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初代K-1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太がRIZIN参戦、MMA転向! 現在は投資家としても大金を稼いでいますが、超大富豪の娘で奥さんのサラさんとともにRIZIN参戦の思いを激白してくれました!(聞き手/ジャン斉藤)



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――
3年前に発売された『K-1チャンピオンの億を稼ぐ株式投資術』は即購入したんですが、「なぜ投資を始めたのか」というそれまでの苦労が生々しくて。移籍を巡る金銭トラブルとか。

久保 ああ、この本を懐かしい。ありがとうございます(笑)。

――
株は興味がないんですけど、久保選手を巡るトラブルが刺激的でした! 投資も格闘技も「負ける戦いはしない」ということで、今回のMMAデビューはもちろん勝算があってのことなんですよね。

久保
 はい、勝算のない挑戦はしません。

――
そもそも昨年ボクシングに転向することでK-1を離脱されましたが……。

久保
 それはですね、やっぱりMMAの練習が楽しくて。こういう言い方はアレですけど、ボクシングはアンダーグラウンドなところが……。

――
ああ、 なかなか脚光を浴びないジャンルではありますよね。

久保
 世界まで進むと違いますけど、最初はそうですよね。 華やかさがちょっと……という現実もあり、そうなると目立たないので、サラちゃんを惹きつけることができそうにないなと思いました(笑)。

サラ
 えっ、私?

久保
 K-1ウェルター級タイトルマッチの防衛戦、惚れたでしょ?

サラ
 いやあ、べつに~、惚れてないんですけどお。 

久保
 でも、リング上のプロポーズを受けてくれたでしょ。

サラ
 あれは空気を読んだだけ。

久保
 目がハートマークになってなかった?

サラ
 なってない。

――
サラさんとしてはボクシングとRIZINだったら、どちらで戦ってほしいんですか?

サラ
 ボクシングとRIZINだったらRIZIN。それは久保ちゃんがRIZINに出るからRIZIN です。

――
禅問答ですね。

サラ
 RIZINってよくわかんなくて。だから私は盛り上げるだけ。私は私の仕事をするだけです。

――
サラさんにも仕事があるんですか?

サラ
 あります。RIZINのことはよくわからないけど、次のRIZINの一番の見所は……いま言っていいのかな?具体的なことはまだ言えませんけど、私が一番盛り上がってやる、目立って皆さんを楽しませられるといいなあと思ってます! 

久保 あ、一番の見所はボクの試合じゃないんだ……。 

―― サラさんもRIZINで勝負するわけですね。

サラ
 私も勝負する。 私の人生の勝負。

久保
 こっちも人生が懸かってるんだけど?

サラ
 私も人生、懸かってるから!

――
夫婦で人生の勝負なんですね(笑)。RIZINとK-1ってファン気質が違うんですよ。

久保
 ああ、わかります。RIZINにはPRIDE のファンじゃないですけど、そういうマニアックな雰囲気はありますね。

――こんな感じだと相当批判の声が飛んでくるかなと。

サラ  ああ、それはもう慣れてるから。

――安心しました。

サラ 最初から叩かれる気でいますし。「あんな奴いらなくね?」って思われるんだろうけど。「いらない」って言っても「私が出るんだから見ろ!」って感じ。

―― 皇治選手もK-1ではアンチはいましたけど、RIZINに来てからその100倍叩かれて。

サラ 叩かれるのは楽しみだし、基本的に「見ない」ことですよ。でも空気でわかる。「いま世の中が私のことを叩いてるな」っていうのは空気でわかるから。 

――
そのセンサーはイヤですね(笑)。話を戻すと久保選手が初めてMMAに触れたのは朝倉未来選手とのコラボなんですよね。

久保
 はい、あそこが初めてです。YouTubeでコラボさせていただいて、MMAがだんだん楽しくなってきた感じです。「こんなに面白いものなんだ!」って。知らないことがたくさんあるので楽しいですね。 K-1というか立ち技は攻略できちゃうというか、デビューしてから18年近くやってるので。

――立ち技は知り尽くしてるというか。

久保
 ボクシングも日本チャンピオンや日本ランカーとスパーをやっても互角以上にできちゃうんですよね。それにボクシングってパンチだけのテクニックだったりの勝負になってくるので、逆にMMA の場合はいろんなことを覚えなきゃいけない。そこが楽しいですね。

――ボクシングは技術を削るけど、MMAは足していくことになるんですね。

久保
 そうです!

サラ
 (つまらなそうに)MMA とボクシングの違いがわからない。

久保
 わからない?

サラ
 でも、MMAは寝てるということはわかる。立ってるよりは寝ててくれたほうが私は好きなんですよ。動物って寝て争うじゃないですか。立って戦うのは人間らしすぎるというか。寝て戦ったほうが人間の動物としての本性が出る。

――
深いお話ですね。

サラ
 たしかに! 

――ご自分でも思いますか!(笑)。

サラ
 だから寝ているMMAのほうが好きなんです。

久保
 MMAは立っても戦うんだけどね。

サラ
 でも、MMAに興味はないから。

――久保選手はいつぐらいからサラさんがまるで興味のないMMA転向を考えたんですか?

久保
  半年ぐらい前には考えてましたね。

サラ
 本当はオリンピックに出るつもりだったんだよね?

久保
 ボクシングでね。この東京オリンピックには間に合わないから、2024年のパリオリンピックを目指したかったんですよ。

――ところがMMAの練習をしてるうちに手応えを感じ始めたというか。

久保
 練習って実際の試合とは違うじゃないですか。そこを踏まえたうえで自分の中では実験だと捉えてるんです。立ち技だと自分が分析派なので、誰と誰が戦うとなったときに、その選手の過去のデータ5試合ぐらいを見ちゃうと展開が見えちゃうんですよね。

――YouTube の予想動画でも展開をバンバン当ててますもんね。

久保
 はい。 それを自分の対戦相手に置き換えたときに、どういう展開を作れば勝てるかがわかっちゃうので。それよりも広い大海原じゃないですけど、未知のジャンルにチャレンジしたほうが面白いなと。こうやって人に見られる職業で夢を与えられる立場ですし、守ってる姿や保身に走るんじゃなくて、それよりも挑戦する姿を見せて、少しでも見てる人の元気に与えたいなと。あとサラちゃんも喜ぶんじゃないかなとっ!

サラ ……。

――久保選手の話がだいぶ長かったので、サラさんは途中で飽きてましたね。

サラ
 寝るかと思った。

久保
 ……さっきの記者会見で「サラちゃんを惚れさせたい」と言ったときに、サラちゃんは携帯いじってましたからね(笑)。

サラ 全然聞いてなかったよ。

――
いまは宮田和幸さんのBRAVEでも練習してるそうですが、いつぐらいから行かれてるんですか。

久保
 6月くらいから。それ以前はいろいろなところに出稽古したり。いまは週1~2回、パラエストラ東京の中井祐樹先生のところに柔術を教わりに行ったり。 

――立ち技の選手がMMAに転向したときに、寝技や組みの練習が肉体的にも精神的にもキツイと聞きますが。

久保
 やっぱりキツイですねぇ。ただ、自分は首相撲の攻防があるムエタイをやっていたので、組みはできてると言ってもらえてますね。

――
対戦相手の太田忍選手はオリンピックレスラーですけど、ストライカーの久保選手からすると一番イヤなタイプですよね。

久保
 勝算があって受けたカードですし、そのほうが盛り上がるというか。

サラ
 やっぱりみんなを楽しませないとね?

久保
 そうだよね。

――
サラさんはこのカードの面白さは理解されてますか?

サラ
 レスラーと……なんだっけ?ボクサー?

久保
 まあ、ボクサーといえばボクサー。

サラ
 ああ、K-1ボクサーの戦いが見られるということ? 相手はオリンピックの金メダルでしょ。

久保
 銀メダルね。

サラ
 私、ミーハーだから「オリンピックと戦うんだ!?」って興奮しちゃう。

久保 オリンピックと戦うよ(笑)。太田選手のタックルを食らうか、ボクがタックルを切りまくって秒殺で KOするか。そういう勝負になると思います。見てる人もワクワクする試合になるんじゃないかなと思います。

サラ 覚悟は見えたほうがみんな応援しやすいから。

久保
 「レスリングのメダリストvsK-1元チャンピオン」ってイロモノ対決に見られがちですけど、ボクはそういうつもりでリングに上がる気はなくて、ボクはMMAという競技でRIZINに骨を埋める覚悟で挑戦しに来たので。 軽い感じではないです。 

――
最近はYouTube と格闘家の二足の草鞋的なビジネスが流行ってますけど。久保選手の場合は昔からお金の大切さを説いて、副業を推進してきたのでやっと時代が追いついた感じがしませんか? 

久保 あっ、そうですね! 当時は株をやってると言ったら悪いイメージがあって「そんなヒマがあったら練習しろ!」って叩かれました。アルバイトで汗水たらして試合に出ることが美徳とされていましたね。でも、朝倉未来選手のおかげで格闘家がYouTuberをやっててもそんなに叩かれないというか、そういう時代になってきましたよね。 

サラ
 つまり、それを作ったのは久保優太ってこと?

久保
  いや、ボクが作ったというわけじゃなくて、周りが作ってくれたから、先に副業をやっていたボクの考えが正しいということが証明されたと。

サラ
 先にやっていた。先駆け?

久保
 そう。

サラ 先駆けだったんだけど、朝倉未来のほうがどんどんどんどん伸びていっちゃって「あらー」みたいな感じ?
 
久保 そうとも言うね……。

――
格闘家になる前から相当お金に苦労したからこその考えですよね。

久保
 「お金に困りたくない」っていうのはあるんですけど、ボクはよく「選手が何屋さんになりたいかよくわからない」と表現するんですけど。 いまは格闘技を使ってビジネスできる世の中になってますけど、それまではチケットの手売りやスポンサーの営業とかトレーニングに対して悪影響がある仕事が多かったんです。たとえばスポンサーさんに夜遅くまで飲みに連れてかれたり……それだと正直、何屋さんだかわからなくなってしまう。 でも、YouTubeだとファンの皆さんに応援されながら稼げますよね。選手は自分で撮影のスケジュールを調整できますし。

――よく「YouTube なんかやってる場合があるなら練習しろ」って言われてますけど、昔はその時間にアルバイトをしたり、チケットの手売りをしたり、スポンサーの接待をしなきゃいけなかったわけですね。

久保
  それを考えたら、いまのほうが健全だと思います。

サラ
 タニマチってやつ?

久保
 そんな言葉、知ってるんだ。

サラ
 知ってるよお。

久保
 この本にも書かせてもらったんですけど、20代前半の頃、早く寝たいのになあと思いながらスポンサーさんの飲みに連れて行かれたりね。実際にお店で寝てたら怒られました(笑)。スポンサーさんに気を使いますからそういうお店も楽しくないですよ。

サラ 自分で遊びに行ってるわけじゃないからね。

久保
  そういう意味では、格闘家にとってはいい時代になったなと思います。

サラ
 いい時代になったねぇ。

久保
 月に2~3回ぐらいの付き合いだったらいいんですけど、何百枚とチケット売らなきゃいけないと、毎日のようにあちこちに回らなきゃいけないから。

――投資で稼げるようになってからは、チケットを売ったりされたりんですか?

久保
  K-1のときは自分の知り合いから頼まれたときぐらいです。周りにはお金持ちの方が多いので、一番高いVIP席を数十枚買ってもらったりして。

――
久保選手にとって、お金は精神安定剤ですね。 

久保
 そうですね。でも、いまだに欲が…… 5億あるなら10億欲しいって、どんどんどんどん欲を出してしまってサラちゃんに怒られるという。

サラ
  きりがないよ。

――
サラさんから見て、久保選手はそんなにガツガツしてるんですか?

サラ
 いまはしてないと思います。前はきりがなくて「お金欲しいおばけ」になっちゃって、それだと死ぬまでお金を追っかける人間になっちゃう。どこかで満足しないと。だから「いま幸せ?」って聞くんですよ。幸せだったらもういいんです!

久保
 はい。いまは幸せですけど、ときどき不安になっちゃうんです。そんなときにサラちゃんが悟りを……。

サラ
 だって、いまは充分に困らないほどのお金もあるし、幸せなんだから。

久保
 「自分の夢にチャレンジできるありがたい環境があるから感謝しなさい」って怒られるんですよ。

サラ
 いまの自分に感謝する(手を合わせながら)。

――
サラさんがいなかったら、久保選手は大変な人生になっていたかもしれないですね。
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