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【俺サマ夫】撃退「養育費だけ」誰でも上手くいく財産放棄の交渉術
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【俺サマ夫】撃退「養育費だけ」誰でも上手くいく財産放棄の交渉術

2015-09-14 14:31
    まだまだ暑い日が続くので、今日の夕飯は「冷製」で
    統一してみました。
    露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。

    冷やしタイカレー+蒸し鳥のにんにく醤油
    +刺し身こんにゃく+茹で冷やしワンタンですが
    ひんやりして食欲をそそる感じで、なかなか良かったです。



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    「養育費さえ約束してくれれば、他には何もいらない」

    本当なら請求できる慰謝料や財産分与、そして生活費を放棄してでも
    とにかく養育費を確保したい・・・

    そんな謙虚で健気で控えめな希望すら
    当たり前のことを当たり前のやっても上手くいかないことが多いですが
    ごくごく最低限の条件を実現するにはどうすれば良いのか。
    具体的な流れ、手順、対処方法を紹介してきました。

    前回は慰謝料の話ですが、今回は財産分与の話を取り上げてみましょう。

    <今回の登場人物>
    夫(34歳、会社員、年収600万円)
    妻(32歳、専業主婦)
    子(1歳)


    このメールのバックナンバーは「ブログ」で読むことができます。
    http://ameblo.jp/yukihiko55/



    今は平成の世ですが、今でも「昭和」を引きずって
    縦横無尽に振る舞う男性はまだまだ存在するのが実情です。



    例えば、「俺のものは俺のもの。お前のものも俺のもの」
    という具合に、まるでドラえもんの登場する
    ジャイアンのように横暴な態度をとって財産分与の話し合いを
    メチャクチャにするのですが、


    アニメの世界ならまだしも、現実の世界でジャイアンのキャラが
    本当に通用するのでしょうか?



    婚姻期間中に増加した財産は、法律上(民法758条)では
    夫婦の共有財産として扱われるのです。


    決してジャイアンのように「ぜんぶ俺様のもの」ではなく、
    夫が2分の1、妻が2分の1の権利を
    有しているというのが法律的な考え方です。

    夫がどのように認識していようと、です。



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    ですから、万が一、夫婦が離婚する場合はジャイアンのように
    「俺が総取り」ではなく、前述の共有財産はきちんと
    折半しなければなりません。



    これが財産分与の原理原則ですが、
    すべての財産に例外なく適用されるので、
    退職金や年金だって同じことです。





    例えば、世の中の会社員は毎月の給与、
    そして6月、12月の賞与から税金や健康保険の保険料、
    そして40歳を過ぎれば介護保険料などが差し引かれるのですが、


    そのなかには「退職金の掛け金」
    「厚生年金の掛け金」も含まれています。


    仮に同じ会社で25年間、我慢に我慢を重ね、
    転職の誘惑にも負けず、中間管理職の辛酸をなめながら、
    どうにかこうにか勤め続けた結果、

    退職金の掛け金が1,000万円、
    年金の掛け金が2,000万円に達したとしましょう。


    そこで前述の「財産分与の原則」に当てはめれば、
    25年間かけて積み上げてきた1,000万円の退職金、
    2,000万円の年金は財産分与の対象です。



    基本的に財産分与の根拠は「内助の功」ですから、
    独身時代に築いた財産は対象外です。


    ですから退職金や年金の場合、婚姻期間と勤務期間の重複
    している部分のみ、財産分与の対象になるのですが、
    話を必要以上に複雑化しても仕方がないので
    今回の場合、「婚姻期間=勤務期間」・・・


    つまり、就職と同時に結婚したケース、
    もしくは結婚した後に就職したケースなどです。



    このような場合、退職金のうち、夫が500万円、
    妻が500万円の権利を、年金のうち、夫が1,000万円、
    妻が1,000万円の権利を持っているのだから、


    夫はようやく手に入れた貴重な貴重な退職金や
    年金ですが、本来であれば、夫は妻に対して
    泣く泣く500万円を渡さざるを得ないのです。







    ただし、年金の仕組みは退職金よりも複雑怪奇で
    分かりにくいので注意が必要です。






    具体的には年金というのは65歳に達すると、国から受給者に
    対して支給されます。


    受給者が夫なら夫の口座に2ヶ月に1回、
    年金が振り込まれるという具合です。

    年金は法律上「一身専属権」と呼ばれており、
    本人だけが受給する権利を持っているという意味です。


    ですから、国から受給者以外の口座、例えば、
    妻の口座に振り込ませることは禁止されています。




    例えば、65歳になった時点で、夫は年金事務所で裁定請求
    (年金をもらうための申請)を行うのですが、

    そこで「年金の半分は妻の口座に振り込んで欲しい」と
    頼んでも、窓口の担当者は「???」となり、
    受け付けてくれないのです。


    ただし、例外として「離婚時に年金分割の手続をしておけば」
    夫の年金を妻の口座に支給することができます。


    年金分割というのは婚姻期間中、夫が納めてきた
    厚生年金のうち、最大2分の1を妻へ付け替えるという
    制度です。


    年金分割の手続をすると、夫の厚生年金のうち、
    最大2分の1は妻へ移るので、すでに夫の権利では
    ないのです。


    妻の権利なのだから妻の口座に振り込んでも
    問題ないという解釈ですが、退職金と違い、
    夫が妻へ直接渡すわけではないことは
    知っておいた方が良いでしょう。



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    年金分割の手続を完了した時点で、夫の年金は
    妻へ移っているのだから、「やっぱりやめようかな」と
    気変わりしても、すでに手遅れ。


    65歳になったら、値分割した年金は妻の口座へ
    振り込まれるのですが、それをやめさせることは
    不可能なのです。



    年金が退職金よりも複雑なせいで、話し合いにおける
    力関係は圧倒的に妻が強く、夫が弱いので、妻が年金を
    請求してきたら、夫は断りようがありません。


    ほとんど問答無用な感じで丸々、鵜呑みに
    するしかないのです。



    しかし、今回の場合、妻は子供のことを
    何より最優先に考えています。



    「法律で決まっているのだから。
    財産分与の対象なのだから。
    私にも半分の権利があるのだから」




    そんなふうに正論を正しく振りかざしたところで、
    夫は「はい、そうですか」と二つ返事で答えるとは
    思えないので、「退職金や年金をどうするのか」の話を
    まとめるまでに膨大な時間を
    要するのは目に見えています。



    このように退職金や年金の権利にこだわることで
    長期化するのを必ずしも望んでいないので、
    そのせいで長引いたら、養育費を減らされるようでは
    本末転倒でしょう。




    ですから、妻の希望条件を受け入れた上で
    今すぐ協議離婚に応じてくれるのなら、
    退職金や年金の財産分与請求権を放棄する
    という具合に駆け引きをするのですが、


    夫は夫で「総取り」というジャイアン的な
    条件なのだから決して悪い話ではないでしょう。



    特に年金については絶体絶命のピンチ
    (ほぼ確実に持っていかれる)から
    脱出することができるのだから大きいです。


    このように相手の立場をわきまえた上で
    自分の希望をのませるという、簡単そうだけれど、
    なかなか出来ないテクニックの1つです。



    (次回に続く)



    日本経済新聞「もしもの法務」という記事の
    「離婚と争い~離婚と争い 住み続けたいがローン未返済 
    借り換えて名義一本化を」で私がコメントしています。

    電子版も公開されました。ぜひぜひご覧くださいませ。

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