建築において「道」は極めて重要である。なぜならランドスケープをデザインするときに、それが全てではないものの、道を抜きにしては考えられないからだ。道抜きのランドスケープデザインなどありえない。従ってランドスケープをデザインするということは、道をデザインすること――と言ってもほとんど過言ではないのである。

ところが、そんな道の重要性を知る人は少ない。建築の内部空間においても、人が通るところは「動線」といって入念にデザインされるが、それを「道」としてとらえている人はほとんどいない。ぼくは藝大の建築科に四年間通ったが、今考えると呆れてしまうのだが道についての授業は一コマもなかった。道は完全に無視されているのだ。

建築の専門学科でさえそうだから、建築士の免許を持っている人でも道をデザインできる人はおろか考えたことすらない人が大半である。しかし道抜きには建築は考えられないし、ランドスケープも考えら