第21号 2013.1.15発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、AKB48ブームから現代社会を掘り下げる(本当は新参ヲタの応援記!?)「今週のAKB48」、よしりんの愛用品を紹介していく「今週の一品」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、『おぼっちゃまくん』があなたの人生相談に真剣回答!「おぼっちゃまくん人生相談~言われたとおりに生きるぶぁい~」、読者との「Q&Aコーナー」、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※今週の「ゴーマニズム宣言」は、AKB48河西智美の写真集「児童手ブラ写真」問題から、ヒステリック・バッシングの流行、自主規制、そして性に関する感覚にまで浸食し始めたグローバル・スタンダードまで、徹底的に論じます!
※「今週の一品」は、よしりん先生の並外れた妄想力が炸裂!
※オウム事件の14年前に描かれた、まるで予言的な作品『誅(マルチュウ)天罰研究会』を紹介中の「よしりん漫画宝庫」。日本人に「倫理観」を取り戻すために必要な「一言」とは?今週は特別に、漫画『天罰てきめん対談』を掲載!!
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第24回「とも~みの『児童手ブラーシカ写真』事件を考察する」
2. 今週の一品・20品目「積雪」
3. よしりん企画、その風景・第5回「現代の作画風景」
4. おぼっちゃまくん人生相談~言われたとおりに生きるぶぁい~・第104悶~第108悶
5. よしりん漫画宝庫・第21回「『誅(マルチュウ)天罰研究会』④今こそ必要な不朽のテーマ『天罰』」
6. Q&Aコーナー
7. 今週のよしりん・第21回「マンマ・ミーアがお好き」
8. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
9. 読者から寄せられた感想・ご要望など
10. 編集後記
第24回「とも~みの「児童手ブラーシカ写真」事件を考察する」
この話題はAKB48の流行の範疇を超えた問題を秘めているので、社会問題として『ゴー宣』で分析しておかねばならない。
AKB48河西智美の児童手ブラ写真が「児童ポルノ」に抵触するということで、グラビアで掲載した「ヤングマガジン」が発売延期になった。
すでに印刷して取次に回していた週刊誌を回収するのは、3億円くらいの赤字になるらしいから、講談社も大変な決断をしたものだ。
どんな写真かと言えば、上のようなデザインだ。
個人的な感覚では、この写真にはポルノを感じない。ウイーン少年合唱団みたいな白人児童がいるからだ。
もし児童が日本人で、鈴木福くんが手ブラしていたら、なお一層エロを阻害されるだろう。ユーモアが漂って、笑ってしまうかもしれない。
白人児童にしたのは、現実感をなくす演出だと思う。日本人の歌手がミュージックビデオや新曲の広告などで、しばしば白人や黒人をエキストラに使うのは、日本国の日常性や現実感をなくすためだ。
とも~みが自分で手ブラしてくれれば、ウヒョッとなれたのに、白人児童がいるので、「いやらしく見ちゃダメよ。これは現実じゃないの。微笑ましいでしょ」と言われてるみたいで、実際そう見るしかなくなる。
ヨーロッパの聖母と天使の宗教画みたいなものかなと思っていた。
とも~みの乳房の豊かさに、母性を感じさせるのが、この写真の目論見なのだろうと思い、エロ的には残念な気がした。
ソロデビュー曲『まさか』のCDジャケットの方がエロくて好きだ。
しかし、世の中には、「児童手ブラーシカ写真」でも、ポルノを感じて卑猥な気持ちになる人もいるらしい。
性的な趣味は色々だから、どうしようもないが。
ただわしは、この写真を「児童ポルノ」だと認定するのは、無理があると思う。
児童が騙されて、こういう写真のモデルとなり、あとで親が訴えたというのなら、まだ話がわかるが、そういう事情でもなさそうだ。
あきらかにこれは講談社側の「自主規制」だろう。
講談社は「社会通念上、読者に不愉快な感情を抱かせる」と判断したそうだ。
ヤンマガの読者なんか、もっと刺激的なエロいグラビアを毎週見てるはずだし、エロを刺激する漫画も存分に楽しんでいるだろうに。
血気盛んなヤンマガ読者が、河西智美の「児童手ブラーシカ写真」を見て、「不愉快な感情」を抱くだろうか?
もちろん、「そのガキの手を除けろ!」という意味で、「不愉快な感情」を抱くかもしれないが、「児童ポルノではないか」と目くじら立てるヤング読者なんかいるわけがない。
そんな若者がいたら、「人権ヤング君」と名札を貼ってやりたい。
この「児童手ブラーシカ写真」について、奥村徹とかいう弁護士は「児童ポルノ」に抵触すると言い、「一見して18歳未満の男の子が女性の乳首を触っているように写っている。『2号ポルノ』に該当する行為です」と言っている。
いやいや、乳首を触っているのかなあ?
とも~みはニップレスを貼ってるでしょ?
乳首を触らせるはずないよ、とわしは即座に思ってしまう。
2号ポルノとは「児童が他人の性器などを触る行為に関わる姿で性欲を興奮させたり刺激するもの」だそうだ。
「性器など」とは、性器、肛門、乳首などらしい。
いやいや、乳首が性器だったら、赤ちゃんは性器をくわえて乳飲んでるの?
法律が何と書いていようと、わしは乳首を性器とは思わない。あまりに無茶な定義だ。
奥村弁護士は言う。「写真では明らかに乳首を触っているように見える。法律上は、男の子が乳首を触らず、乳房だけを触っていればセーフでした。乳首があらわになっていてもセーフでした」
これを読んだときは、つい吹き出してしまった。
「乳首があらわになっていても、乳房だけを触っていればセーフ」って何じゃそりゃ?
じゃ、こういう写真なら「児童ポルノ」じゃなかったのか?
コメント
コメントを書く力のこもった「○誅天罰研究会」論No.1からNo.4までプリントアウトしてじっくりと読ませていただきました。そして「小林よしのり異常傑作選2」を持ち出し久し振りに通して読み返し、その中に凄い言葉がちりばめられていることに驚きました。
この本を手に入れた頃(1995年)の印象をかなり超えて「あぁ・・・そうだったのか・・・すべて見通して描かれていたんだ・・・」と気が付きます。なぜなら、オウム事件はもちろん、それから十数年の歳月の流れの中で、起きたこと、世相の変化、---そして、今に至るまで、これは予言であり刺し貫いているではありませんか。
そう言えば、ゴー宣道場が始まって以来、そこである回のテーマが決まると、それに不思議なほど符合する出来事が直前くらいに起こり、論議が一層具体性をもってなされる、という現象も一度や二度ではなかったように思います。---それは実は尋常でない「見通す力」のなせるわざとは思いますが、「○誅天罰研究会」の感覚と通ずる畏怖を感じます。(「国防論」執筆の途上であの3.11大震災が起こった時は、絶句でした)
幼い頃、知られないように悪いことをしてしらばっくれると、詰問することなく祖母は「『天知る・地知る・我知る』と言ってな、その三つだけは絶対騙せないだぞ」と言ったものでした。---ホントだ・・・;;。
週刊誌のグラビアと河西さんのファンが彼女の写真集を買うのとではあの写真を見たときの感じ方がちがうのでは?
実用的な目的な人とそうでない人の感覚の違いでは? 前者は写真の萌え度はわかれると思うが児童ポなどとは考えないと思うし、漫画目的の人は色々文句ある人もいる気がする。
混浴や授乳シーンは生ではありでも写真にしちゃうとという感じで難癖つける人がいるとしたら、そんな感じの人もいるだろうし、欧米に対する自虐史観とは少しニュアンスがちがうような気がしてます。
小林先生の大ファンですが先生とは考えがちがうところも少しあるのですが、話を聞いてくれる大きさがあるのでコメしました。
毎度配信ありがとうございます!!
私が子供の頃、近所の駄菓子屋(というか雑貨屋?)に普通にエロ本が売ってました。また、市内に出かければ成人映画の広告が駅前にど~んと堂々と掲げられていました。
もしソレらを見て育ったら教育上マトモでなくなるなら、今の40代以上の人は全滅ということになってしまいます。
それにしても、「人権ヤング君」やら、AKBを批判する格好わりぃオッサン君,安倍信者,愚弄場利盗人君(グローバリスト君),男系固執主義者,論壇界のア保守,...み~んな、ブロイラーですねぇ...
もう、いっそのこと、 「ブロイラリアン」 と呼んでしまいましょう!!
毎週の返信と質問への回答、ありがとうございます。
「テブラーシカ」事件は実に根の深い問題を孕んでいるのだと認識しました。私なんぞは、通販サイトで件の写真を見たときに「これが表紙なら、開く前に鼻血が出てしまう!」と興奮したものですが、私以上の過剰な反応があるものですね。彼女の「テブラーシカ」は、乳首が出ていなくてもアウトなのですか。(この「テブラーシカ」という言葉、あるお笑い番組を観ていないとちょっと意味が分からないと思います。この番組、「おぼっちゃまくん」も「ビミョーに」関係があります)
これからも、深い考察を期待しています。頑張ってください。
「よしりんに聞いてみよっ!」をタイムシフトで拝見しました。
「成文法と不文法」の話が興味深かったです。
『感性』までが成文化されることは気持ちが悪い、と思いました。
「新聞はライジングか?」の企画は、第2弾もして欲しいです♪
私、新聞はネットで読めば十分だと思って、購読をやめました。
ライジングが月500円なのに、新聞に月3000円も払う気になれない。
ライジングは、適正価格まで値上げして欲しいです!!
マクドを真似して、まずは地方ごとに値上げするのは、いかがでしょうか?(^O^)
>>56
そう思っていただけたなら、よかったです!
>>64
今回のゴー宣は、今週の「よしりんに聞いてみよっ!」を視聴して始めて完成される回だったのか!と動画を視聴した後、失礼ながら思ってしまいましたm(_ _)m
ゴー宣を読んで、また出版社の自主規制か!とか手ブラした子供に私はなりたい・・・と軽く考えていたんですが、動画「新聞はライジングか?」(39分あたり)を視聴して、実は慰安婦問題やTPP、果てはグローバリズムによって日本人の繊細な感性や不文法が侵食されて文化破壊にも繋がっていくという事が始めて分かり、ライジングを更に深く考えることが出来て、とても面白かったです!
*不文法をなじぇか不文律と書いてしまったので、書き直しましたorz
しかし、西洋の絵画を意識して撮った写真が、欧米からのポルノ禁止法によって規制されるというのも皮肉な話だなぁと思ってしまいました(~_~;)
あと、みなぼん編集長がちゃんとお薬飲んでると聞いて安心しました。たまに風邪は薬に頼らず自力で治すナチュラル派の方とかいるので(^^;;
自分の職場ではインフルエンザが流行していて、自分も普段以上に手洗いうがいを心掛けています。よしりん企画の方々も寒さで風邪など引かれぬ様お気を付けて下さい。
>>65
じゃあ、私は「不文律」に変えてもよかですか?(^O^)
たぶんですが、同じ意味の言葉だと思います。
「言葉」って、その人の「感性」がよく現れるもので、
私は、ライジングのコメント欄を繰り返し読むのが、好きです♪
【自分を偽らない感情に根ざした言葉】に出会える稀有な場所だと思います。
さいさんって、ホントに22歳なんですか! サバ読んでないですか?(笑)
私が22歳の頃なんて、好きな言葉が「Bukkorosu」だったから(笑)
とにかく【自分を正当化する為の言い訳の言葉】しか出なかったものです。
ですので、さいさんの「言葉のバランス感覚」には、毎週頭が下がる思いで、
そして、学ばせて頂いてます!
今頃ライジングの感想書いてすみま千円。
葛西智美のテブラーシカ写真見たんですが、
「とも~み、スッピンなのかな。ヤンママに見える」
「子供の顔と両手の遠近感おかしくない?」
と思ったくらいで、ヤラシイとは思いませんでした。
今回の回収騒動が講談社の自主規制だったとしたら、
安倍晋三が慰安婦を性奴隷と肯定してしまった件と
同じように、将来に災いをもらたすような気がして
なりません。
これまで「よしりん漫画宝庫」でいろんな漫画が
紹介されましたが、どれも必ずと言っていいほど
人間の抱える問題が内包してたり、「○誅天罰研究会」
のように予言が当たったりと、これらの作品群を
見てると全部ゴーマニズム宣言執筆のための
準備か特訓だったような気がしてきます。
今週は東京は雪が何度か降るようなので、
よしりん先生はじめ、スタッフの皆さん
体調に気をつけてください。
>カレー千衛兵さん
コメントを再投稿する際に、『文律』という単語を辞書で調べたんですが無かったので、じゃあ『不文律』も勘違いだったのかな?と早とちりして書き直してしまいました(汗
改めて調べたら、『不文律』『不文法』両方ともあったんですね!勉強になりました(^^;;
それにしても、今回の「新聞はライジングか?」は僕が見た「よしりんに聞いてみよっ!」の中で一番楽しめた回だったので、カレー千衛兵さんと同じく是非とも第2弾やってほしいなぁと思いました!
あと、僕の方こそカレー千衛兵さんのコメントいつも楽しませて貰っております!
今ではカレー千衛兵さんのコメントを見たいが為に、ライジングを購読してるようなも・・・これ以上書くと、みなぼん編集長の鉄拳制裁が来るかもしれないので辞めておきますが(笑)、これからもコメント楽しみにしています!