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■久瀬太一/12月25日/18時45分
コメ1 3D小説「bell」本編 120ヶ月前
質問者の動画と、目撃者の動画を組み合わせると、会話はこうだ。『部屋の中にいたのは?』『ニール』『現場をみたのですね? どこからみていたのですか?』『あ段の、桶の中』 今、この場にいる全員の視線が、ニールに集まる。 彼は相変わらずソファでふんぞりかえっている。 天井を見上げて、長い息を吐いて、そ...
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■久瀬太一/12月25日/17時35分
コメ0 3D小説「bell」本編 120ヶ月前
オレは次のメールをひらく。『血の付き方がおかしい。手の周りの形を取るように血が付くはず』 たしかに、その通りだ。 ――なら、これはやはり偽装されたもの? 偽装としても荒っぽいように感じた。 とりあえず山本が疑われればいい、そんな感じだ。『美優がナイフを右手で握って背後から刺したら傷は右腹部にでき...
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■久瀬太一/12月25日/13時50分
コメ0 3D小説「bell」本編 120ヶ月前
そこにいたのは、みさきだった。 ――いや、本当にそうか? とっさには判断がつかなかった。 彼女は、佐倉ちえりのようにもみえた。 どうして? 夏には彼女の姿をひとめみるだけで、みさきだと確信できたのに。 なぜか今は、彼女がみさきだか、ちえりだかわからない。 とにかく彼女は、バスに乗っているようだっ...
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■八千代雄吾/12月24日/22時48分
コメ0 3D小説「bell」本編 120ヶ月前
プレゼントを欲しがっていたのは、メリー。 そのメリーが唯一仲間に引き込んだのが、オレだった。 理由はきっと、単純だ。「過去を書き換えられる」 その言葉にいちばん素直に飛びつく聖夜協会員がオレだったってだけだろう。 都合よく聖夜協会員たちの視線は、クリスマス懇親会に向いていた。 誰かに邪魔される...
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1000のご愛顧大感謝思い出し企画:私はいかにして心配するのを止めてWindows8を愛するようになったか?
コメ0 アスキー編集部 ニコニコ出張ブログ 123ヶ月前
オレが月刊アスキーでアルバイトを始めたのは1982年で、ちょうどNECのPC-9801が発売になったころ。ホビー的には8bitが主流で、アルバイトのお仕事としてゲームの移植や、パソコンを恒温槽に入れて何度で暴走するかテストしたり、98の全パーツを並べて写真を撮ったりしていた。 PCに搭載されて
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デカ盛りすぎるデカ盛りカレーを食べてみた! 皿からカレーがこぼれてる(笑)
コメ0 ガジェ通 124ヶ月前
味なんてどうでもいい! デカけりゃいいんだよ!! デカくて安けりゃ満腹になって空腹をしのげる! そこに味なんて関係あんのかい?そう思っていた頃もありました。今オレが求めているのは、デカ盛りでウマイ料理。そしてついに見つけたんです。激ウマなのにデカ盛りで安いカレー!その店の名は『カレーやさん リトルシ...
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デカ盛りすぎるデカ盛りカレーを食べてみた! 皿からカレーがこぼれてる(笑)
コメ0 【無料】ガジェット通信ブロマガ 124ヶ月前
味なんてどうでもいい! デカけりゃいいんだよ!! デカくて安けりゃ満腹になって空腹をしのげる! そこに味なんて関係あんのかい?そう思っていた頃もありました。今オレが求めているのは、デカ盛りでウマイ料理。そしてついに見つけたんです。激ウマなのにデカ盛りで安いカレー!その店の名は『カレーやさん リトルシ...
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■久瀬太一/8月24日/19時20分
コメ0 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
それは、窓から押し込まれてきた。 意外に大きな紙袋だった。「なんだよ、それ」 と八千代がいう。 オレはその紙袋を開く。 何通もの手紙が入っていた。 それから、スマートフォン。おそらく八千代のものだ。続いてキャンディ。これもきっと、八千代用だろう。 それから、もちろん、ヒーローバッヂが入っていた...
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■久瀬太一/8月24日/18時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
ふいに、スマートフォンが震えた。 ――ソルからだ。 ほとんど確信を持って、オレはスマートフォンを開く。 メールを開いた。 そこには、シンプルに、オレがもっとも欲しい情報が書かれていた。 ※ みさきは君と星を見た公園にいる。バッヂを受け取ったあと向かって欲しいしながわりんこ @yuzuyuzuyuz...
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■久瀬太一/8月24日/16時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
新幹線の座席に座って、少しだけまどろんでいた。 まだ意識がはっきりとしない。 身体が上手く動かない。 目を閉じる。 気がつけばまた、隣にはあのきぐるみがいる。 ※「制作者が望んでいるのは、たったひとつの証明だ」 ときぐるみが言った。「それは夢みたいな証明だ。本来なら目にみえないもの、...
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■久瀬太一/8月24日/15時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
バスはまだ走り続けていた。 なにもない、まっ白な景色の中を、ひたすらに。「ここはどこなんだ?」 とオレは尋ねる。「まだどこでもない」 ときぐるみは答える。「そろそろオレは、目を覚まさないといけない」「どうして?」「みさきのところにいかなくちゃ」「でもさ、君が間に合ったとして、本当に彼女を救える...
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■久瀬太一/8月22日/21時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
サクラは後ろに残している。 一歩、もう一歩。 オレはゆっくりと王座に近づく。 地雷原を歩くような気分だ。でも確率の問題じゃない。オレは確実にそれを踏み抜く。攻略本をみたから知っている。 想像よりも、王座に近づいたと感じた。 駆けだせばすぐにそこに到達できそうだった。 オレが普段よりも狭い歩幅で...
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■久瀬太一/8月22日/20時00分
コメ2 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
窓からみえたオレが、サクラに対してどことなくそっけなかった理由がわかった。 彼女には常に、言葉にし難い違和感があった。みさきに似ているから、それが際立った。言動のひとつひとつに、どこか作り物めいた嘘っぽさがあった。 オレはソルからのメッセージを読みながら、城の中を進む。 ※ ――自分の...
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■久瀬太一/8月22日/18時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 124ヶ月前
それはなんの変哲もない、ただのノートPCにみえた。 以前、この部屋を八千代と捜索したときにも置かれていたものだ。 オレはその前に腰をおろし、モニターを眺めていた。ノイマンが横から身を乗り出すようにして、PCを操作する。「このアイコンをダブルクリックしなさい」 とノイマンは言う。「そうしたら、ど...
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■久瀬太一/8月20日/23時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
君はどうしたい? いつも、私たちから質問するばかりだ。久瀬くん、君のほうで何か気になること、私たちソルの力を借りたいことはないのかな? ※ ――というメールを読んで、それが思考するきっかけになった。 ソルたちに対して、気になることは無数にあった。 一体、どんな集団なんだ? どうしてオレ...
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■久瀬太一/8月19日/24時10分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
電波が切れた。 オレは最後に、滑り込むように届いたメールを確認する。 またきぐるみに対する質問だ。「なあ、お前が傷ついているのは、バッヂの状態と関係があるのか?」「どうかな?」 と、きぐるみが首を傾げる。「別に、バッヂがどうなったかで、オレがどうこうなるわけじゃねぇよ。でもまあ、まったく関係が...
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■久瀬太一/8月19日/23時35分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ソルからのメールの中にきぐるみへの質問に関するものが混じっていた。 オレはそれを、そのまま尋ねる。「おいきぐるみ。お前の傷って、いつからあるんだ?」「傷?」 きぐるみはなんだかむかつく笑顔で首を傾げる。「傷ってなんだよ?」「お前についてる傷だよ。わかるだろ」「え、傷とかついてるの?」「一目瞭然...
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■八千代雄吾/8月16日/19時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
オレはストロベリーのキャンディを、口の中に放り込む。 すべて計画通りだ、なんてことはない。 意外なことだらけだった。 オレが正しい、とは思わない。 なにもかも間違えているような気さえする。 許してくれよ、なんて言うつもりはない。 彼にどう思われようが、仕方のないことだ。 ――みんな演技だ。 たぶ...
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■久瀬太一/8月16日/14時55分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
今どき滅多にみない、古いルームキーだったのが幸いしたようだ。八千代はそう時間をかけずに鍵をあけた。「カードキーならどうするつもりだったんだ?」 とオレは尋ねてみた。「従業員にあけてもらうよ」 と八千代は答えた。 ドアを開いてすぐ、当たりだとわかった。部屋のかたすみに、あのバスからみたソフトスー...
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■久瀬太一/8月15日/25時55分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
一瞬、視界が途絶えて、次にみえた景色は先ほどまでと少しだけ違っていた。 オレはどこか、狭苦しい場所がいた。ちろちろと水の音が聞える、暗く、湿った場所だ。 窓の向こうのオレが、ふっと頭上をみあげる。 そして、ぼそりと呟いた。「しろとくろをみわけよ?」 なんだ、それ。「これは、ややこしい暗号じゃな...
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■久瀬太一/8月15日/25時40分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「なるほど」 と、窓の向こうのオレは言った。「もう一体、ドッペルがでる可能性があるなら、サクラをつれていくわけにもいかないか」 それに、みさきとちえりによく似た少女――サクラが答える。「いえ。私は、お姉さまを捜すのは、私の目的ですから。すべてお任せするわけにはいきません」「でも危ないらしいぜ?」「...
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■久瀬太一/8月15日/24時25分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「おいオレ、隣のきぐるみに、次の質問をしろ!ひとつめ、本物のいい子について何か知っているか? ふたつめ、『ヨフカシはスイマの中にいる』と言ってたが、本当はプレゼントの壊れてしまったスイマがヨフカシと呼ばれているのではないか?」 オレはきぐるみに視線をむけて、尋ねる。「だってよ」 きぐるみは首をか...
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■久瀬太一/8月13日/24時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
八千代救出に関する連絡を終えてから、オレは久しぶりにソルのスマートフォンを覗き込む。 それは次々に震えていて、なんだか生きているようで、勇気づけられた。 ソルたちはやはり不思議だ。ただ暖かなメッセージ、冷静に次を見据えたメッセージ。様々なものが混じり合っていて、ばらばらなようで、でも奇妙な統一...
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■どこにだっていける男の視点
コメ1 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
15年前のオレは、どこにでもいるような中学生だった。そこそこ勉強ができて、愛想笑いが得意だった。 オレと同じ人間なんていない。そう叫びたくなる。でもきっとオレと同じような中学生はこの世界中にいて、オレと同じように苛立ちながら、オレと同じようにいろんなことを諦めている。きっと、そういうことなんだと...
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■愛媛ブログ主とのやりとり/8月9日
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
■メール新しい記事を読ませていただいたのですが(タイムカプセルの…)ちょっとプライベートな内容だったので、改めてメールさせていただきました。 まず、管理人さんの弟さんのお名前なのですが、幸弘くんじゃありませんでしょうか?当時私はショートカットで、バスケなんかをして遊んだりしていたのですが…。(あ、ち...
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■久瀬太一/8月8日/26時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
石版の汚れを落とすのには、そう時間はかからなかった。 そこにみえたのは、マス目に埋まったひらがなの羅列だった。 ――なんだ、これ。 とオレは思う。「なんだ、これ」 と窓の向こうのオレが呟く。 サクラは言った。「これは、王国の成り立ちの伝説に登場する、勇者様が残したといわれる石版ですね」 なにをし...
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■久瀬太一/8月8日/25時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
窓の向こうのオレは、きょろきょろと周囲を見渡す。「おい、オレがみてるのか?」 と奴は言った。 なぜ気づく? ……いや、考えればわかることかもしれないが、なんか気持ち悪い。「幸弘が越智幸弘なら、仲がよかったのは白石隆、山本美優のふたりだ!」 なぜいきなり、そんなことを叫び出す? たしかに越智幸弘と...
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■久瀬太一/8月8日/25時10分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
――ん? スマートフォンを覗き込んでいたオレが顔を上げる。「読めてるよ。みんなには助けられてばかりだ」 サクラも足を止めて、振り返った。「え? なにかいいましたか?」「いや」 オレはまたスマートフォンを確認しながら、先へと進んでいく。「それはなんですか?」 とサクラが尋ねる。 彼女はスマートフォ...
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■久瀬太一/8月8日/25時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
スマートフォンをみるオレの手つきをみて、思い当る。 オレが確認しているのは、メールではないようだ。 ――向こうのオレにも、電波は届いていない? なら、あの制作者から届いたアドレスか。 これでカンペキ、とアドレスに入っていたページ。 本当に時がくれば、あのページを読めるようになるみたいだ。 とりあ...
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■久瀬太一/8月8日/24時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
24時になるころ、オレは夢の中でバスに乗った。 今回は、バスの中にいるのは、あのきぐるみだけだった。リュミエールの姿も、グーテンベルクの姿もない。 オレは最後尾の座席に腰を下ろす。 ソルのスマートフォンが奪われた、と告げると、少年ロケットのきぐるみは言った。「なるほど。そりゃ大変だ」 ちっとも感...
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■久瀬太一/8月6日/21時15分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
さきほどからずっと、頭がずきずきと痛んでいた。 それに耐えながらオレは、必死にメールの返信を書いた。 でも意識の片隅には、ずっとあのころのことがこびりついていた。 ――越智。 あいつらと一緒にいたころ。 たしかオレが、小学3年生だったころだ。 小学3年生の2学期に、オレは愛媛に引っ越して。 それ...
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■久瀬太一/8月6日/20時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
スマートフォンにメールが届くのが、断続的になってきた。 だが、電波はまだある。 ――ソルの方でなにかあったのだろうか? いや、もう充分に、有益な情報を貰っている。 そう思いながら、次のメールをひらいた。 ※ そのメールは、みさきの髪形に関することだった。 ――思えばオレは、まだ直接、みさ...
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■久瀬太一/8月2日/18時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
考えろ。考えろ。そう胸の中で繰り返す。 ――オレが素直に行動するなら。 まっすぐに、正解のコインロッカーの前に移動する。 もし八千代がその場所を捜しあてられたとしても、多少は時間がかかるはずだ。先回りできることになる。 ――なら、八千代はどうする? オレの後をつける、というのが、正しいように思った...
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■久瀬太一/8月2日/17時20分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
八千代が待ち合わせに指定したのは、ちょうど駅と駅の中間ほどの落ち着いた一画にある、品の良いカフェだった。店の前にはオープンテラスもあったけれど、夏の陽射しが強く、そこに座ろうという気にはなれなかった。 店内にはレコードの、レトロな音が流れていた。曲名はわからなかったが、心地のよい音楽だ。 オレ...