第125号 2015.3.17発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…3月9日・10日の2日間、ドイツのメルケル首相が来日した。これに関して、特にマスコミが大きく報道したのが9日に行われた講演だったが、報道だけ見ていると、戦後70年の「歴史認識」と「脱原発」がテーマの講演だったかのように思ってしまう。しかし実際のところ、メルケル首相は演説で何を語ったのか?「歴史認識」と「脱原発」で「ドイツに見習え」というのは正しいのか?
※「ザ・神様!」…2週連続で登場!今回は「震災特別編」と題して、およそ2年半ぶりに福島を訪れた木蘭さんのレポートをお届けします。東日本大震災、そして福島第一原発事故から4年の3月11日、被災地はどんな顔を見せていたのか?原発再稼働を急ぐ日本。「故郷を失う・諦める」覚悟はできているか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!同性カップルに証明書を発行する渋谷区の条例案をどう思う?同性婚はあり?選挙権を18歳に引き下げることには賛成?「代替案」を示すことが少ないのでは?40代にもなって両親を恨むのは良くない?オウム事件の風化をどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第122回「メルケル首相演説の誤解と評価」
2. しゃべらせてクリ!・第85回「しぎゃびー!お父ちゃま大噴火!の巻〈後編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第53回「震災特別編・3.11ここに故郷あり――被災地の神社から」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第122回「メルケル首相演説の誤解と評価」 3月9日・10日の2日間、ドイツのメルケル首相が来日した。
ドイツは中国との経済関係を深めており、メルケルは2005年11月の首相就任から10年弱の間に7回も訪中している。
それに対して訪日は3度目、それも2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、実に7年ぶりである。露骨なほどの差をつけている。
そんなメルケルが今回、突然日本にやって来た。何しろ外務省がメルケル訪日を発表したのが10日前の2月27日という慌ただしさである。
唐突な来日で、何をしに来たのかさっぱりわからなかったが、一応、今年6月にドイツ南部のエルマウ城でサミットが開催され、さらに来年は日本でサミットが行われることから、その協力要請のための来日であるとか、ウクライナ情勢やギリシャ支援への対応、テロ対策などについての意見交換をするためとか言われていた。そう聞いても、やっぱりよくわからない理由だが。
中には、安倍政権の経済政策やアジア外交、さらに特定秘密保護法導入による「言論の自由の危機」に対する懸念がドイツ国内に高まっており、それを伝えに来たのではないかとか、6月のサミットで安倍が場違いな発言をしないように釘を刺したのではないかといった推測もあった。それならありうる、と思えてしまうところが情けない。
メルケルの訪日に関して、特にマスコミが大きく報道したのが9日に行われた講演だった。
報道だけ見ていると、戦後70年の「歴史認識」と「脱原発」がテーマの講演だったかのように思ってしまうが、講演の全文を読んでみると、142年前の岩倉使節団のドイツ訪問から話が始まり、東日本大震災、ウクライナ情勢、テロとの戦い、軍拡と核拡散の阻止、国連安保理改革、G7の重点課題、少子高齢化と地域間格差の問題など、実に様々なテーマを語っており、歴史認識も脱原発もあくまでもその中の一テーマという扱いになっている。
しかし左翼マスコミは、最初から「歴史認識」と「脱原発」で「ドイツに見習え」という記事が書きたいという意識しかなかった。
というより、この講演自体が、メルケルから「ドイツに見習え」的な言葉を引き出すためにセッティングされたものとしか思えない。なにしろ講演会の主催者は朝日新聞社だったのだから。
実際にはメルケルの講演では、「歴史認識」についてはかなり抑制的な表現にとどまっていた。
おそらく、それでは物足りないと思ったのだろう。質疑応答に入ると、真っ先に「主催者代表」がこんな質問をした。
過去の克服と近隣諸国との和解の歩みは、私たちアジアにとってもいくつもの示唆と教訓を与えてくれています。メルケル首相は、歴史や領土などをめぐって今も多くの課題を抱える東アジアの現状をどうみていますか。今なお、たゆまぬ努力を続けている欧州の経験を踏まえて、東アジアの国家と国民が、隣国同士の関係改善と和解を進める上で、もっとも大事なことはなんでしょうか?
要するに「『日本よドイツを見習え』って話をして!」とリクエストしているのだ。かなり露骨に。
メルケルはこの質問に対して、「ドイツは幸運に恵まれました……ホロコーストの時代があったにもかかわらず、私たちを国際社会に受け入れてくれたという幸運です。どうして可能だったのか? 一つには、ドイツが過去ときちんと向き合ったからでしょう」と回答。これで朝日新聞は大喜びである。
「ドイツが過去ときちんと向き合った」朝日はこの一言を待ちに待ち望んでいたのだ。日本は過去ときちんと向き合っていない! ドイツを見習え! …とにかく朝日はそう言いたくて、言いたくて、言いたくてたまらないのだから。
だが、ドイツが過去ときちんと向き合ったなんて話は大ウソなのである。
コメント
コメントを書く一応,最後の文は個人的な独り言(笑)です。質問ではありませんm(_ _)m
今回のドイツのメルケル首相の引用に限らず、日本は昔からこの手の話がよく出てきますね。
様々な問題を解決する方法として「欧米に見習え」とマスコミは喧伝しますが、日本と欧米じゃ
状況が異なるのだから必ずしも参考になるとは限らないのに馬鹿の一つ覚えのように見習え論を
書き散らすのは自分で何も考えられませんと言ってるように思えず、自分たち左翼の言葉では
全然説得できないから欧米の権威?で丸め込もうとしているようにしか見えません。
正直、戦争にしろ原発にしろマスコミは自分たちの問題として真摯に向き合っているとは
思えません。
配信前日ですが、配信ありがとうございます^^;
朝日新聞の「相変わらずさ」に、少々呆れてしましました。
また、昨日たまたま外出した際に、県会議員選に出馬している共産党候補が演説をしていたのですが、相変わらず、「過去の戦争犯罪」「従軍慰安婦」「南京大虐殺」云々と言っているのを聞いて、自分の中で上がってきていた、共産党への評価が一気に元に戻ってしまいました・・・^^;
人は、「見たいものしか見ず」「信じたいものしか信じない」。いや~深い言葉です。
木蘭先生の福島のレポートは、道場HP上に上げられているブログと一緒に、大変興味深く拝見させていただきました。
津波後に、ただ一つ残るお稲荷様には、神々しさすら感じました。
そして、最後に載っていたカモメの写真には、木蘭先生や現場での人たちの気持ちが映っているようでした。
「しゃべクリ」は、完壁主義者さん、MVPおめでとうございます^^
遅くなって申し訳ありません。
オヤジギャグをバカにされて、逆切れとは、何て「幼児化した大人」なんだw
ニセただしさん つぼきちさん
「ちん○んちょんぎるぞ~」は、私の母のオリジナル(?)だと思いますよw
色々とエピソードはあるのですが、今後機会がありましたら、ちょっとづつ出していきますよ^^
私は個人的に、ニセただしさんの「つ~かまえた!!」ネタが、好きですw
「黄金の指股」、また新たな言葉が生まれましたね^^
安倍首相の発言を批判した先生のブログ、すごくわかります。安倍首相は民主党や朝日など、自分の考えと相容れないものは全て敵と見なして攻撃する一方、防衛大生とか自分の「陣地」に近い相手に対しては、いい顔をしたいという欲望が丸見えですね。
これが安倍首相の「いい人戦略」なのでしょうが、そんないい人戦略は、必ず化けの皮が、剥がれることでしょう。
安倍首相に限らず、自らの「変さ」に気が付かない人は思想の左右を問わず、います。
そういう人は、きっと自らを大きく見せたいのでしょうね。自分と対立する相手でも一定の敬意をもって接するのが、真の大人というべきでしょう。安倍首相に似た心の持ち主は、真の大人というべきではないですね。
>>74
諫議大夫さん。
それはアマゾンのレビュアーなんかそうですよ。
自分が消えて欲しいと願う著者に執拗に怨嗟をぶちまけるレビューを長文で書き捲くる人が。
今回の新戦争論1のレビューを眺めてもそういうような人が沢山。
レビューのほとんどがレビューになっておらず無意味なゴミばかりです。
自分が頭良いと思われたいからなんでしょう。
>>74>>75
〇かΧかの単純脳・単細胞で、思考を放棄している人間です。どう理論武装してみても、そこに血の通った跡がなく、こちらに響いて来ないです。
この日本は、人知国家ではなく法治国家である。この単純な事実を理解し、周りの人間に話して聞かせる国民が増えなければいけないと思います。
ボンさん、そおかい?
( ̄∇ ̄)
ちなみに、怒頭勝割の時の『見~~~っけ!』も送ったけどボツだったよ♪
( TДT)←泣くな
怖賀リータのお題の時にも『見~~~っけ!』を送ったらボツだったよ♪
( TДT)←しつこい
まだまだ、ボンさんや諌議大夫さんや常連の方々や可愛らしくも手強い子供さんや、師匠……いやいや、もとい元坂口さんを『あっ!』と言わせたいと思っとりやす。
(*`Д´)ノ!!!←ハードル上げたな
「歴史認識」で「ドイツに見習え」論の間違いをここまでハッキリ言ってくれたのは、
他に類を見ないと思います。本当によしりん先生は、わかりやすい。
実になりました。
渋谷の同性パートナー制度で同性婚どうこう言うのは違和感が
あくまで病室に入れないとかの不便解消であって同性婚とはまた別の話な気がする