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対談で話されていたSAOが受けた理由は、ゲーム世界での活躍なら読者にとってもまだリアリティがあり感情移入しやすいからとありましたが、学生がテロリストを倒しちゃう劣等生が受けるところを見るにあまり関係なさそう。
海燕さんこんばんは。私なりにこの作品に関する考えや感想を書かせてもらいます。
まず、この作品のテーマについて。海燕さんは「社会に受け容れられづらいような者でも受け入れましょう」というのがこの作品のテーマであろうと書いていましたが、私はその点に関しては気になりませんでした。
というのも、この作品ではエルサを始末しようとするのが「嫌な奴」しかいないんですよね。政務に携わる者や国民の間からは、エルサをどうすべきという声が上がりすらしない。
これだと、観客としては「国のためにはエルサを殺すのもやむなしなのでは?」という発想が浮かんでこない。単純に「アナががんばってなんとかしてほしい」としか思わない。今は亡き王がエルサを幽閉した事も「かわいそうだけど、これくらいなら仕方ないかな」と許せてしまう。
さらに、アナが外国の王子であるハンスに国のことを任せても、身内が誰も批判していません。ここで私は、王女の責任とか国政とか大局的なことを考えても無駄だ、とすら思ってしまいました。
そして、海燕さんが挙げられていたこの作品にもう一つの大事な点である「真実の愛が起こす奇跡」。これは私も海燕さんと同じく、納得がいきませんでした。
私も愛が奇跡を起こして物事を解決する、という展開はあってもいいと思います。ただ、この作品においては、それを納得させるだけものが乏しいと感じました。海燕さんの言うところの、「説得力」「映画的工夫」ですね。
この作品の最後は、国が元に戻った上に、王女が魔法を制御できるようになっている。その魔法も恐れられることもない。嫌な奴は国外退去…、と考えうる限りのハッピーエンドです。
このハッピーエンドも、これ自体は私はあってもいいと思います。でも、これだけの奇跡を起こすには、やはりそれだけの代償、または何らかのパワーが必要だとも思います。
「何らかのパワー」というのは、本編で示されたように「真実の愛」ですね。ただし、これは先に述べたように、満足ができない。
私としては「アナはこれだけ姉を愛しているんだから、奇跡の一つや二つ起きてもいいはず」と思えるエピソードやアナの熱意をもっと表現したりしてほしかった。アナが後先を考えないタイプだからこそ、余計にそう思いますね。
劇中ぐらいの愛情描写だと、ラストは「エルサと国はまともになったけど、アナは氷づけのまま(もしくは死亡)」ぐらいが妥当かな?と。
奇跡を起こすなら、それに匹敵する何か(この作品の場合、真実の愛)を示してほしい。というのが、海燕さんの問いに対する私の答えです。
と、ここまで小難しいことを書いてきたので、もっと単純な感想も書こうかと思います。
上記のことを抜きにすれば、やはり音楽や映像は素晴らしかったです。特にエルサの魔法に関しては、「氷魔法カッケー!」と思いました。
氷の橋を作って渡る場面、氷の宮殿を建造する場面は素直に美しいと感じましたね。王女にはこれからたくさん氷のオブジェや娯楽施設を建造してほしいです。