第277号 2018.7.17発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…麻原彰晃(本名・松本智津夫)の死刑が執行され、これでオウム事件も大きな一区切りがついたと思っていたら、その遺骨をめぐっておかしな争いが勃発して、たちまち新たな騒動が始まってしまった。麻原は死刑執行直前、自分の遺体の引き取り人に四女を指名していたという。死の直前、麻原は何を考えていたのか?
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…「高齢化、高齢化」と、物心ついた頃から延々と聞かされつづけてきたので、新聞の文字がどんどん大きく丸っこくなっていくのも、文芸誌の拡大サイズ版が発売されたときも、「お年寄りが増えたから、目にやさしい本づくりをしないといけないんだな」なんて、ふわっと考えていただけだった。しかし、事態はもっと深刻だ。読めない・考えられない人に合わせる世界…その先にある未来とは?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!今期のドラマで注目している作品や女優は?人里離れたお寺で育った先生は、今でも小動物や虫を平気で触れる?同世代の活躍に刺激を受けた経験はある?教養とは何?先生にとって30代とはどんな年だった?被災地に千羽鶴を送ることをどう思う?小室圭さんの留学の理由は?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第285回「麻原遺骨騒動の奇妙さ」
2. しゃべらせてクリ!・第234回「真夏のビーチで美人にかしずくぶぁい!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第89回「読めない・考えられない人に合わせる世界」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第285回「麻原遺骨騒動の奇妙さ」 麻原彰晃(本名・松本智津夫)の死刑が執行され、これでオウム事件も大きな一区切りがついたと思っていたら、その遺骨をめぐっておかしな争いが勃発して、たちまち新たな騒動が始まってしまった。
麻原は死刑執行直前、自分の遺体の引き取り人に四女を指名していたという報道が出て、これに対して三女が「作られた話」だと反発した。
さらに参院議員でジャーナリストの有田芳生や、宗教学者の島田裕巳らも、これは法務省による政治的判断で、遺骨を教団とは完全に決別している四女に渡そうとしているのではないかという旨の発言をしている。
だが、わしは最初にこれを聞いた時、事実だろうなと思った。いくらなんでも、死の直前の言葉を捏造するほど悪質なことをするとは思えないし、しかも、信者が遺骨を奪還しようとすれば、四女に危害が加えられる恐れがあることくらい法務省の人間だって見当がつくはずで、あえて一般人を危険にさらすような嘘を発表するはずがないと思ったのだ。
そんな中、TBSは関係者への取材から、麻原の死刑直前の詳細な様子を報じた。それは以下のようなものだったという。
7月6日午前7時ごろ、麻原は東京拘置所の独居房で起床。朝食は部屋でほぼ完食した。
7時40分ごろ、刑務官から声がかかる。
刑務官「出房」
連れて行かれた先は教誨室だった。
刑務官「お別れの日が来ました。教誨はどうしますか」
麻原「・・・」
刑務官「じゃあやらないんだね。言い残したことはある?」
麻原は終始、呆然としていたという。
刑務官「引き取りはどうする?」
麻原「・・・」
刑務官「誰でもいいんだぞ」
麻原「ちょっと待って」(しばらく考え込む)
刑務官「誰でもいいんだよ。妻・次女・三女・四女がいるだろう」
少し間が空いたあと・・・
麻原「四女」
小声でよく聞き取れなかった刑務官が「四女?」と聞き返すと、麻原は四女の名前を口にした。
刑務官「四女だな?」
麻原「グフッ」
麻原はそう言って、うなずいた。
暴れたり、抵抗したりするようなことはなかったという。
特定の死刑囚の執行前の様子がこんなに詳細にリークされるのは極めて異例ではあるが、「法務省陰謀説」なんかが喧伝されては、そうせざるを得なかったのだろう。
こんな真に迫った描写を刑務官が嘘で言ったり、法務省がでっち上げたりするとは思えないし、作り話をするなら「麻原は最後まで見苦しく抵抗した」などと、もっとイメージダウンを図ったはずだ。
麻原と妻の間には娘4人、息子2人がいる。
三女は、遺骨引き取りの権利は母(麻原の妻)にあると主張し、四女と真っ向から争っている。
三女はかつて「アーチャリー」のホーリーネームで呼ばれ、麻原が教団の後継者に指名していた。
その後、オウムがアレフと改称した際に教団を離れ、実名・顔出しで手記を発表するなど、積極的にマスコミにも登場している。
ただ、現在の教団とは決別したとは言っても、「たとえ父が事件に関与していたとしても、私は父のことを大切に思い続けます」「オウムとの決別は、故郷というか、育ってきた町を離れる感覚に似ています」などと発言していて、明らかに今も麻原やオウムに愛着を持ち続けており、これを客観視し、批判する感覚は乏しい。要するに、物理的には教団を離れていても、精神的には離れきっていない状態といえる。
それでも三女は、経済的に教団から独立して生活する決意だけはしているようで、今もアレフに生活を支えられている母とはかなり仲が悪いらしい。
麻原の妻と三女は連名で、遺骨の引き渡しを求める要求書を法相と東京拘置所長に宛てて提出しているが、四女を共通の敵とすることでのみ手を組んだようだ。
一方の四女は11年前、ジャーナリストの江川紹子が未成年後見人となり、その元に身を寄せていたが、半年ほどで出て行った。
コメント
コメントを書く>>106
あ~何言ってるかわからないな~。懲りん星人の言葉は地球人には難しすぎるからな~。仕方ないな~。
>>111
「懲りん星人」、見事なネーミングですね。
「しゃべクリ」で使いたいくらいです。
>>94
ちぇぶさん
いえいえ、返信ありがとうございます
d=(^o^)=b
ご挨拶出来るその日まで…『ともだちぶさ』を極めたいと思います!
やっぱり照れがあったらダメだと思うんです。
やるなら堂々と!!ともだちぶさ~~っ!!
( ̄ー ̄ゞ-☆
なんのこっチャイナ
(  ̄▽ ̄)
甘いものは別腹、同感です。可愛い女の子好き、私もです
v(o´ з`o)♪
私は年中タオルケットを使用しております。
真冬はタオルケット+毛布+布団
タオルケットは手軽に洗えるので…
夏はクーラーをつけるほどじゃない頃は、アイスノンと、タオルケットか肌掛けをお腹にだけ掛けてます。お腹を冷やさないように。
昔はアイスノンカッチカチでしたが、今はやわらかアイスマクラですわ~~
タオルケット、ええやんかっ
二人は~枯れススキ~♪
遅ればせながら、ライジングの配信、ありがとうございます。
オウム関連では、色々な人が色々な思惑で色々な主張をするのでとても混乱しますが、今回のゴー宣で遺骨騒動についてすっきりしました。
法務省の意図、教団の状況、そして松本智津夫の心理を明確に分析しきった傑作だと思います。
見聞録では、読めない・考えられない人に合わせて文章やコンテンツが作られる様子を描きだしていただきました。
元々関心を持たない人に訴求するためには、それぐらいやらないといけない時代なのだろうなと思いました。
0円コンテンツが当たり前になり、大量のユーザーを取り込まなければ価値を認められなくなった結果、過剰なまでにユーザーに親切なものが氾濫することになりました。
いつの時代もそうなのでしょうが、便利さに甘えず、自分を律する姿勢が今の時代には殊更必要なのだと感じます。
便利さを拒絶しなければならないこの窮屈さ…。これではいったい何のための便利さなのだか…。
少しだけコメントします。このところいろいろあって、休んでいました。
1.麻原彰晃の遺骨を誰がどうこうしようと、遺族間の個人的な問題なのだから、勝手にすれば、といった感じです。あれこれ言って、オウム真理教を神聖化しようとする輩がまだいるのか、と思いました。アニメの聖地訪問だって、こんな莫迦げたものではないと想像します。私は「上九一色村」という地名をなくした方が、臭い物に蓋をしたみたいで問題だったと感じます。
2.活字が小さいのは困難ですが、それ以上にハードカバーの本は持ち運びできないのが問題だ、と感じます(あと、落ち着いた環境も必要)。そう考えると、スマートフォンは充電さえすれば持ち運びできて便利なのでしょう。大きい活字の方が良いですが、私は小さくても読むし、スマホ自体にも興味がないので、実感がわきません。確かに国語の時間では長い文章よりも簡潔で短い文を、と教わるのですが、要は短くても長くても文章の巧拙が肝要だと思います。
3.うちはタオルケットで、冷房もします。タオルケットの持つ情緒も大切でしょう。人それぞれだと言えるのでしょうが(でも最近はほとんどかけずに自然に眠っています)。
つづきです。
4.眞子樣がとてもお気の毒に感じられました。何とか小室さんと幸せな家庭、あるいは屯倉、ではない宮家を築いて欲しいです。
5.カジノなど、009のタイトルだけで十分です。
6.(次の号が出てしまいましたが)、コペルとかいう主人公には何の関心もありません(差別的発言をしますが、変な名前、といった感じ。「吾一」とかいう名前にはできなかったの?)。大きな本屋に平積みになっている本にはあまり興味がわきません。かつて山手線で人名救助のために命を散らした方々がいましたが、そういう人たちにこそ、国民栄誉賞を、というのは自己慰安なのでしょうか。
7.(同じく次の号が出ましたが)「よーく考えよう。お金は大事だよ」というCMを想記しました。貯金は大事ですが、問題は、これこそどう使うか、なのではありますまいか。ノーベル賞も、ダイナマイトを悪用されたノーベルの後悔から生まれたものと聞きました。
とりあえず、こんなところです。加えて『古事記ワンダーランド』完結、お疲れ様でした。
>>17
私は赤影は卍党あたりしか(再放送で)見ていないです。あの主題歌は好きなのだけれども。時代劇チャンネルで録画したのを、今度見てみます。
それでは次号を期待します。今夜の生放送も。
>>117
urikaniさん
ご返信ありがちょー(*´▽`*)
なるほど!確かに!照れがあっては正しく(笑)ご挨拶ができませんね!
私もお会いできる日までには克服したいと思います(笑)
門下生チャンネルの『東京暮らし 匿名暮らし』をご覧下さったのですね!
ありがとうございます
予告までしっかり見て下さっているとは・・・・ありがたいです(*´▽`*)
次回もどうぞお楽しみに~(´艸`*)♪
遅くなってしまいましたが、トンデモ見聞録を読みまして。
そうでしたか。そういう方達に合わせているのですね。そんで思考停止がトレンドって…
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
ところで私は遠視と老眼なので(T^T)多少文字を大きくされたところで読めないです!
『文字が小さすぎて読めない!』と渡辺謙も怒ってますね。しかーし!老眼鏡+ハズキルーペさえあれば、読めちゃうんですな~
ちっさいちっさい文字もよーく見えます
ヾ(@゜▽゜@)ノ
>>122
ちぇぶさん
由緒正しい『ともだちぶさ』を楽しみにしています(笑)
門下生チャンネルも楽しませてもらっていますよ
(*^^*)
トッキーさんもおっしゃってましたが(あれ?よしりん先生だったかな?)、大人数も楽しいですが、2~3人で話しているものはどなたが話しているか分かり易いし、じっくり聴けていいですね
(o^-')b !
ファンです。最近オウムの話題が多くなり、少し気になるものを見つけました。
「輪るピングドラム(全24話)」というアニメです。東日本大震災直後の作品で、95年のサリン事件をモチーフにして描かれています。
主人公は、3人の男女の兄弟になっていますが、「万引き家族」のような疑似家族で、サリン事件を起こした側の子供として、話を追う事に描かれていきます。
話の筋としては、妹の病を治すために「ピングドラム」を探すことを中心に、登場人物たちの過去と現在の話が交錯していき、その過程で地下鉄サリン事件やオウムのモチーフが出てきます。
話の先にあるのは運命の乗り換え。オウムの話以外に宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を組み合わせて作られています。
場違いですが、最近のオウム報道を見るのと、小林先生がオウムの問題で総括するという話を耳にしたので、参考になればと。
【輪るピングドラム考察①】OPに込められた意味☆山田玲司のヤングサンデー
www.youtube.com/watch?v=xJuRwCPhj4w
#170『映画で歴史を学ぶ生存戦略!?〜ノンフィクション系映画の楽しみ方と最近のヤンサン四方山話』中2ナイトニッポンVol.41 (46:20 ピンドラ②前半 4~6話)
https://www.youtube.com/watch?v=fuRs68obzGw
輪るピングドラム考察⑤】12話までのまとめ。☆山田玲司のヤングサンデー
https://www.youtube.com/watch?v=fuRs68obzGw
評論は今も進行中の評論で、この上記のリンクは無料部分で、後は有料部分になりますが、評論としては、無料部分でも聴きごたえはあると思います。あくまで私の意見ですが。