わったが、自宅でのテレワーク期間で株の運用で大儲けしたといった事例もあっても不思議ではない。但し、それは投資金額自体は小さかった可能性もある。

 株の面白さや醍醐味を味わった令和時代の新人類がこの相場のリード役になっているとすれば今後の株式相場が意外な展開を見せることもありうる。


2.多くのバイアンドホールド型投資家

 個人投資家は自らが有望銘柄として見出した保有株をなかなか見切りをつけて売ることはしない。多くはバイアンドホールドで長期スタンスで保有し、こうしたクラッシュ局面でも冷静に眺めながら戻り相場の行方を見守ることになる。

 3月のコロナクラッシュでこれまで保有してきた株式資産が大きく目減りして途方に暮れた大多数の投資家はクラッシュ時の安値(例えば日経平均16000円台)を横目にどこまで値を下げるのだろうと戦々恐々とされた可能性がある。
 そのクラッシュから抜け出しここに来て指数は半値戻り水準となってきたことで保有されている資産が一定水準までは戻ってきた。ただまだ完全には戻り切っておらず、この先もまだ株価の上昇を期待している状態だという投資家が全体の6割以上を占めていると推察される。


3.絶えず逆にいくタイプの投資家

 株式には運不運は付き物だが、今回のコロナショックで我先に売りを浴びせた投資家も多いだろう。これは信用取引をなさっている短期投資家が一定数はお見えになっていて追証発生を前に背に腹は代えられないとの事情からの対応だったのかも知れませんが、市場の中の2割程度はそうした類で安値をつけにいく投資家が必ず存在する。
 そして株式相場から手を引き、見るのも嫌だの世界になってしまいがちだが、またほとぼりが覚めたら株式相場でリスクに挑戦し再度高値つかみの行動に出ることになる。ざっくりと言うと全体の2割がこうした投資家になると推察されるが、皆さんはいかがでしょうか。


 株式相場は様々な投資家の思惑を背景にして摩訶不思議な動きを見せている。
 GDPの大幅な減少、企業業績が大幅な悪化を辿ると見られる恐慌状態の中で株価は堅調に上昇している。

 先行き不安を背景にした世界的なコロナショックを経て世界の株式相場は戻り歩調にあるが、この先も期待と不安に包まれての展開となりそう。株式相場は一定の周期(3か月程度)をもって山あり谷ありの変動を見せている(筆者の仮説)。
 3月半ばにボトムを打った相場が戻り歩調を見せる中でどこまで戻るかが関心の的と言えるがそれは投資家各位の判断に委ねられる。感染拡大がピークを打ちつつあり緊急事態宣言が部分解除となる可能性がある一方で、第2波が秋にやってくるという説もある中で皆さんの投資スタンスがどうなるのかは興味深い。


 様々な投資家がリスクを覚悟の上でリターンを追求する姿勢がどう変化を見せるのか引き続き興味津々といったところだ。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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