
「スーパーエイジャーの科学」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5,#6,#7,#8,#9,#10,#11,#12,#13,#14,#15,#16)
このシリーズでは、年をとっても脳と体が元気に動きまくる“スーパーエイジャー”の最新研究をもとに、いくつになってもピンピンした状態を保つための知見を考えております。
で、そのために本シリーズでは、スーパーエイジャー研究で有名なトポル先生が提唱する『Lifestyle+(ライフスタイル・プラス)』を掘り下げてまして、今回は「孤独対策」の話です。
さて、トポル先生が提唱する「Lifestyle+」では、食事、運動、睡眠に加えて「社会的孤立と孤独」を健康寿命に関わる要素として扱っております。人間は社会的な動物なので、孤独だとどうしても健康にはならないんじゃないか?という話ですね。
ってことで、そこらへんの改善法を見てみましょうー。
孤独と社会的孤立は、同じではない
さて、まず押さえておきたいのが、研究の世界では、孤独と社会的孤立を別物として扱っているところです。簡単に言いますと、
- 孤独=「自分はひとりだ」「人間関係に満足できていない」と感じる主観的な状態。たとえば、毎日たくさんの人に会っていても、「本音を話せる人がいない」と感じていれば孤独かもしれない。
- 社会的孤立=単純に人との接触が少ない状態。なので、私のようにひとりで過ごす時間が多くても、それを本人が心地よく感じていて、必要なときに頼れる人がいるなら、必ずしも問題とは言えない。
このブロマガをお読みの方なら周知のとおり、孤独と社会的孤立の害はかなり立証されてまして、簡単にまとめると、
- 孤独はうつ、不安、自殺リスクなどと関連し、がんサバイバーの死亡リスク上昇とも結びついている。
- 社会的孤立は、早期死亡リスクと関連し、その規模は喫煙、肥満、身体活動不足に匹敵する可能性があるうえ、認知症リスクの上昇とも関連する。
って感じでして、なかなか強烈な結果になっております。「誰かとつながっている感覚」ってのも、かなりのとこまで健康寿命に関わってるわけですな。まぁ孤独が強いと、ストレス反応が長引きやすくなるし、気分が落ちれば運動量も減るし、睡眠の質も下がりますんで、当たり前といえば当たり前ですが。
ただし、社交的になればいいってわけではない
では、この問題をどうすりゃいいのかってことですが、ここで大事なのがやっぱり「個人差」であります。たとえば、
- 外向的な人にとっては、週に何度も誰かと会うことが元気の源になりやすい。
- 内向的な人にとっては、大人数の集まりが続くと、かえって消耗することもある(私のことですが)。
- 在宅で仕事をしている人、都会でひとり暮らしの人、地方で移動手段が少ない人、趣味でつながれる仲間がいる人など、人とつながるための条件も個別に異なる。
って感じでして、孤独の感じ方は性格によって異なるし、物理的な条件も変わりますからね。なので、「孤独は人と会えば解決!」みたいな単純な話じゃないんですよ。
なので、健康寿命のために必要なのは、「社交的な人間になること」ではなし。まず考えるべきは、自分の性格と生活に合ったつながり方を作ることなんですな。
もちろん、現実のスーパーエイジャーたちも「ひとり時間」と「つながり」のバランスをうまく取っております。トポル先生の研究(R)では、Mrs. L. R.さんという98歳の女性が引き合いに出されてまして、
- 彼女は94歳で夫を亡くしたあと、深い孤独とうつ状態に陥った。しかし、長年カードゲームを一緒にしてきた女性の友人たちの助けもあり、シニア向け住宅へ移ることに。そこで別の住人のアーティストが夕食会を開き、新しい女性アーティストたちのネットワークができたことで、彼女の社会的つながりは豊かになっていった。
- ただし、彼女は「常に社交的な人」になったわけではない。トポル先生の調査では、彼女は絵を描いたり、ジグソーパズルをしたりする孤独な時間も楽しみつつ、カードゲームやアーティスト仲間との交流とのバランスを取るように、無意識のうちに調整していたとのこと。
といった感じだったそうな。あくまでサンプル数1ですが、健康的なつながりってのは、孤独な時間をゼロにすることじゃないことの良い例になりましょう。自分に必要なレベルの「ひとり時間」を保つのはめっちゃ大事。
そこで見るべきは、
- ひとりでいたいときに、ちゃんとひとりでいられるか
- 誰かに会いたいときに、会える人がいるか
- 困ったときに、連絡できる人がいるか
- 自分の役割や居場所を感じられる場所があるか
ってあたりっすね。このあたりを参考に、自分の人間関係のポートフォリオを見直すのが吉であります。
人間関係は「量」より「機能」で考えよう!
ってことで、以上の話をふまえて、健康寿命のための人間関係を考えるなら、「友達が何人いるか」よりも「その関係がどんな機能を持っているか?」を考えるのがオススメであります。具体的には、以下の4つに分けると整理しやすいでしょう。
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