
「美容と言えばヒアルロン酸!」ということで、今回はヒアルロン酸の話をしときましょう。
ドラッグストアなどで「ヒアルロン酸配合!」「うるおい成分にヒアルロン酸を贅沢に使用!」なんて文言、皆さんも一度は目にしたことがあるはず。ヒアルロン酸は、美容液から化粧下地、果てはメイクアップ商品にまで幅広く使われている成分でして、「不老長寿メソッド」にも「保湿に良い」などと紹介しましたが、実際のところ「何がどう良いの?」という点については、なかなか理解されていないところも多いんじゃないかと。
ということで今回は、「ヒアルロン酸の科学的な正体」について、最新のデータを交えてざっくり整理してみましょう。
ヒアルロン酸はどこまで肌をプルプルにしてくれるのか?
まずは基礎のおさらいから。ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid:HA)は、もともと人体にも存在する成分で、特に皮膚の「細胞外マトリックス」(細胞を支える構造的な土台)に多く含まれていおります。皮膚の表皮と真皮の両方にだだっと広がっていて、
- 肌の保湿
- 新陳代謝のサポート
- 傷の修復
- 紫外線や活性酸素からの保護
など、いろんな役割を担っていたりします。というのもヒアルロン酸は「グリコサミノグリカン」という種類の高分子でして、水とめっちゃ相性が良いという特徴を持っております。そのため、自重の数百倍もの水分を抱え込むことができるとされてまして、この性質こそが「お肌プルプル」をもたらしてくれると考えられているんですな。
で、ヒアルロン酸と言えば肌に塗るタイプの商品が最も定番でしょう。スキンケア製品において、ヒアルロン酸は主に「ヒューメクタント(保湿剤)」として使われてまして、これは肌の内側や空気中から水分を引き寄せて、角質層に潤いを届ける成分を指しております。具体的には、
- 美容液(セラム)
- 化粧水(トナー)
- ジェル系保湿剤
などに配合され、「肌の表面に水分を留めて乾燥を防ぐ」という役割を果たすわけです。ちなみに、同じような保湿剤でもグリセリンなどは少しベタつきが気になることもあるので、その点ヒアルロン酸は使用感が軽くて人気が高いわけですな。
では、実際にヒアルロン酸は肌管理に役立つのかってことですけど、結論から言えば「ちゃんと効く」と申せましょう。ヒアルロン酸の保湿力を示したデータは多くて、
- 皮膚の水分量アップ:ヒアルロン酸配合化粧品を4週間使った被験者は、角質水分量が即時で134%増、6週後でも55%の増加が続いた(他にも乾燥肌の改善データ多数)(R)。
- しわ(特に浅い小じわ)の減少:1〜3ヶ月の使用で、小じわの深さが軽減したとの報告がある。塗布タイプでも、特に低分子HAは効果が大きい傾向がある(R)。
- 肌バリア機能の保護:経口のヒアルロン酸を使用した後、経皮水分蒸散(TEWL)が低下したとの報告もあり。つまり、肌から水分が逃げにくくなったと言える(R)。
- 肌の弾力が向上:経口のヒアルロン酸で表皮〜真皮の水分量が改善し、ハリや弾力のスコアが上昇する(R)。
- 傷の修復をサポート:低分子のヒアルロン酸により、軽い炎症・傷の回復が早まったとのデータがある(R)。
みたいなものがありまして、その効能についてはまず疑いようがないでしょう。つまり 「ヒアルロン酸は塗ってもちゃんと保湿して、バリア機能も守って、小じわ対策にもなる」 というのが、おおまかなコンセンサスになります
ただし、ひとくちに「ヒアルロン酸は効く!」と言っても、そこにはいくつかの論点がありますので、そこらへんをざっくり押さえておくことにしましょう。
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