第238号 2017.9.5発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが見舞われたヘンテコな経験を疑似体験!?小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…今回は、前回の牛乳石鹸CM炎上事件の考察から「男尊女卑とはなにか?」を思い巡らせたとき、頭の中に浮かんだ光景を素直に綴った“体験エッセイ”。薄っぺらな男女平等イデオロギーなど太刀打ちできない、男女の決定的な差とは?そして、「男の人ってやっぱり恐い…」と思った出来事とは?
※「ゴーマニズム宣言」…8月22日の産経新聞・読売新聞に、「放送法遵守を求める視聴者の会」なる団体の、異様なカラー全面の意見広告が掲載されていた。この広告が主張しているのは、加計学園問題の閉会中審査についてテレビ各局が報道した時間を調べたところ、「驚くべき放送時間の格差」があり「放送法第4条」を守っていない!…ということだ。対立意見があれば、どんな意見だろうと平等に、両論併記的に扱わなければならないなどと言う連中を見ると、わしは即座に思い出す団体がある。オウム真理教だ。安倍信者とオウム信者の共通点とは?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!なぜ少年ジャンプでデビューしたの?女性が握る寿司は今はアリ?「喘息は依頼心が強いせい」と本当に言われてたの?国防という崇高な義務を男性が独占することは、女性差別では?NGTの荻野由佳ちゃんが売れた理由は何?実際の年齢よりも若く見られることについて、どのように考えてる?眞子さまが正式にご婚約、女性宮家創設を実現させるために一個人としてできることは?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第47回「男の人ってやっぱり恐い…と思った日のこと」
2. ゴーマニズム宣言・第243回「『公正な報道』を求めたオウム信者と安倍信者」
3. しゃべらせてクリ!・第196回「みんな揃って楽しく元気にラジオ体操ぶぁ~い!の巻〈後編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第47回「男の人ってやっぱり恐い…と思った日のこと」 今回は、
前回の牛乳石鹸CM炎上事件の考察から、「男尊女卑とはなにか?」を思い巡らせたとき、頭の中に浮かんだ光景を、ちょっと素直に自分の目線から綴ってみたいとおもう。
こういうことを“創作”でなく“体験エッセイ”として書くと、「やっぱり水商売の女だな」と思われそうで嫌だし、特に女性からは白い眼で見られたりするかもしれないけれど、しょうがない。まずは私の立ち位置から見える男女の姿を、そのまま書いてみたい。
***
私は水商売の経験がとても長い。若い時に借金を作ったからだ。ライターの仕事だけでは何十年かかるかわからないと不安だったので、とにかく夜でも時間給のつく場所にいたかった。
水商売と言っても、いろいろ。新宿歌舞伎町、銀座、東中野、門前中町……高級会員制バーで、色気もないのに無理してドレスを着て厚化粧して、「女なのに女装」のようなトンマな状態になっていたこともあるし、四畳半ぐらいの店をひとりで切盛りして、生活保護のおやじに飲み逃げされたこともあるし、大きなキャバクラのキッチンで、着飾ったキャバ嬢たちに命令されてお酒を作ったり、吸い殻の入った灰皿を投げつけられたりして、「クソ女どもぶっ殺す」と本気で思っていたこともある。
今は執筆や編集の仕事がメインなので、新宿二丁目にある家族経営の音楽バーで週末にちょっと手伝うぐらい。時給はコンビニの深夜給と変わらないし、別に高額のお酒を売っている店でもない。酔った客の乱闘にたびたび巻き込まれるので、服装はいつもTシャツ、ジーンズ、スニーカー。
LGBTの町なのもあって、一般的に想像される「女が男に媚びてキャイキャイ」とか「男性を気持ちよくさせて、カネを吸い上げる」ような、『黒革の手帖』的世界とはかなり違って、どちらかと言うと、女尊男卑な空気があると思う。
ちなみに私は、男性よりも女性に誘われることのほうが多い。そういうちょっと特殊な環境にいる。
●背中に矢の刺さった男性たち
もともと飲み歩く習慣のない人間だったので、最初のうちはどうしてこんなに人が外で酒を飲むのかわからないほどだった。けれど、いろんな場所から、いろんな男女を見てきた中で、ずっと気になっていることがある。
それは、どんな店でも、飲み屋の扉を開いて入ってくる男性のなかには、背中に折れた矢が刺さっているように見える人がいるということだ。
すごく変な言い方をしていると思うし、私が勝手になにかを投影しているだけで、気分よく働くための偏見なのかもしれない。でも、たしかに刺さっている。
もちろん、なにも刺さっておらず、身軽そうで楽しそうな空気の人もたくさんいる。
そのなかで、“まるで戦から帰ってきたかのような”疲労困憊した雰囲気や、押し詰められた感情、敗北感、やせ我慢のようなものが入り混じった空気を無意識のうちにまとっている人が男性には少なからずいて、そして、そういう人は、飲み屋には決して楽しむためにワクワクした様子でやってくるわけではないということだ。
パーソナリティもさまざま。楽しい話だけをする人もいれば、ちょっとだけ愚痴をこぼす人もいるし、威張って得意気になる人もいれば、話しかけると「ごめん、ちょっと放っておいてくれる?」と突き放したきり寡黙な人もいる。酔うとやたら横柄になってきて、やっぱり優しくできないなと思えてくる人も、もちろんいる。
で、この矢は酒を飲んだところで抜けない。まとった空気は多少軽くなったり、気分が良くなったりはするようだけど、帰っていくときも矢は刺さっていて、ちょっと足元をふらつかせながら、夜の街を歩いて去ってゆくその背中は、本当に哀しく見えるのだ。
あの哀しみは、いったいなんだろう?
***
私にはきっと好みの男性を色眼鏡で見る部分があるから、そういう人を都合よく武士のように見立てて、もてなそうとしているだけかもしれないと考えてみた。
でも、好みでもなく、人となりをよく知らなくても、やっぱり第一印象でそのような空気を帯びている人はいる。何年も何年も飲み屋で人を迎えてきて、なんだか見えてしまうんだからしょうがない。
それに、不思議なことに、女性にはそのような矢の刺さった人はいない。
コメント
コメントを書くユーチューブで拝見しました。
全編笑いに溢れていて楽しませて頂きました。
昔の不倫ブームを思いだし、あれはピカレスク・ロマンだったのだなあ、余裕のある時代だったのだなあ、と思い、今のバッシングは弱者のルサンチマンなのだなあ、余裕の無い時代なのだなあ、と思いました。
お二方(山尾・倉持両氏)には、もう時代を読み違え無いように、時代に飲まれないように、と願うばかりです。
生放送等々お疲れ様でした。
24時間テレビのマラソン企画に
殺意を感じ取った高森さん
そーかー
確かに、それは思い付かなかった
『今年も懲りずにやっとるな~』
ぐらいの感覚しかなかった
30年前のテレビ
ブラウン管の手で回すタイプのやつでしたか?
SDからHDになって
4Kやら8KやらAKBやら
youtubeやらニコニコ動画やら
今から30年テレビ見ない生活したら
高森さんになれるかな?
そう言う事じゃないか。
テレビは持っていません
しかし出演はしています
タカモリズム
興味あるわぁ
「FLASH」と一緒に「週刊エコノミスト」も買いました。読書日記、今週はよしりん先生の記事ですよね♪(*^^*)
ちょっと頭に血がのぼり過ぎかなと思って冷却期間を自分で置いて考えてみたのですが、結局生放送でよしりん先生が言われていた「なんで〇〇は恋愛しまくってるのにオレは何もできないんだ!」っていう嫉妬からきてるのがベッキー以降の不倫叩きなんでしょうね。ここにきてマツコデラックスや中江有里あたりも「もういい加減にしたら?」みたいなことを言い始めて、じゃ炎上してるかっていうとそうでもないみたいですし。
この前TBSの金スマで野際陽子の追悼特集をやっていてその際に「ずっとあなたが好きだった」や「誰にもいえない」を久しぶりに見たのですが、あれらも佐野史郎が演じた冬彦さんとか野際陽子が演じた母親のキャラもありましたが金妻の延長みたいなもので所詮不倫ドラマなんですよね。それでいて視聴率が30だ40だとかまで行きましたし、同じ頃に失楽園とかもありましたから結局今の日本人の余裕のなさが不倫叩きにつながってるのかなと。
それと高森さんの「24時間テレビのマラソンには企画する側の殺意を感じる」は新鮮な見解でした。よく考えたら仰る通りで何でアレが視聴率獲ってるのかっていうと結局「感動を味わいたい」からじゃなくて「芸能人がぶっ倒れるところが見たい」からなんでしょうね。これもある意味「日本人の余裕のなさ」の象徴かもしれませんね。
dai様へ
あの生放送のパワーに高揚させられ、様々な問題提議に研究意欲をそそられたりして、昨日称賛・応援コメントを書き込んだのですが、昼休み終わりで慌ててしまったものでして、投票を忘れてしまいました(「もしゴー宣が倒れても~」でなく、「もしゴー宣道場が倒れても~」でした。一応念のため。)。締切を延ばして頂いて助かりました。
‘’伴野十蔵”に一票です。
主人公の一人勝ち・独りよがりみたいな、惰性や綺麗事で物語を終わらせない、物語に陰影を与え、作品の彩りに深みを与える魅力的な敵役・憎まれ役。好きなんだなあ。
『エンジェルハート』でいう‘’カメレオン”、『アストロ球団』の‘’大門”や”バロン森”、『ブラックジャック』の‘’ドクターキリコ”みたいな。
これからもよしりん先生ならではの不気味で愛すべき敵役、『オテロ』の‘’ヤーゴ”にも匹敵するような悪役・憎まれ役を希望します、という事で彼に一票ですd('v')。
以上、宜しくお願いします。
これでコメント400也!
youtube楽しく拝見しました。
今回のイチャコラで皇統問題も吹っ飛ぶのかと愕然としておりました。永代続いて欲しい皇統がちょっとした心の隙で喪すのかと…。
そんなことあってはいけないわけで、例えば自分の命に関わる法案を通してくれるかもしれない議員が私生活のゴタゴタで失脚なんかしたらやってられないですよね。
また不倫の歌のことにも触れられていましたが、最近の流行歌は不倫というか大人の世界の歌が上位になることは少ないですね。
90年代にはまだ沢山そんな歌があって子供ながらにそこから大人の世界をあれこれと仮想体験していた記憶があります。
現在の日本人はそういった自分とは別の世界に思いを馳せたり読み取ったりする能力の衰えと、大人の世界という領域が溶けてしまったのではと感じます。
コメ欄が400…
しかもいろんな人が書き込んでいる。
ライジングのコメント欄では怒り、悲しみの感情がぶつかる場所になっている。
まあ昭和のプロレスでアントニオ猪木や前田日明に熱狂するファン心理もこうだったのか?とその時代を知らない人間ですが
妄想してしまいます。
今回のように道場と世間が密接にリンクしたのは初めてですからな。
ある意味ゴー宣で新しい歴史の扉が開かれましたな。
結構不倫ネタ早々に飽きられてきてますね、ベッキーや宮崎何某より終息が早いです、正直話題は北へのインチキ骨抜き制裁決議やら国会での森友追求にシフトし始めています。
やはり先生の生放送の影響力は絶大なる効果を生み出しますなあ(^○^)これで、山尾さんも表に出て来やすくなるのかも?分かりませんけどー。
あ、今日のライジング恐らくは生放送での山尾さん倉持さんへの世間インチキバッシング叩き潰しのお話ですよね?
いやあ、楽しみだ(^○^)
>>438
怒りと哀しみこそが原動力でしょう。
ゴー宣の前身のおこっちゃまくんも読者の怒りと哀しみから始まったのだし。
>>402
出どころが須田慎一郎の情報なら、まず嘘っぱちと判断して問題ないですね(笑)
須田はオウム事件の頃、京都のホテルで麻原彰晃に単独インタビューをしたと吹聴し、「取材時のノート」と称するものを公開していました。
その後、麻原はずっと上九一色村にいたことが明らかになりました。
インタビューしたという話は嘘、「取材ノート」は捏造だったのです。
前川氏と出会いバーで知り合ってホテルに行ったという女性のインタビューを取ったとか、T新聞のM記者にも不倫の経験があるとか、相変わらず妄想を垂れ流しているようです。
こんなヤツを「ジャーナリスト」として出演させる地上波テレビ局(よみうりテレビ)こそ、公正公平に反していると思いますね。