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「ところで、その子たちはなにをしでかしたんだい? 全員刑務所に送られるんだったら、万引きとかではないだろう?」「ほとんどの子は187というので起訴されてるんだ」法執行用語をだれかに披露したかったのだ。「そりゃなんていう意味だい?」「殺人だよ」「わーお!」父は思わず叫んだ。
刑務所に入った経験があるだろうか? ぼくはないし、これからもないよう祈っている。こんな本を読んだあとではなおさらだ。
『プリズン・ボーイズ』。このタイトルからだけでも、本書が少年刑務所を舞台にしていることはわかるだろう。書き手はマーク・サルツマン。その作品はピュリツァー賞の最終候補にまでのこったこともあり、チェロの腕前はプロ級、何とあのヨーヨー・マと競演したこともあるという人物だ。
そんなご立派な作家と監獄に何のつながりが? その秘密はサブタイトルの「奇跡の作文教室」にある。サルツマンはあるときから少年刑務所で作文の授業を受け持つことになったのだ。
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