第188号 2016.8.16発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…8月8日に発表された天皇陛下のビデオメッセージは、昭和20年の敗戦時に続く2度目の「玉音放送」というべきものだった。ところが今回2度目の「玉音放送」では、徹底して陛下のご意思を無視しようとする者が続出している。しかもその多くが「保守」を自称し、自分には「尊皇心」があるという風を装っているのだから、71年間の日本人の堕落もここに極まれりである。天皇陛下の「切なる願い」に逆らおうというのだから、これは「国賊」以外の何物でもない。そこで今回は、平成28年8月8日の玉音を拝してもなお反逆を続けた「国賊」を列挙し、歴史の記録としたい。
※特別寄稿「天皇陛下を想う、市井の民より」…8月8日のお気持ち表明以来、天皇陛下への敬愛を自然に語る人たちが大勢いる。天皇陛下は、つねにご自分のためではなく、国民のため。私のためではなく、あくまでも公のため――しかし国民は、そんな陛下のお気持ちを、折にふれてたまに顧みては、また忘れてしまう。大御心の深さのあまり、そう甘えつづけてきた自分自身を反省しながら、今回は、天皇皇后両陛下の過去のお言葉を読み返していきたい。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!昭和天皇を演じた俳優たちの中で特に素晴らしかったのは誰?「ほぼ全部見えてます!」というグラビア、乳首や穴を隠す意味はあるのか?全然好みじゃない女性に口説かれた場合、どう接するべき?生前退位できるよう典範改正したら、恣意的退位の危険性が高まる?五輪だらけかと思ったら、今度はSMAP解散に大騒ぎ…日本のメディアはどうなってるの?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第183回「天皇陛下に公然と叛逆する国賊たち」
2. しゃべらせてクリ!・第148回「茶魔vs影茶魔の対決ぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. 特別寄稿・泉美木蘭「天皇陛下を想う、市井の民より」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第183回「天皇陛下に公然と叛逆する国賊たち」 多くの人が感じたとおり、8月8日に発表された天皇陛下のビデオメッセージは、昭和20年の敗戦時に続く2度目の「玉音放送」というべきものだった。
天皇陛下が生前退位=譲位を望んでおられることは、もう疑いの余地がない。
何よりも驚いたのは、陛下が「摂政」の設置に否定的であるというところにまで踏み込まれたことだった。
先月「生前退位」に関する第一報が流れた後、皇室典範改正に反対する「Y染色体保守派」から「退位はさせず、摂政を置くべき」という意見が続出したことを陛下は明らかに知っておられ、それを自らのお言葉で否定されたのである。
現在、政府は「一代限りの特別立法」で対処しようとしているが、それも陛下のご意思に反していることは、このお言葉で明らかである。
これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。
「一代限りの特別立法」では、「皇室がどのような時にも国民と共にあり」「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていく」ことにはならない。陛下は間違いなく恒久法である皇室典範の改正を望んでおられるのだ。
その上で陛下は締めくくりに、「国民の理解を得られることを、切に願っています」とおっしゃっている。畏れ多いことに、天皇陛下が国民にお願いされているのである!
ここまで言われれば、国民は「承詔必謹」で陛下のご意向に従うのみであろう。
71年前の玉音放送ではほとんどの国民が粛然として敗戦を受け入れ、陛下のご意思に反しても抗戦を続けようとした者はごくわずかだった。
ところが今回2度目の「玉音放送」では、徹底して陛下のご意思を無視しようとする者が続出している。
しかもその多くが「保守」を自称し、自分には「尊皇心」があるという風を装っているのだから、71年間の日本人の堕落もここに極まれりである。
天皇陛下の「切なる願い」に逆らおうというのだから、これは「国賊」以外の何物でもない。
そこで今回は、平成28年8月8日の玉音を拝してもなお反逆を続けた「国賊」を列挙し、歴史の記録としたい。
自称保守・似非尊皇派の牙城、産経新聞の1面コラム「産経抄」は、先月第一報が駆け巡った際には「たとえ公務がかなわなくなっても、天皇陛下のままでいていただきたい」と、譲位に反対していた。
だが陛下のビデオメッセージの翌日、8月9日の紙面では「大いに反省した。なんとも、甘ったるいことを書いたものだ」と書き、結論でもこう述べている。
皇室典範に規定がない「生前退位」の実現までには、課題が山積している。陛下はそれを十分承知の上で、心情を打ち明けられた。日本と皇室の未来のために知恵を絞ろう。国民はこれまで両陛下に甘えすぎていた。
珍しいこともあるものだ、産経もついに改心したか? なんて思ったら甘い。
ページをめくり、2面に載っている社説を見ると、最初こそ天皇陛下を賛美して「国民は感謝と敬意を新たにしたい」などと言っているが、後半に入ると「皇位継承の根幹に関わるだけに、退位を認める皇室典範改正には慎重な意見がある」と言い出し、結局は「恒久法の改正ではなく、今上陛下の一代に限り、可能にする考え方もある」と主張するのだ!
そればかりか「摂政」についても、「重病など極めて限られたときに置かれる摂政の運用を緩和することなども考えられる」として、なおも摂政を選択肢に入れるのだ!!
いくら慇懃に天皇を敬愛しているふりをしても、産経新聞は陛下のご意思を尊重するつもりなど一切ないのである。
そして産経社説は、こう主張して締めくくっている。
旧宮家の復帰など、皇統を厚くする方策についても考えなくてはならない。
…もう、脱力する以外にない。
何万回指摘しても、産経は「旧宮家の復帰」という間違った言葉を使い続けている。
旧宮家の男性は生きていれば年齢的には90歳にもなる。「旧宮家系で一般国民になった男性」という場合は、「旧宮家系国民男子」と表記するしかないではないか。
しかも、百万歩譲って用語の問題は措いたとしても、現実問題として「復帰」する「旧宮家」の人間など、この世に1人もいないのだ!
このことだって、何万回指摘したかわからないのに、産経は今なおこの世に存在しない人物を皇統存続の切り札と固く信じて、一切疑わない。宇宙人は地球に来ていると言い張るアホとまったく一緒である。
同紙の3面には櫻井よしこが見解を述べているが、これも社説と全く同じ構造になっている。
コメント
コメントを書く「男系カルトの歌」自称保守村で大ヒットの予感♪
木蘭先生のブログを読みました。自分自身も、貧困女子高生を偏見の目で見ていたことに気付かされ、愕然としました。片山さつきやネット民と同じ目で見ていた…。自分の本性に気付かされました。物凄く恥ずかしいです。
本当ですか。
片山さつき最低ですね。
しかし、>>63 で提起したことが、
よしりん先生やもくれん先生に届いた(もちろんこのコメントからでなくて他からの媒体からだと思いますが)ことが嬉しいです。
ネット民はワンピース5回見に行ったこと、1000円するランチを食べに行ったこと、それらをさして「貧困じゃねーだろ!」と叩くんですよ。
でも一番腹が立ったのは、
「(その女子高生の)顔がブスだから擁護できない」とほざく輩がいることでした。
何だか悲しい気分になりました。
ネットってそういうことを平気で書いてしまう場だってことに、ネットの怖さを感じるのですが、貧困を訴えているのに全く関係ない顔の美醜で物事の価値基準を決めようとする劣化人間の声が堂々とまかり通る現実にも恐ろしさを感じます。
>>100
こけっこーさま、
雑談ともつかないわたしの駄文につきあっていただきまして
ありがとうございました。
公務員の世界では、政治的な発言はタブーですし
宗教的にもタブー、皇室についての発言などもってのほかです。
時の国会が決めた法律と、行政の長内閣のもと
ロボットのように自分の意見をもたずに働くことが
私たちの「公」です。私たちの個人的な自由は
唯一選挙権があり、国政に参画できることくらいです。
どんなあほな立法府ができたとしても
決まった法律には順守して仕事をします。
もし国法が陛下に失礼なものになったら、
それでも私は公のために逆賊にならざる得ないリスクを背負います。
公の現場にいて、どう天皇陛下への公をたてられるか
せめぎあうと思います。
まさに民主主義の病いだといもいます。
>>145
ニセただしさん、ごめんね。
>>70 のコメントを見たとき、
すぐさま意見しようと思ったのです。
女子高生は生意気でもないし、
NHKに何らかの悪意があるわけでもないし、
すぐさま反論しとけば良かった。
後悔した。
というわけで、改めて言うと、8月18日の夜7時のニュース7で、「子供の6人に1人が貧困」の実態を報道していたので、リアルで見ていたわたしは「NHKは本気出した」と思ったんです。同時に思ったことは、政府は国内の貧困に今度こそ本腰を入れてほしいと、淡い期待を安倍にかけていたことでした。
案の定先に挙げたネット記事が出てきたので、「やりやがったな。」とので、晒してやろうとコメントに書きました。
反応はあれでしたが、そうこうしているうちに、ニコ動で貧困女子高生を揶揄する動画が総合ランキング100位以内に2本も浮上したので、わたしとしては、忸怩たる思いでした。
天は見捨てていませんね。ちゃんとよしりん先生ともくれん先生が取り上げて下さるなんて。
ちなみにこの最低最悪のネット記事は「ゴゴ通信」というネットメディアが配信しています。
ネット民も片山さつきもゴゴ通信の記事を鵜呑みにして女子高生を叩いています。
さらに、後でわかったのですが、このゴゴ通信、関係ない女子高生の姉まで叩こうとしているゴミクズメディアでした。
ゴミクズなメディアに権力者が飛びつく恐ろしさを片山さつきの件で更に感じ取りました。
このコメント欄で、その女子高生を叩いている現象は知っていましたが、
番組も見てなくて、真偽も分からなかったので、何の反応もしませんでし
たが、木蘭さんのブログを読んで、ようやく理解するとともに、片山さつ
きのネトウヨさ加減にヘドが出そう。次の選挙では絶対に落としてくださ
い、有権者の皆さま!!忘れることなく!!自分は忘れません!!
あと、女子高生を叩いてるネトウヨたち。いいかげん、目をそらさず、気
付けよ。全員、貧乏になってきているでしょうが。君も、あんたも、お前
も。自分も含めて。日本は負のスパイラルにハマっている。人口が減って
いる。子供が産めず、年寄りが増え続ける。生活保護を申請しても、税金
が足りずもらえない時代が来たらどうするんだ?ふざけて楽しんでる余裕
なんて、誰にもないぞ?
>>148に補足です。(多数投稿になることご容赦ください。)
晒してやろう、というのは、こんなふざけたゴミクズ記事を書くメディアの名前と記事をライジング読者に知らせておこう、という意味です。
また、反応はあれでしたが、というのは、ライジング読者の反応は今一つでしたが、という意味です。
言葉足らずになってしまい、申し訳ありません。
ここに書いていいものかどうかわかりませんが・・・
録画していた朝生見ました。
竹田をはじめ男系固執派の異常っぷりが凄まじかったです。
三浦瑠麗さんが終始竹田のことをバカにしてたというか軽蔑してたような表情だったのが印象的でした。
田原総一朗さんはあの御年ながら平然と「女系の何が駄目なの?」「愛子さまでいいじゃないか」と言える所はさすがで、言えるからこそあのエネルギーが生まれるんだと思いました。
とにかく男系固執派がいかに異常者かわかりましたし、視聴者にも伝わったと思います。
先月9月のゴー宣道場の緊急開催の件が小林先生のブログに書かれた時、すぐに応募したものの、内心「一か月も立ったら状況は好転しているのではないか…」と淡い期待を持っていましたが、現状は全く逆、アベや男系信者たちは逆臣の道まっしぐらですね。今の陛下の気持ちを考えると、ひたすら気が重いです…。
竹田氏などは「陛下が直接言われた訳ではない!」などと喚きたてていますが、じゃあ陛下が「察してもらえないならもう直接言うしかないな」と思われたら、どうするのでしょうか?察することができない(察したくない)が故に、陛下の経歴に憲法違反の汚点を付けさせる、日本人としてこれ以上ない不届き者ですね。
小林先生の言う通り、陛下は次の手を考えておられるでしょうが、これ以上陛下に危うい道を渡らせてはいけないと思います。僕は最後は陛下のご希望通りになると思っています。だって天皇陛下だから。日本に本当の意味でそのご威光に逆らえるものなど誰もいません。
だから、逆臣どもには早く「察して」ほしい。これ以上陛下を苦しめないで。陛下にこれ以上のリスクを負わせるようなことは、絶対に許されません。