閉じる
閉じる
×
マック佐藤氏と中川カ〜ル氏
全日本プロレスの元・練習生で、その後は黎明期の骨法道場に通っていたマック佐藤氏と、同じく骨法で鍛錬に励んでいた漫画家・中川カ〜ル氏が20世紀最大の格闘幻想を振り返る!
【1記事から購入できるバックナンバー】
・【骨法総括第2弾】矢野卓見「俺は試合に勝っちゃいけない存在だった」
――佐藤さんは全日本プロレスの練習生にして、黎明期の骨法の道場生だったという異色の経歴なんですよね。
佐藤 私が全日本プロレスに入ったのは85年のことで、骨法に入ったのは88年ですね。
佐藤氏が上梓した「我が青春のプロレス×骨法物語」。全日本プロレスと骨法で過ごした日々を振り返っている。
中川 誠さんは俺の1年前ぐらい前から通ってるんですよね。つまりジャイアント馬場夫人の元子さんと、堀辺先生夫人の局長(桃子)の2人を知ってるという(笑)。
中川 誠さんは俺の1年前ぐらい前から通ってるんですよね。つまりジャイアント馬場夫人の元子さんと、堀辺先生夫人の局長(桃子)の2人を知ってるという(笑)。
佐藤 まあ2人は似てますよね(笑)。
中川 どっちが好きですか?
佐藤 2人とも好きですよ(笑)。
――最高の答えです! 80年代・骨法の証言って貴重なんですよね。
佐藤 当時の骨法は、例の「パタパタパタ」の掌底じゃなくて拳だったんですよ。
中川 俺が入るぐらいにちょうど掌底に変わるぐらいだったのかな。顔は掌底で、ボディは拳とかでしたね。
佐藤 掌底は上級者・中級者で、初心者は拳で。拳の打ち方の基本をおぼえてから掌底に変わっていく。最初から掌底をやったらうまくいかないんですよね。
――その頃の骨法は打撃系格闘技だったということですよね。
佐藤 そうですね。関節技もあったけど、ほとんど打撃でした。打撃の練習をしてミット打ちをして最後にスパーリングをやると。
中川 だいたい毎日スパーリングをやってましたよね。指導員の廣戸(聡一)さんと最上(晴朗)さんが相手をして、ある程度を打たせてからガンと一発で決めて倒して「はい、次!」と。
佐藤 あの2人は本当に凄かったんですよ。ただ当時の動画が残ってないんですよね。
中川 かなり激しかったですよね。いまネットで見られる骨法の動画は掌底でペチペチペチやってますけど、廣戸さんと最上さんの打撃はもっとゴツゴツしているイメージで。
佐藤 どちらかというと、K-1に近いですね。蹴り技もかなり破壊力がありましたから。
――猪木さんが元ボクシング世界ヘビー級王者レオン・スピンクス戦の前に浴びせ蹴りを骨法で習ったぐらいですもんね。
中川 当時としてはあれだけスパーリングをやっていた道場は他になかったと思います。 俺もスパーリングで前歯3本折れてるんですけど、スーパーセーフの面が顔に当たって折れちゃって。
佐藤 “徹し”を食らうとスーパーセーフをつけてても威力が浸透しましたからね。
中川 スパーなのに金的攻撃もありましたからね。だから必ずファールカップはしてるんですよ。
――アマチュアなのに金的ありで練習をするって凄いですよね(笑)。そういった技術体系は誰が構築したんですか?
佐藤 先生が構築したんですけど、それはいろんな格闘技の寄せ集めだったんですけどね。ジークンドーや詠春拳とか。
――いろんな格闘技をハイブリッドしたのが骨法。
中川 先生は格闘技マニアで本当に格闘技が大好きでしたから。最初の頃は受け身もやってましたよね。
佐藤 柔道みたいな受け身じゃなくて前回り受け身。
中川 合気道のような受身ですよね。
佐藤 要はケンカを想定してるのでアスファルトに投げられたときにバチンと受け身を取るんじゃなくて、クルリと身を丸める。一度アスファルトでも受身を取ったことがありますけど(笑)。
中川 誠さんは身体が頑丈だから、よく技の実験台になってましたよね。
佐藤 だいたい私がやられ役です(笑)。
中川 これは誠さんがバックドロップをやられている写真。 これ、下はほとんどコンクリートなのにおもいきり投げられてますからね(笑)。
佐藤 高速ジャーマンですよ(笑)。
中川 俺の師匠の竜崎遼児先生が『闘翔ボーイ』という格闘技漫画を描いてるときに骨法道場を取材したんですよ。そのとき竜崎先生が「骨法には何か投げ技はないんですか?」って質問したら、堀辺先生が「ありますよ。おい廣戸」と。それでこの高速ジャーマン(笑)。
佐藤 ジャーマンの練習なんかしてないんですけど(笑)。その場でいきなりやったんですよ。廣戸さんと最上さんはなんでもできちゃうんですよね。
中川 堀辺先生はスパーリングはやらないんですけど、「今日はこういう技をやろう」と見本を見せて、実際に俺らがやってみる。最後は「総括」といって、みんなで円になって稽古の反省して終わる。
佐藤 稽古が終わると全然空気が変わるんですよ。 廣戸さんと最上さんはもう漫才コンビみたいに面白かったですから。
中川 道場はいつも明るかったですよね。矢野(卓見)さんの頃とはだいぶ違います(苦笑)。
――堀辺先生が思い描く骨法という格闘技を体現したのが廣戸さんと最上さんだったということですよね。
佐藤 いろんな技を編み出すのは堀辺先生で実践するのは廣戸さんと最上さんの2人ですね。
――飲食店でいうと堀辺先生がプロデュースして、廣戸さんと最上さんがシェフだったということですかね。
中川 そうですね。
――シェフが独立して味が落ちたのに、お店がブレイクするんですから面白い。
中川 あれはターザン山本の力が大きいですよね。
――グルメ評論家がインチキなことをやりましたか(笑)。
この続きと、朝倉海、菊地成孔、中野巽耀自伝、中嶋勝彦、鶴屋浩…などの7月更新記事が550円(税込み)でまとめて読める「11万字・記事19本の詰め合わせセット」はコチラこの記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事90円から購入できます!
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
入会して購読
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
コメント
コメントを書く
ヤノタクさん以外の骨法話、これはこれでまた非常に面白いです。
これは廣戸さんと最上さんにインタビューするしかないですね。
やはりドロップキックの骨法インタビューは
面白い。
願わくば矢野さん、中川さん、佐藤さんに加えて
あと一人語り部を探し出してきてもらえたら・・・