電子書籍『あいされたい。』を書くために非モテ関連の本を読んでいるのだけれど、どうもぼくは非モテに対して共感がないなあとあらためて感じる。その理屈はともかく、感情的なところにまったくシンパシーを覚えないのだ。

 もっというなら、日本の男性学、男性論がまるで納得できない。男性学の本は何冊か(たぶん日本で出ているものはほとんど)読んだが、ほとんど共感できた覚えがない。

 まあ、それなりに良い本もあるとは思うのだけれど、結局はフェミニズムを下敷きにするというより鵜呑みにしていて、それゆえに歪んでいる印象が強い。

 たとえば『非モテの品格』という本がある。この本の著者は優れた宮崎駿論を書いた人で、書き手として一定以上に信頼しているのだが、この本一冊に限っていうなら、やはりまったくうなずくことができない。

 序盤のほうに、女性から男性への想いを表すこんな一節がある。

 男たちには、たくさんの社会的