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元WBC世界ライトフライ級王者・木村悠が語る「メイウェザーvs天心」!! ボクシングからこの一戦はどのように見えたのか?
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――今日は元WBC世界ライトフライ級王者の木村さんにメイウェザーvs天心やボクシング事情について伺いに来ました!
木村 よろしくお願いします!
――木村さんは引退後はボクシングの解説やコラム執筆などをなさっているんですよね(https://twitter.com/kim1123y)。
木村 そうですね。ボクシングが中心ではありますが、那須川天心選手、堀口恭司選手、武尊選手などメジャーな選手の動向はネットでチェックしています。まあ、いまのところはボクシング業界にどっぷりというわけでもないので、フラットな目線で格闘技界全体が盛り上がればいいなと思って情報を追っている感じですね。
――今回のフロイド・メイウェザーvs那須川天心についてもいろいろと発信されてますね。
木村 これほどのビッグカードになると、ボクらもやっぱり注目しますよね。メイウェザーのような偉大な選手が日本で試合することは興味深いですから。ボク自身メイウェザーは好きな選手ですし、現役時代は必ず試合もチェックしていました。そんな選手の試合だったらワクワクしないわけないですよ。
――木村さんは那須川選手とも接点があるんですよね。
木村 ボクが帝拳ジムにいるときに、彼も帝拳ジムに不定期で通ってきていたんですよ。サウスポーのスパーリングパートナーってあんまりいなかったので、天心に実戦練習を付き合ったもらっていました。
――当時の印象はどうでした?
木村 もの凄く才能がありましたよ。単純にパンチの技術が優れているなと思いました。相手のパンチをもらわないということを凄く考えてる選手でしたし、実際にパンチを当てにくかったです。当時はボクが日本ライトフライ級のチャンピオンで、彼はまだ高校生だったんですけど、その当時からうまい印象でしたね。
――最初にこのカードが発表されたときはどう思いました?
木村 最初は「メイウェザーが来る? 誰と戦うの?」と。その相手が天心だと知ったときに、明らかに気になったのはやはり体重差でしたね。体重の面で天心がメイウェザーと戦えるのか。また、どういうルールで戦うのか、メイウェザーがちゃんと日本に来るのかどうなのか。ちょっと前には亀田家の方たちと一緒に会社を立ち上げたという発表もあったじゃないですか。
――昨年9月のことですね。メイウェザーの会社と亀田3兄弟が所属する協栄ジムらが業務提携をするという発表で。
木村 それに、メイウェザーはマニー・パッキャオと再戦するという噂も挙がっていたので、そういう話も含めて天心との試合が現実的かどうかは疑問点がありましたね。
――木村さんとしては「本当に試合をするのか」「ルールも含めて試合が成立するのか」という2点が引っかかっていた、と。
木村 そうです。
――実際、カード発表の直後にメイウェザーは「公式試合には一度も合意していない」と表明して大騒ぎになりましたね。
木村 まあ、そうやって発表内容をひっくり返すのは、彼のいつもの手ですよね。メイウェザーは自分が「王様」でいたい人間なので、大きく発表したあとに「やらないよ」と翻意して自分の価値を高めるというか。その後、いいタイミングになって「やっぱりやる」というのは、プロモーションも含めた“いつものメイウェザー”かな、と。
――今回も“いつもの”感じだったんですね。
木村 彼はメディアをうまく使う選手なので、一連の動きを見てるとやっぱり凄く戦略的だなと思いました。
――そして「試合が成立するのか」という点では、いざ蓋を開けてみると想像以上の試合展開になったという。
木村 ボクも、メイウェザー側があんなに天心を倒しにくるとは思わなかったですよ。もっとスパーリングの感じでやるのかなって。
――1ラウンドに3ダウンを奪ってのTKO勝利ですからねぇ……。
木村 いやあ、この戦い方は想定外でしたね。メイウェザーはパンチをもらわずに、天心に合わせてマスボクシングのかたちをとるのかなと思っていたので。そのぐらいの実力差はありますし、メイウェザー本人も「これはエンターテインメントだ」と言っていたので、もう少しそっち寄りの試合になるのかなあと思っていたんですが。まあ、天心にとってはキツかったですよねぇ。そもそも初めてのボクシングルールの相手がメイウェザーというのが相当キツイんですけど……。
――メイウェザーがこういう試合をした理由ってなんだと思いますか?
木村 うーん、天心はちょっと相手を挑発しすぎちゃったのかなあ……とは思いました。天心本人も周囲も含めて「一発当ててやります」という発言もあったわけじゃないですか。それでメイウェザーに火がついたのかもしれないなって。あくまでボクの見解ですけど、そういう発言があったことでメイウェザーも「目にもの見せてやる」という気になった可能性はありますね。
――いつのまにか、相手を熱くさせるようなことをしてしまっていた。
木村 意識はしていなくても、RIZINのプロモーションも含めてちょっと真剣勝負に持っていきすぎちゃったな、と。
――メイウェザーもメイウェザーで、来日が予定より1日遅れたり、試合当日も焼肉に行ったという情報が流れたり。会場でもアップをしている姿をまったく見せなかったりして、ある意味挑発していたのかなとも思いますけど。
木村 まあでも、メイウェザーは本当に戦略的なので、メディアに見えていないところで練習したりしますから。本当にアップしていなかったのかは定かではないですけど、焼肉を食べにいったり、試合直前に富士山に行きたいといった発言をみると、挑発というよりは相手や周囲を焦らすのがうまかったのかなって。
――それを那須川陣営が真に受けていたとしたら、精神的にやられちゃいますよね。
木村 天心本人もSNSを活用しているので、メイウェザーが発信する情報は見ているでしょうし、メイウェザーはそういうところから自分の流れを作っていくんだなと感じました。
――メイウェザーはどんなに階級差があって、ボクシングルールが初めての相手であっても、完全に自分が有利な舞台を作っていく。だからこそ、あそこまでの地位を築けたということなんでしょうね。
木村 そうです。今回、天心がルールを破ってキックをしたら1発で5億円というペナルティを付けていましたけど、あれも舞台作りの一環ですよね。あれだけ体重差と経験の差があるんだったら、メイウェザーはキックルールでも戦えたと思うんですよ。でも、そこは妥協しないんですよね。
――だからこそのメイウェザー。
木村 それはコナー・マクレガーと対戦したときも同じだったと感じます。マクレガー戦も、メイウェザーはボクシングルールにこだわりましたよね。それに、マクレガー戦は3分3ラウンドではやらなかったと思うんですよ。なぜ12ラウンドにしたかというと、やっぱり総合格闘家は3分12ラウンドの戦い方に慣れていないので、絶対に後半スタミナが切れるだろう、と。だったら天心戦だって3分12ラウンドでもいいじゃないかと思うですけど、そこも戦略があったんでしょうね。
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ボクシング専門で、格闘技全般にフラットな人の意見は面白いですね!
メイウェザーはいつもあんなことやっているのか。
まさにAサイド劇場。
Dropkick編集部(著者)
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