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「警鐘を鳴らせ」【梅津瑞樹】
2020-06-28 21:45110pt13休みの日の前夜、明日はこれをやろう、ここに行こうと決意して眠りにつくも、目が覚めれば全てがどうでもよくなって全然違うことを始めてしまうことが往々にしてある。生きていく上で計画的に行動することの重要性について、義務教育の過程においてあれほどまでに説かれてきたにも関わらず、今ではそうした些細な計画を実行にうつせない人間になってしまった。
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本日も生放送!【スタッフ】
2020-06-26 12:23110pt -
「食う寝るところに住むところ」【梅津瑞樹】
2020-06-21 22:46110pt21徒歩5分圏内にスーパーがあるとよい。
コンビニエンスストアさえあればよいと侮るなかれ。思いの外、早く網羅してしまって飽きがくるからだ。次第に選択する際に思考の介在する余地がなくなっていき、夕飯の献立にはじまり、終いには店内を歩く道順すらルーチンと化していく。
いくら好物とはいえど、毎回決まったものを口にしていると、味はおろか、生活そのものが色褪せていくように感ぜられるので、食というものが如何に人生における彩りの一助となっていたか、その身で味わうことになる。食だけに。
肉、パスタ、肉、パスタ、蕎麦(ないしうどん)ではいけないのだ。
最早選んでいるというより、ただただ受容しているに過ぎない。消費する奴隷だ。
昨今流行りの宅配サービスに頼る手もなくはない。しかし、何者の手も借りぬ精神的自立というものを何よりも尊ぶ僕としては、 -
「君」【梅津瑞樹】
2020-06-14 20:00110pt19何か事を為そうという時、いざ新しく始めようと発奮するのと同時に、時と共に瑞々しく見えていたはずのものが次第にその精彩さを欠いていき、いずれ枯れ落ちるであろうことを薄々予見してしまうもので、それは大抵その通りとなる。
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「閑話」 【梅津瑞樹】
2020-06-07 19:20110pt19
なんだかんだと6月である。
2020年も折り返し。
てんやわんやとしていてもゆく河の流れは絶えず、片や己の姿を見つめ直してみると淀みにぷかぷかと浮いているという体たらく。
遊惰の身となって揺蕩うこの四畳半は長らく放置された水槽のように感ぜられるが、存外それが心地良い。唯一、高窓から明かりが差し込む様などは、暗い水底から見上げる陽の光を彷彿とさせて乙である。
さて、見下ろすと見渡す限りに紙の類やら、衣服の詰まったコンテナ、挙句自分でもよく分からないものの成れの果てが転がっていて足の踏み場もない。東京に残された最後の秘境とは正しくこの部屋のことではないか。文化庁は今すぐ文化遺産保護制度を適用せよ。日本遺産に認定された暁には観光客に茶の一杯も出すのもやぶさかではない。
とはいえ、さしもの僕といえど、この有様では客人に遭難の危険性が伴うのではというほんの少しの懸念というか、有り体に言えば心苦しさ
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