THE STANDARD JOURNAL アメリカ通信
▼パンダハガーとドラゴンスレイヤー
和田です。
中国との外交において、
とにかく中国びいきで、
自国の国益を無視するがごとく
中国を擁護し続ける
親中派、媚中派の政治家、官僚、知識人たちを
パンダハガー(パンダに抱きつく人)といいます。
逆に、中国を疑い、中国からの侵略に
警鐘を鳴らす対中強硬派のことは
「ドラゴンスレイヤー」
(中国を龍として、龍と戦う人)といいます。
現在、世界各国にパンダハガーはいますが、
ポイントは、中国がどうやって
パンダハガーを増産し、
コントロールしているのかを知ることが重要です。
2013年の「全国宣伝思想工作会議」で
習近平が行った演説の内容が重要です。
その中で、中国のイデオロギー圏を
以下3つに分けています。
(1)「赤」(中国共産党の拠点)
(2)「灰色、グレー」(中間地)
(3)「黒」(否定的な世論の“敵対勢力”圏)
これは見事な分類であり、
敵と味方、そして、
まだ「工作」が完了していない中間があるという認識です。
こういう世界観で各国に対峙しているのです。
習近平は党に対して、
「赤」の領域を保持しつつ
「赤」に引きずり込むために「灰色」の領域に手を伸ばし、
「黒」の領域と戦うように指示しているようです。
同じく、中国共産党は
国際社会へのアプローチにおいて外国人を
(1)「すでに党に共感している人々」
(2)影響力工作の主なターゲットである「政治的中間者」
(3)そして説得不可能な「強硬派」
分類しています。
冒頭で紹介した「ドラゴンスレイヤー」は「黒」領域、
「パンダハガー」は「赤」領域です。
そして、「灰色」領域のニュートラルな人たちを
自由な開かれた社会の仕組みを悪用して、
ジワジワと「パンダハガー」にしていくわけです。
この辺はハミルトンとオールバーグの
『見えない手』にも書かれています。
日本の政治家や外務省は、
はじめはニュートラルであっても、
相手によく思われたいという心情もあり、
結局、どんどん「パンダハガー」として取り込まれて
飼い慣らされてしまいます。
外交において、中国サイドの人間が
このような認識をもって日本側に接して来ているのに、
それを警戒することもなく、無防備・無自覚に付き合い、
あたかも、
「世界・人類はわかりあえる、同じ人間、話せばわかる」
かの如く、極めておめでたい発想で、
対中国外交に当たっていることが大問題なのです。
※
今日は、20時半から奥山博士と生放送です。
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