第186号 2016.7.26発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…博報堂生活総合研究所が60~74歳を対象にした「シルバー意識調査」の結果を発表した。その中に「欲しいもの」を「若さ」や「名誉」など20項目から3つ選ぶという質問項目があり、1位は「健康」、2位が「安定した暮らし」、3位が「お金」となった。この結果で注目を浴びたのは、欲しいものは「お金」と答えた人が40.6%に上り、「幸せ」の15.7%を大きく上回ったことだった。年配者が身も蓋もなく「幸せよりカネ!」と言うようになってしまったのだ。この結果は、ものの見事に今の時代を反映している!一体何がそうさせたのか??
※小説「わたくしの人たち」…「業界で名を轟かせ、若いころはパリ暮らし、世界中に住んだ」と豪語する“グローバル肥大化おじさん”黒鶏春夫。ウザイ老社長に心底ゲンナリする一同の前に、さらに強力な自我肥大化女“肉食獣シャンパン女”が登場!!強烈な戦いの火蓋が切られた!!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!先生が好きな女優・黒木華はあの方に似ているのでは?今夏のドラマで面白いと思う作品は?生み出したキャラから先生自身が影響を受けるということはあるの?それとも、キャラはあくまで先生の分身?先生は子供の頃から漫画家を目指していたそうですが、なぜ中学では漫画部や美術部などではなく卓球部に入ったの?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第181回「幸せよりもカネが欲しい高齢者」
2. しゃべらせてクリ!・第146回「お助け軍団猛追跡!ぽっくん逃げろや逃げろ!の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭の小説「わたくしの人たち」・第2話「自我肥大化おじさん vs 肉食獣シャンパン女」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第181回「幸せよりもカネが欲しい高齢者」 今の高齢者は、圧倒的に「幸せよりもカネが欲しい」と思っている!
博報堂生活総合研究所が60~74歳を対象にした「シルバー意識調査」の結果を発表した。
その中に「欲しいもの」を「若さ」や「名誉」など20項目から3つ選ぶという質問項目があり、1位は「健康」、2位が「安定した暮らし」、3位が「お金」となった。
この結果で注目を浴びたのは、欲しいものは「お金」と答えた人が40.6%に上り、「幸せ」の15.7%を大きく上回ったことだった。
「お金で買えない幸せがある」「お金よりも幸せが大事」といったことは常識のように言われてきたし、年配者こそそういう台詞を言うものだと思っていたが、今や年配者が身も蓋もなく「幸せよりカネ!」と言うようになってしまったのだ。
同調査は1986年から10年ごとに同じ方式で実施され、今回が4回目になる。
初回の86年調査では「欲しいもの」は「幸せ」(31.1%)が「お金」(28.1%)を上回っていたが、2回目の96年に逆転。その後は差が広がり、ついにはお金が欲しい人が、幸せが欲しい人の2.5倍以上にまでなってしまったのだ。
年々幸せを求める人がどんどん減り、お金を求める人がどんどん増えているわけである。
しかも「何歳まで生きたいか」という質問に対する回答の平均は「84歳」で、86年の「80歳」から4年も延びている。
長生き願望は肥大させながら、長く続くであろう老後に対する不安を抱え込んでいるのだから、「お金が欲しい」というのは切実だ。欲しいもの1位の「健康」や2位の「安定した暮らし」も、その不安感の反映だと言える。
幸せよりもお金が欲しいという理由をよく見ると、子供などに迷惑をかけたくないということがあるようだ。
この場合の「幸せ」とは、具体的には子や孫に囲まれて暮らし、面倒を見てもらいながら安らかに老いていくことだろう。
しかし、子供に迷惑をかけたくないからそういう「幸せ」は諦めたとなれば、いずれは自分一人で自分の始末をつけなければならなくなる。
子供と別居して夫婦二人で暮らしても、どっちかが先に死んで必ずどちらかは一人の老後を迎える。そうなれば、まず必要なのはお金だということになる。
だから幸せよりもお金が欲しいということになるのだ。
この結果は、ものの見事に今の時代を反映している。
かつては、子供を産んで育てたのなら、老後は子供に面倒を見てもらうという期待が常識としてあったものだ。
ただし、それは祖父母から孫までの三世帯同居の大家族だったから成立していた常識だったのである。
大家族であれば、分担して誰かが老人の面倒を見るから、家族のうちのたったひとりに負担が集中するということはなかった。だから親は家で死ぬのが当たり前だったのである。
だがこれは、核家族になった途端に崩壊する。
コメント
コメントを書く配信ありがとうございます。
団塊の世代、戦後民主主義を受けて生きてきた世代が大多数の時代、もくれんさんの記事にあるみたいに、なんだか下品な人間が増えたような気がするなぁ・・金持ちなら金持ちらしく、もっとそれらしいふるまいというものがあるでしょうに
嗜みというものをまったく知らず、金儲けしか知らないような下品な人間がトップに来るようになってしまった、同じ金持ちなら、よしりん先生のようにフランス料理を堪能する事を覚えてほしいですね、江戸時代のお大尽も遊びはすれども『通』だったんだし、
『シン・ゴジラ』は全く見てないですけど、自分ネタバレとかも気にしないです。だって興味ないと見ませんし、それで差別されるなんて、せちがらい世の中だなぁ・・
まさか「シン・ゴジラ」が原因で、ゴー宣道場のブログにアクセスできなかったとは思いもよらなかったです。
メッチャ迷惑です。
小林先生は実に気を使われたタイトルにされていたのに、それでも攻撃的になる人がいたことに脱力しました。
「ポケモンGO」や「シン・ゴジラ」は、熱狂があるうちは、迂闊には触れられないですね。
この「迂闊には触れられない」と思われたらすごく「損」で、話題にできなくなるわけだから。
ホンモノのファンならば、面白い議論を提供してみるとか、みんなが「得」になるアイデアを考えて欲しいです。
遅ればせながら配信ありがとうございます。今日の187の巻も楽しみにしてますよ(^^♪
この1週間で日本では本当に色々ありましたね。何から取り上げていいかわからないくらい…。
私は「シン・ゴジラ」は、トッキーさんとよしりん先生それぞれの感想を読んで、
それまであまり興味なかったのに、却って観たくなってしまいました(^▽^;)
関西ゴー宣道場、当選しました! 初参加なので、とてもうれしいです。
この幸運をかみしめつつ、日曜を楽しみに、激務を乗り切りたいと思います!
それではこれから出勤します!
>>103
だふねさん、当選、おめでとうございます!
\(^o^)/
初参加、ワクワクドキドキして堪らないですよね♪☆
私も当選致しました♪
(^∀^)
一週間、頑張って仕事するぞー!
>>101
繋がらなくなった原因を知って驚きました。何と言う狭量。
>この「迂闊には触れられない」と思われたらすごく「損」で、話題にできなくなるわけだから。
ホンモノのファンならば、面白い議論を提供してみるとか、みんなが「得」になるアイデアを考えて欲しいです。
「議論」が生まれるチャンスを潰す、感じ考えることの拒否、そこからは何も生まれず楽しさもありません。ゴー宣道場の姿勢と正反対がこういう狭量さですね。
シン・ゴジラの動きを演じた役者が、狂言師の野村萬斉だったことが発表され、驚きました。まだ予告編しか見ていませんが、その手足の運び、首の傾け方、捻り、---今回のゴジラの動きは日本の伝統芸能「狂言」の動きだった・・・モーションキャプチャー(「アバター」で知りました)という仕掛けであの姿・動きを出したとのこと。
元祖ゴジラへの限りない愛、それへのオマージュ。赤く熾きた炭の熱を思わせるその色と独特のゴツゴツ感。ますます観たくなっております!。自分はどう感じ取るのでしょう。
monmonさん、AKB風の激励、ありがとうございます(T_T)
今は、関西設営隊の皆様と共に、設営計画の大詰めを迎えております。
その土台となるのは、50回を越えるゴー宣道場の歴史です。
設営を計画すればするほど、東京門弟の方々が積み上げてきた工夫と苦労と努力が伝わります。
それを継承し、そこから、さらに、どれだけの「積み上げ」ができるのかが勝負です。
8月7日だから来れない人。
大阪や東京だから来れない人。
その人たちにもゴー宣道場に参加するチャンスの順番がまわって来ることを信じて、色んなことを試しておきたいです。
もちろん、マジとガチの中に「遊び」をまぜながらo(^o^)o
滑り込んだ
200番台
楽しむ!!
よしりん先生の酷評やトッキーさんの絶賛や木蘭さんの石原さとみ評に好奇心をそそられ、観る予定になかった「シン・ゴジラ」観てきました。
本作の総監督は「エヴァンゲリオン」の監督庵野秀明ということもあり、十代の頃、当該作品に衝撃を受けた身としては、エヴァテイストというか庵野テイストを感じながら楽しませていただきました。
初回盤ゴジラは核兵器についての日本人の感情を下敷きにしていると感じていたので、本作のゴジラは東日本大震災のそれを下敷きにしているように感じました。
主人公もゴジラよりそれに対処する官僚であり、戦闘シーンよりも会議シーンのほうが長かったのもそのせいだろうと感じました。
本作で一番言いたかったのは、今の日本についてだろうと思いました。
法律の問題や、米国との関係が随所に現れるのはそのせいかなと。
そんなセリフも結構多かった気がしますし、ある意味、そういうセリフや描写を入れたほうが今の日本社会に生きる人々にはリアルに伝わるのではないかと云う意図もあったのではないかと思ったりしてます。
職業柄、実際こんな事案が発生したら中央省庁や官邸の動きはこんな感じなのかもな〜と思いながら観てました。
自衛隊頑張れ〜とか、ピエール瀧の制服姿は鉄板やな〜とか嶋田久作には陸自役で出て欲しかったとか個人的な趣味含めて楽しませていただきました。
ちょうど、お昼休憩だったのでカフェで天皇陛下の「お言葉」を拝聴した。
8/7のゴー宣道場での予想と同じだと思った。
陛下は生前退位(譲位)と女性宮家創設、そのための皇室典範改定を強く希望されているのが読み取れた。
高森先生が既に触れておられるが、皇室典範改正に対して特別法で対処とか昨日の読売新聞に載っていた。勇気がなくて道場では手をあげてそのことを報告できなかったのが悔やまれる。
しかし、カフェにいるやつら、陛下のお言葉に耳を傾けているやつらが独りもいないのが悲しくなった。
ようやく、ゴー宣道場のサイトが繋がってホッとしました(まだ不安定な状況のようですが)
私は、サイバー攻撃があったと道場のブログで報告のあった、サイバー攻撃の犯人がいるらしい長崎在住の者ですが
ずっと小林先生を応援し続けております。
今上陛下の譲位に関して、他のどの知識人・著名人、メディアよりも、遥かに先を踏み込んでいらしたのが、
小林先生や高森先生でした
勿論、笹さんや泉美さんの御発言も、そうでした
中学校~高校時代は、今振り返ると自虐史観に色濃く影響された教科書で学んできたこともあり、
他界した祖父母には今、改めて申し訳なく思う思いが一杯です。
祖父の他界後、祖母の晩年にようやく祖母の思いを少しだけ聞くことが出来ました
それから幾年もの年月が流れ、現在は焼け跡世代・団塊の世代の両親の介護をやっている身です。
改めて、歴史の横軸・縦軸の繋がりに関して考えるようになりました
今後とも小林先生、そしてゴー宣道場の師範の皆様方の発言に耳を傾けていきたいと改めて思っております