全国でも稀有な「地方創生」の成功例として注目を集める石川県・奥能登の「春蘭の里」。その復活劇の裏には、NPO法人ZESDA(東京のプロボノ集団・パラレルキャリアで活動中)との連携がありました。
グローカリゼーションによる地方創生を掲げるNPO法人ZESDAが開催した石川県・奥能登の「春蘭の里」PRイベントに、宇野常寛が登壇しました。昨年PLANETS編集部も取材旅行でお邪魔した同地の「地方創生」について、美味しいお食事とともに改めて考えました。今回はこちらのイベントレポートをお届けします!
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今、本当に「地方」を「創生」する条件とは?(NPO法人ZESDA主催「山菜の、知られざる魅力」イベントレポート)
プロローグ
2019年4月某日、都内のとあるビルの3F。宇野常寛とPLANETS編集部一行が重い防音扉を開くと、こんがりとした良い香りと、揚げ物を調理する「ジュー」という音が飛び込んできました。広いカウンターキッチンの奥に目をやると、恰幅の良い紳士が忙しそうに立ち回る手を止めて、挨拶をしてくれました。
「おう!来たね!!」
▲調理中の多田さん
この方は、「春蘭の里」実行委員会事務局長の多田喜一郎さん。今回のイベントのために、前日の夜に車で奥能登を出発し、今朝東京に駆けつけてくださったそうです。昨年11月にPLANETS編集部が春蘭の里を訪問してからおよそ半年。NPO法人ZESDAさんとの業務提携、「春蘭の里」応援クラウドファンディングを経て、その後、春蘭の里がどう変わったかについて、お話を伺うことができました。
多田さんのお話
「春蘭の里」実行委員会事務局長、多田喜一郎さんは、石川県能登町のご出身。年を重ねるごとに、人口が減少し続け、山里が廃れていく風景を目の当たりにしてきた多田さんは、「ここを、もう一度赤ん坊の泣き声が聞こえる場所にしたい」と一念発起。1996年、能登町とその周辺に「春蘭の里」と名付けた農家民宿を開業しました。「スローツーリズム」を提唱し、従来の観光地とは異なり、農家体験をメインとした「体験型の農家民宿」は評判を呼び、「春蘭の里」は、今や年間1万6000人もの観光客が訪れる観光地となりました。
去る2018年10月には、PLANETS編集部も多田さんの「春蘭の宿」に宿泊し、きのこ狩りをしたり、囲炉裏を囲んで多田さんのお話を聞いたり、ごちそうを食べたり……と、1泊2日の充実した農家体験をさせていただきました。(詳しくはこちら)昨年10月から変わったこととして、まず、娘さんがご実家に帰ってくるとのこと。
「みなさんちょっとご覧ください。ここに黒いシャツを着ているのが、わたしの娘でございまして、あれが来年から戻ってきてわたしのあとを継ぐということです。人に言うよりも、まず自分の娘を戻すということがいかにたいへんだかなということもわからげんことやけども! でも、そういう可能性を追求してこそ、わたしは、よりプラス思考に考えることのできる田舎が完成すると思っとります」
紹介されて恥ずかしそうにはにかむ娘さん。多田さん、ご自身の抱負を語ります。
「戦後73年、日本は一生懸命に地方創生に関わってきましたけども、ようやく芽がいろんなところから出てきつつあるのかなと思います。それをやるためにはまず、自分がやっぱり「この地域をどうしよう」と夢を持って、実力を一生懸命に次につないでいけるように努力をする、プラス思考にものごとを考える、そして、都会の方々がつながりをうまく持てるようなシステムを、考えていきたいし、私たちも考えたいと思っとります」
「俺は100歳まで頑張るよ!」と意気込みながらも、「春蘭の里」の創生を次の世代へつなぐことをしっかりと語る多田さん。昨年10月にPLANETS編集部が「春蘭の里」を訪れた際にはNPO法人ZESDAとも業務提携式を行い、今後も持続的な「春蘭の里」の発展に力を入れていくとしています。
NPO法人ZESDAについて
今回こちらのイベントを主催しているNPO法人ZESDAは、民間のプロボノ団体、つまり、普段はさまざまな企業に務めている方が個人の専門性を生かして、社会的な価値を創造していくことを目指し、パラレルキャリアで活動する組織です。「春蘭の里」では主にPR全体のコンサルテーションから、公式HPの作成、PRイベントの開催、クラウドファンディングプロジェクトのお手伝いまで、幅広い分野でのサポートを担当しています。これらの取り組みについて、「春蘭の里」プロジェクト代表の瀬崎真広さんは、家庭でも、職場でもない「サードプレイス」としての地方のあり方として、このように述べます。
「従来は規律主義で大量生産が基本、夜中まで残業して価値を生み出すという働き方が推進されてきましたが、一方で現代は、「創造性を発揮して価値を生み出しなさい」という方向にシフトしてきました。そのため、地方の多様な文化に触れるなかで仕事につながるような着想を得たり、単純に休みの時間ではなく、平日の活力にするためにクリエイティブなアイディアを得るための場所として地方という場所が注目されてきていると思います」
3泊4日、ディズニーランドよりも広い大地で体験を提供したい!
今回のイベントでは、お仕事の関係で春蘭のサポートをされている瀬川徳子さんも石川県のPRで登壇されました。「スローツーリズム」を推進するため、さまざまな企画を運営されている瀬川さん。今のような活動に携わるきっかけは、「春蘭の里」の風景と、多田喜一郎さんとの出会いだったと語ります。
「私はもともと千葉県で土木の仕事を通じて、農村の風景を守るお仕事をしていました。そのなかでも、農村の風景を守るためには技術ではなく、地域の力がいかに必要かということを実感しておりました。そうして自分の仕事に悩んでいたときに、春蘭の里と多田さんに出会い、『これがわたしが描いていた第二のふるさとの風景だ!ここで多田さんと一緒にやりたい!』と思い、平成14年から春蘭の里でお手伝いさせていただいています」
▲瀬川さんが惚れ込んだ春蘭の里の風景。豊かな森を背景に、能登様式のお屋敷が立ち並びます。
石川県はいま、「春蘭の里」のような例を石川県全体に広めようとさまざまな「スローツーリズム」企画を打ち出しています。例えば、奥能登のワイン醸造所の見学や、奥能登の祭礼「あえのこと」体験ができる企画など、どれも能登の自然を生かしたイベントばかり。実はディズニーランドでキャストをしていた経験があると話す瀬川さん。ディズニーランドの広大さと、春蘭の里の広大さを比べて抱負を語ります。
「あの小さなエリアで3泊する人がいると思うと、能登のような広大なエリアで3泊4泊してもらうことは決して不可能じゃないはず、という発想でスローツーリズムに取り組んでいます。ぜひ皆さんにも遊びにきていただいて、いずれはサードプレイスとしての石川県として、お力添えいただければと思います」
宇野常寛が語るこれからの「地方創生」のあり方
第3部では宇野常寛が登壇し、ZESDAの瀬崎真広さんと対談しました。テーマは、春蘭の里の未来について。宇野がまず春蘭の里に実際に行ってみて感じたことは、奥能登の豊かさであったと語ります。
「春蘭の里は、色んな意味で豊かな土地ですよね。実際に行ってみて思ったのが、まず東京に近い。びっくりするくらい、羽田から飛んですぐ降りるんですよ。一瞬で着いちゃうという感じですね。
それと、これは半島の魅力なんですが、海と山、両方あるのがいいですよね。日本は島国なので半島がいっぱいあるわけですが、東京から気軽に1泊2日で出かけていって、すぐその場で体験ができるほどの豊かさが残っている地域はなかなかない。みなさんの努力といくつかの偶然が重なった結果、奥能登はそういうものが残っている。それを痛感しました」
春蘭の里は、近年、多くの外国人観光客が足を運ぶ観光地となりつつあります。会場では、カナダのYouTuberの方が春蘭の里に訪れた際の動画が流れました。
これに対して宇野は「春蘭の里」の海外需要と国内の需要の差に目を向けます。
「インバウンドの成功で「春蘭の里」はいま、海外から注目を浴びていると思うんです。でも、国内需要も、もっといけるんじゃないかな。飛行機を使ったときのアクセスの良さはもちろん、すぐそこに金沢がある。金沢は新幹線の開通でちょっとしたバブルだったと思うんです。でも金沢って……石川県庁の人がいるから怒られるかもしれないけど、僕は1泊するのに適した観光地だと思う。その時に奥能登まで行ってもう1泊するコースをつくることができたら、首都圏の観光客にとってもまた違った石川体験を得ることができる。
金沢というのは古い文化的な街で、小京都的な観光地のひとつですよね。それを味わったあとに、今度は日本のトラディショナルな農村の暮らしという、自然と調和したものを味わって帰ってくる。それが定番のルートになっていくといいんじゃないかと思うんです。ひとつの街に来て帰るのではなく、近くにあるほかの地域と有機的に連動することによって初めて東京と石川の関係が変わってくると思う」
瀬川さんによると、石川県に来る観光客はリピーターが多いのに対して、1泊目は金沢、そして2泊目は隣県の福井や富山に行ってしまうことが多いそう。「石川県としても、金沢に来た方に「その足で次は能登へ行こうよ」というルートをご提案できるようにスローツーリズムに取り組もうとしています」
これに頷きながら、宇野はロケーションを活かした「対東京」的なアプローチの必要性を説きます。
「外国の観光客と日本の観光客では、需要が微妙に違っていると思うんです。たとえば日本の同じような農村に住んでいる人にとって、トラディショナルな農家の暮らしというのは外国の観光客に比べたら珍しくないかもしれない。そういった人たちに対しては、もっと能登の土地の食を味わうとか、実際に農業を体験するとか、そういうことに重点を置いたプランで国内旅行をしていく必要がある。「対東京」には別のことを考える必要がある。しかしそこにも高いにポテンシャルがあると感じましたね。
日本のいわゆる「観光地」って、スタンプラリーみたいになっちゃってるわけです。史跡名勝をスタンプラリーのように集めて、絵はがきと同じ景色の前で自撮りしてインスタグラムに投稿して、歴史的な建造物の前でひたすらウィキペディアをひいて、既知のイメージを確認しながらコミュニケーションの具にするみたいなことに終始しているわけです。僕は、そうではない観光のかたちがあってもいいんじゃないかと思う。
実際にその土地の人々の暮らしを疑似体験して、暮らすように観光する。こういった「スローツーリズム」みたいなものは、グローバルにも存在感を増しているはずです。奥能登のような、手はついていないけどすごく高いポテンシャルを持っている土地が日本中にあるはずなんです。そういったところを発掘していくということが、日本列島というものを文化的に豊かにしていく道筋だと思います」
瀬崎さんも「春蘭の里」に出会ってから、従来の「観光」を改めて考えるようになったと語ります。
「多様性の尊重ということですよね。私もやはり日本人だからか、富士山に行ったら「ここから写真撮るといい」ってみんな列に並んでいたら撮っちゃう派だったんです。でも、なぜその列に並んでしまうかというと、職場に戻ったときに「あそこ行きましたよ」「あー知ってるよ、俺も行った」というような同質性の確認、安心感が目的であることが多い。だからこそ、実は自分自身はあまり望んでいない観光を実践しているんじゃないか、と思ったりします」
宇野は、このポイントは持続的な地方創生づくりのための「ファン作り」にも直結すると語ります。
「そういった人がリピーターになると思えないんですよね。まずリピーターになってもらう。で、2回3回と来てもらう。さらに地元の人との交流が生まれて、自分なりの土地の過ごし方が分かってくると、積極的なサポーターになってくれると思う。そうすると、たとえばクラウドファンディングをしたら参加してくれるようになるし、ふるさと納税も頼んでくれるようになる。もしかしたらZESDAみたいなNPOに入って実際にその土地を支援してくれる側にまわってくれるかもしれない。1回来たら満足の観光客を1万人呼ぶよりも、毎年必ず来てくれる人を200人、300人とる方が絶対にいいと思うんです」
春蘭の「地方創生」モデルを全国へ
全国の中でも稀有な「地方創生」の成功例としてその名を馳せる春蘭の里。このモデルを全国へ広げる課題について、宇野は次のように語ります。
「多田さんは『春蘭の里』の活動を100歳までやるつもりと言っていますが、逆に言うと100歳までなんだから30年後には引退してるわけです(笑)。だからこそ、このプロジェクトが半世紀後まで持続可能かどうかが重要ですよね。
現時点だと、「春蘭の里」の地方創生は、多田喜一郎という「地方創生のゴッド」と言われるカリスマによるプロジェクトなんです。まずこれで第1ステージはクリアしている。次は、第2ステージ、多田さんが30年後に引退されたとしても、この「春蘭の里」が持続的に、今の土地と文化を守りながら今の豊かさを維持できているかどうか、ということにかかっていると思います」
「この成功例はどんどん全国に移植されていくことが理想だと思う。でも、移植されていくためのエコシステムを作るためにはもう1ステージ先にいかないといけない。そのときに、ZESDAのような東京のプレイヤー達がいかにポジティブに絡むことができるか、ということですね。そこで、これくらいの距離感と塩梅でやっていくといいよ、という一つのモデルケースが作れて、そのノウハウが定式化されていくと、日本の地方ってどんどん変わっていくと思うんです」
「地方=魂がきらめく場所」の一歩先へ
ZESDAのような東京のNPO法人がこういった地方創生に関わるメリットとして、瀬崎さんは東京で活躍できない人にとって「サードプレイス」としての地方があると語ります。 「たとえば、東京でポテンシャルがあっても発揮できない人が、地方に行くと活躍の場があったりする。特に東京は色んな問題を抱えてると思うんです。なかなか自分の力を発揮できなくて、ちょっと精神的に病んでしまっている人とか、ニートの人とか引きこもってしまったりとか。そういった人の活躍の場としての地方の可能性については、宇野さんはどう考えますか?」
この質問に、宇野は少し考えながら応えます。
「これはけっこう難しい問題だと思います。『アラビアのロレンス』という、第一次世界大戦中のアラブ反乱を描いた有名な歴史映画がありますよね。主人公のロレンスは、イギリス人の超インテリの情報将校、つまりスパイなんですが、ロンドンの都市生活に自分の人生をキラキラさせるものを見つけることができなくて、中東の砂漠にハマっちゃって、結果的には挫折して失敗する話です。ある場面で主人公のもとに従軍記者がやってきて「あなたにとって砂漠とは何か?」と聞く。主人公は「It's clean」、つまり「清潔だから」と答える。ところが一緒にトルコに対して反乱しているアラブの人たちは砂漠だってなにもクリーンじゃないと考えている。それはロレンスが一方的に思い描いていた幻想なんですね。
だから、僕は自分の魂が本当にきらめく場所を求めて地方にコミットするということの、一歩先に進むべきだと思うんだよね。東京できらめく場所を見つけられないのなら、最初はまず場所を変えることによって魂のきらめきを感じられるようになるのでも良いと思う。ただ、行った先でちゃんとその土地にしっかり向き合って、その土地の魅力に惚れることが大事。「東京ではない場所」としてそこが好きなんじゃなくて、「この場所じゃなきゃいけないんだ」という次元にいくと、持続的にコミットしていくようになるんだと思う」
また、宇野はこのような持続的なコミットには都市の人間が「生まれ育った土地以外に愛着を持てる場所を持つ豊かさ」を知ることが大事であると指摘した上で、「そのためにはまず、ZESDAのような人たちが楽しそうにしていることが大事だと思います!」と述べ、対談を締めくくりました。
地方の「文化」は作るもの
宇野と瀬崎さんの対談後、会場の参加者から「春蘭の里」の事例を他の地域に応用するにあたって、「豊かな資源がない田舎はどうすればよいのか?」という質問があがりました。質問した方は、北海道のご出身。春蘭の里のような伝統的な農村は存在せず、自分も含め、若者たちは仕事を求めて都会に出ていってしまい、寒くて厳しい土地だけが残っていると言います。こういった「どうしようもない地方の田舎」は、果たしてどうすれば良いのか。
これに対して、宇野は「文化はつくり出すもの」と語ります。
「僕は、文化はつくるものだと思う。奥能登だって、昔から塩を作ってるのかといえば、そんなことはない。何百年か前に始まってるわけだよね。山も海も、人が手を入れないと文化にはならないわけだし、実際に何百年かけてそれをやってきたから今の土地がある。
北海道というのは、実は歴史がそこまでない。もちろんネイティブの人たちはいるわけだけど、人の手が入っていないような原野もたくさんある。日本の本州は国土面積がそこまで狭くない割に居住可能地域が少ないから、街に行くと良くも悪くも歴史がこびりついている。それに対して北海道の近代に入ってから開発された街には、それが少ない。このスカスカさをどう使うかだと思うんだよね。
おいしい海山の幸、いただきます!
さて、会場では真面目なトークとは裏腹に、お料理をする音、さらに香ばしい香りがあたりに立ち込めていました。トークが終わり、参加者のお腹がなる音が聞こえそうになってきたころ、お待ちかねのお食事タイムとなりました。「並んでどんどん取っていって〜」という多田さんのお言葉を合図に、色とりどりのお惣菜が置かれたテーブルに並びます。
▲山の幸から海の幸まで。さまざまな種類のお惣菜がずらっと並んでいます!
多田さんにお料理をひとつひとつ紹介していただきます。
「今日は、特に私のところから持ってきた、このぶりの漬け丼と、さっきからたらを焼いたのが良い匂いしとったでしょ。これを食べていただきたい」
「あとはいかのきちっとした茹で刺し身」
「これは、行者にんにく。生で持ってきてるから、味噌をつけて食べてね」
そして揚げたてサクサクの山菜の天ぷらや……
おいしい日本酒もいただけました!
今年も出会えました、かなりの分厚さのあるのり、1枚500円相当!
……を、コシヒカリのおにぎりと一緒に、おにぎりにしてしまう多田さん!
デザートには、春蘭の里で干した干し柿や、奥能登地域を中心とした食材を使用した、ケーキやラスクを作っている小森さんご夫妻のシフォンケーキをいただきました。
お料理のほとんどは、すぐ隣のキッチンスペースで作られたばかりのできたてほやほや。参加者一同、おいしいお料理を肴に、話が弾みます。まだ「春蘭の里」を訪れたことのない人からは、「実際に行ってみたい!」という声も聞こえます。
会場では、参加者の一人高田欣幸さんが今日の対談を黒いスケッチブックの1ページにギュッと凝縮したグラフィックレコードを作成されていました。これを見れば、会の全貌がひと目でわかります!
サードプレイスの秘密性が、情熱を担保する
おいしいご飯のあとには、会の締めくくりにNPO法人ZESDAの桜庭大輔代表からこんなお言葉がありました。
「いま、ZESDAの活動自体が、スタッフそれぞれのサードプレイスとしても機能しているという実感があります。実はZESDAのスタッフたちに「このイベントやるからタイムラインでシェアして広めてね」っていうことを言っても、意外とちゃんと広めてくれないんです(笑)。なぜかというと、自分のサードプレイスだから、あんまり自分の同僚とか友達にそこまで見せたくない気持ちがちょっとあるんです。こういう、サードプレイスの持つ秘密性ってあると思うんです。でも秘密だからこそ、それが大切だから、そこに自分を投影して、すべての専門性を注ぐことができる。これは、ご自身の人生の豊かさをより100倍にしていくために大事なことではないでしょうか」
パワフルなお人柄で「地方創生」を実現させてきた多田さんと、その熱に動かされ、個々人の「サードプレイス」として「春蘭の里」にコミットするZESDA。「春蘭の里」の事例は、東京と地方にはどのような持続的な関わり方があるのかをわたしたちに教えてくれます。
最後はみんなで記念撮影!
多田さん、ZESDAの皆さん、ありがとうございました!
おまけ
おいしい山菜を口に運びながら、すかさずカメラ目線をキメる宇野常寛
(了)