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「『自分はまだダメだ…』を武器にする技術」の続きです!(#1,#2)

 

このシリーズでは、私たちの人生の満足度を下げちゃうインポスター症候群について触れてまして、今回は「インポスター症候群」の話です。ざっくり言うと「自分の成功を実力と認められず、偶然や運の結果だと思い込んでしまう心理現象」のことで、こいつをこじらせると、いつまでも達成感を得ることができず、人生の満足度がダダ下がりしちゃう可能性が高まるんで、心当たりのある方はぜひ注意しておきたいところです。

 

ということで、今回はその第3弾。インポスター症候群の対策として、「“助け合い”をデザインする」を見てみましょう。

 

 

 

インポスター症候群改善ステップ3. “助け合い”をデザインする

「あの分野、正直よくわからない……」や「あの質問が来たら、詰むかもしれない」みたいな不安は、普通に働いていれば誰にでも経験するものでしょう。完璧に理解していない領域なんて、誰にでもありますもんね(私も「理解してないことばっかだな……」って感じですし)。

 

なんだけど、ここで間違ってはいけないのは、「すべてを自分で解決しようとすること自体が非専門的である」という事実であります。自分ひとりで抱え込んで燃え尽きてしまったり、他人の力を借りることを恥だと思って孤立したり……みたいなことですね。

 

栄養学のエキスパートであるアラン・アラゴン先生いわく、 

 

自分の限界を受け入れ、他者の力を借りる設計こそが“本物の専門性”である。

 

要するに、「助けを求めるスキル」こそがプロフェッショナルの証なのだ!ってことで、ここは納得しやすいところじゃないでしょうか。

 

では、「“助け合い”をデザインする」ためにはどうすればいいのかってことで、その鍵となるのが、社会科学の世界でよく言う「リファラルネットワーク」であります。これは、お互いの得意分野を紹介し合い、信頼に基づいて仕事や知識をつなぐ仕組みのことで、たとえば、

 

  • フリーランスのデザイナーが、クライアントから「サイト全体の構築もお願いできますか?」と頼まれたとき、信頼しているエンジニアを紹介する。

  • 管理栄養士が、自分の専門外である運動指導の相談を受けたとき、信頼できるトレーナーを紹介する。

  • スタートアップの創業者が、資金調達や法務の壁にぶつかったとき、過去に助けてもらった弁護士や投資家を紹介し合う。

  • あるいは、社内で「この部分は○○さんが詳しいから、話してみるといいよ」とつなぐだけでも立派なリファラル。

 

こうした紹介の連鎖が広がることで、知識とスキルのエコシステムが自然と育っていくような状況は、誰にでも体験したことがありましょう。

 

言い換えれば、リファラルネットワークってのは「信頼できる他者の紹介網」みたいなもんでして、専門家として長く成果を出し続けるためには欠かせない視点だと言えますね。

 

 

なぜ専門家ほど「助け合い」が必須なのか?

現代の仕事では、単一の知識やスキルで完結するものはほぼありません。 どの分野でも「横断的な理解」と「他者との連携」が前提になるはずであります。たとえば、栄養指導者なら、次のような連携が必要になるでしょう。

 

  • 運動面 → トレーナーや理学療法士
  • 心理面 → カウンセラーや臨床心理士
  • 疾患対応 → 医師や看護師
  • 高齢者支援 → ケアマネジャーや地域包括支援センター

 

これと同じように、あなたが教師であれば、発達支援が必要な児童をサポートするには、スクールカウンセラーや言語聴覚士、保護者との連携が欠かせないはず。授業だけでなく、学びの環境全体をチームで設計する必要があるでしょう。

 

はたまた、あなたがエンジニアで社会課題を解決するアプリを作る場合は、UXデザイナー、法務、倫理専門家、データサイエンティストとの協働が不可欠になるはず。コードを書くだけでは“良いプロダクト”は生まれないですからね。

 

つまり、“ひとりで全部やる”モデルってのは、とっくの昔にすでに時代遅れになっているので、この問題に立ち向かうためには、専門性の“点”をつなげてネットワークに変えることが信頼の起点になりましょう。

 

というと、「自分のことを他者に預けるのは嫌だなぁ……」や「なんか無力さを感じちゃうなぁ……」と思ってしまう人もいるんだけど、現実の話はまったく逆であることを肝に銘じておきたいところです。現実の世界では、「なんでも自分でやれる人が一番すごい」などと思う人はまずいなくて、実際には「ここは自分の領域ではない!」と明確に言える人間こそ信用され、周囲から“プロらしい”と見なされる傾向があるんですよね。

 

心理学者ヴァン・プロイエンは、信頼の構造を研究する中で、こんな結論に至っています(R)。

 

他人の知識を尊重し、自分の不確かさを言語化できる人ほど、社会的信頼を獲得しやすい。

 

つまり、「俺はなんでもできるんだぞ!」って人よりも、「俺は自分の輪郭がはっきりしている!」と言える人の方が他者から信頼されるし、結果的にチーム全体の成果も高まりやすいってことですな。まあ、頭ではわかっていても、“弱みを見せたら負け”のような考え方が強い人には、なかなか実践は難しいところですが。