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【『そして父になる』】
先日、是枝裕和監督の最新作『そして父になる』を観てきました。
福山雅治主演でカンヌで絶賛を浴び、話題となった作品ですが、さて、じっさいのところ、その出来はどうだったのか。
結論から云うと、噂にたがわぬ逸品でしたね。
激動のクライマックスに涙が止まらない、というタイプの作品ではないと思うのですが、重厚に積み上げられた展開が最後には静かな感動を呼びます。
福山雅治とリリー・フランキーを初めとするキャストも好演を見せ、まさに日本から世界に輸出する作品として誇りを持てるクオリティと云えるかと。
ちなみにこの作品、ハリウッドでリメイクされるそうですが、その際にはもっとドラマティックな脚色をほどこされるかもしれません。
いささか地味ながらきわめてていねいな仕事は、是枝監督ならではのものでしょう。
物語は、エリート街道を歩く良多(福山雅治)のところに、実は息子がほかの子と取り違えられていたという衝撃的な情報が飛び込んでくるところから始まります。
かれのほんとうの息子は、べつの人物が育てていたというのです。さっそくその親子と逢い、情報を交換する良多。
しかし、自分とはまったく生活環境が違うかれらに嫌悪感を抱かずにいられなかったのでした。
ところが、良多はかれらと時間をかけて付き合ううちに、それまで知らなかった「父親であること」の意味を少しずつ悟っていくのです。
これはひとりの男が「そして父になる」までの物語。
【血か? 時か?】
この映画のテーマはシンプルです。「はたして親子にとって重要なのは血なのか、それとも積み上げた時間なのか」。
ひと昔、いやふた昔ほど前だったら、
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コメント
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レビューを読んで、映画を見たくなりました。とはいえ自分にとって映画館に行くハードルは高いので、多分見に行かないのですが。。。
子どもを持っていない身としては、
「いや、血などより積み上げられた時間のほうが大切なのだ」
と言い切ってしまいたくなるのですが、周囲の子どもを持っている人を思い出してみると、そう簡単じゃないんだろうな、というのはなんとなくわかります。
血が繋がっているからこその愛情っていうのは、おそらくかなり本能的なもので、いくら理性で色々と考えたところで抗えないくらい強いものがあるような気がします。
一方で、「家族というのは血が繋がっているべきだ」っていう規範意識も影響しているのでしょうが。