アメリカのインディプロレスの“現在”を伝える連載! アメリカインディープロレス専門通販「フリーバーズ」(https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds)を営む中山貴博氏が知られざるエピソードを紹介していきます! 今回のテーマは虐待から救ってくれた一筋の光、それは大日本プロレスです


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「ママ、お腹すいたよ」
ボクは空腹に耐えきれず、ママに声をかけた。すると大好きなママは、ボクの顔に自分の顔を近付け、とびきり優しい笑顔をしてくれた。その次の瞬間ママは、ボクの顔に煙草の煙を思いきりふきかけた。

「ボク」こと、ジョシュ・クレインは、1994年12月26日、インディアナ州インディアナポリス生まれの現在24歳。ニックネームは、“ネヴァー・セイ・ダイ”。12歳で地元ローカルレスラーに師事。2008年、13歳のときにドレイク・ヤンガーとスコッティ・ヴォーテクスのプロレススクール「ドラゴン・デン」に入門し、その年の8月にデビューをはたした。

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彼の家は貧しかった。と言うより、母親が精神的に弱く、父親はクレインが物心つくかつかぬかという年頃には家を出て行ってしまい、正直どんな人物だったかさえ覚えていない。常に家には見知らぬ男たちが出入りし、彼らは全員がドラッグ中毒だった。

母からの虐待は彼が4、5歳の頃から始まった。最初のうちは、精神的虐待が多かった。わめき騒いだり、彼の名前をやたらと大声で呼んでは威嚇するようなものだったが、少しずつ手が出るようになり、その後、何年にも渡り、暴力を含む虐待が続いた。

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