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映画監督 菅原浩志のメルマガ №13
2013-03-31 11:00330pt「熱さに耐えられなくなったら、台所を出ろ?」
「心の奥に宿っていたもの」
「故郷を追われた人々の声に耳を澄ませて」
東京メトロでの出来事。土曜日の夜22時を過ぎた地下鉄の車内。平日のこの時間帯なら、帰宅途中の乗客で立っている人が多いが、土曜日のこの時間だと、皆座れるほどの乗客数。一列に7人の乗客が座っている。その乗客の一人40代の男が、居眠りを始めた。段々眠りが深くなり、隣の20代の女性に寄りかかり始める。女性は、身体を男と逆方向に傾けるが、男は寝たまま。男の傾きは、あるポイントを過ぎると、ハッと目を覚まし、元の姿勢に戻るが、また深い眠りに入り、女性に寄りかかる。女性は、身体を傾けたり、前方向に身体を倒したりして、居眠りしている男の体重を避け様としている。
女性が余りにも困っているように見えたので、斜め前に座っていた私は、女性に、「席を替わりましょうか?」と、声を掛ける積もりでいたら、地下鉄は駅に止まり、女性の目の前の席が空いた。これで、女性は向かいの席に移動すると確信したが、女性は席を移らなかったのである。終点に近づくにつれ、席は空き、目の前に空席が目立つようになっても、女性は席を替えようとはしなかった。
女性と居眠りの男が、カップルや夫婦ではないことは、女性の嫌がり方から、はっきりしている。
私には、この女性の行動が、非常に不思議な光景に映った。
英語の言い回しに、「If you can’t stand the heat, get out of the kitchen.」直訳すると、熱さに耐えられなくなったら、台所を出ろ!
このイディオムは、問題対処でプレッシャーが強くなり過ぎたら、その問題から離れろと言っている。
目の前の問題を対処するのが精一杯で、物事を客観的に見ることが出来なくなる。
問題から遠ざかる事は、必ずしも、問題逃避、諦めることではなく、視点を変えて、問題解決に繋がることになる。
地下鉄の女性は、居眠りする男の体重をどうかわすか悩むより、席を替われば簡単に解決したであろうと思われる。
しかし、女性は席を替わらず、その男の無意識な迷惑行為に、終点まで、耐え続けたのである。
If you can’t stand the heat, get out of the kitchen!
今回も私のメルマガを訪れて下さり、ありがとうございます。私の体験や経験から感じたことが、少しでも皆さんのお役に立てればと思い、このメルマガを綴っております。
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映画監督 菅原浩志のメルマガ №12
2013-03-04 17:00330pt・身体は楽器・山を侮る無かれ映画「早咲きの花」「RAILWAYS」の音楽監督吉村龍太さんから連絡あり、彼が作曲している及川光博さんの新作CDに参加してほしいとの依頼。参加パートはナレーション。後日、英文の詩が送られてきて、「声」を調整する生活が始まった。普段、何気なく話しているが、声がその人の体調や精神状態を表現している事に、気付かれたことはないだろうか?同じ声帯から発せられる声でも、緊張した精神状態のこわばった声帯からは、高い硬質な声になり、リラックスした精神状態だと、声まで落ち着き、耳障りいい声となるのである。声は精神状態を映す鏡。掌で自分の口を覆い、もう一方の掌で自分の耳を覆い、掌と掌を繋げて、声を発してみて下さい。それが自分の声です。時には、自分の声に耳を澄ませて、変わらないと思っている声の変化を感じ、自分の精神状態を考えてみては如何でしょうか?
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