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映画監督 菅原浩志のメルマガ №14 「桜の花が灰色に見えるのは…」/他
2013-04-30 17:00330pt「桜の花が灰色に見えるのは…」
「神様が吹かした風?」
「地球の大自然に勝るもの…」
桜の季節が訪れると、いつも思い出すことがある。映画やテレビで活躍している女優で、私の作品にも、多数出演している彼女が、桜の木を見上げて、言った。「生まれ変わったら、桜の木になりたい。」「何で?」「一年に一回、皆から『綺麗だ』と言ってもらえるから」「……」個性派女優として知られる彼女の、正直な内面の声を聞いた思いがした。
日本人ほど、桜が好きな国民を、私は知らない。桜が咲けば、木の下で、花見をし、桜の季節には、桜もちを食し、戦友を「同期の桜」と、唄った。
日本人が好きなのは、桜の他に、花火とほたるがある。全て儚いこと。桜とほたるには、儚いという他に、もうひとつ共通点がある。それは、桜の花びらがヒラヒラと舞う速さと、ほたるが飛ぶ速さが、同じ速度なのである。科学的な速度計が無くても、私達には、素晴らしい感覚が備わっていて、心に響くスピードが感知できるようだ。
五感を使って生きる。スマホに頼るのではなく、感覚を磨く。何故ならば、五感で感じなければ、その本当の良さは解らないのだから。
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