週刊 石のスープ
定期号[2012年2月15日号/通巻No.27]
今号の執筆担当:三宅勝久
※この記事は、2012年2月に「まぐまぐ」で配信されたものを、「ニコニコ・チャンネル」用に再配信したものです。
裁判所や検察庁の職員、記者クラブなる任意団体を構成する会社の社員といったうわべの職業だけで、「テロ容疑者」とそれ以外にわけて、容疑者のほうだけを税金をつかって徹底的に身体検査をするという南アフリカのアパルトヘイトに比類するような東京地裁・高裁の差別的な入口検査についてご紹介してきた。すでにご存知の方もいらっしゃるはずだが、これによく似た光景を最近、国会議員会館でも見るようになったので報告したい。
東京都千代田区永田町にある国会議員会館3棟(衆議院第一・第二・参議院)は建て直し工事が終わり、旧館も取り壊された。赤坂方面が見渡せるようになりすっかり風景が変わった感がある。
つい昨日(2月10日)にもあきれた体験をしたのだが、それは後段に回すとして、2年ほど前の話から紹介したい。
メモがみつからないので正確ではないが、国会議員会館での「アパルトヘイト」に、筆者が最初に気づいたのは新館への引越しが終わったばかりのときだった。2年ほど前ではなかったかと思う。出来たばかりの新参議院議員会館に入ろうとしてとまどった。中央に警備員が立っている。普段着の筆者を見ると「こちらへ どうぞ」と右のほうへ進むよう指示を出した。右と左に振り分けているのだ。変に思いながら右へ進むと、行く手には金属探知機とエックス線の検査機械が待っていた。民間の警備員が何人も配置についている。荷物を出せ、携帯、金属類を出せという。筆者の先にいた入館者たちは文句も言わずに命令に従って検査を受けている。
一方「左」のほうを見ると背広の男たちが何の検査も受けずに素通りしている。それをみると、とても黙って検査を受ける気にはなれなかった。